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C.発明の取扱いについて

Q1.正当な対価とはどのようにして決めたものか?

A1.発明者に対する対価は、海外や日本の大学及び研究機関の実情を調べ、現時点で本学に合ったものとして決めたものです。

Q2.対価として研究費が得られるのか?

A2.発明者個人に対して支払われる対価の他に、研究助成の目的で、大学の教職員である発明代表者にまとめて配分されます。

Q3.知的財産審査委員会で審議するには時間が必要で、論文発表が遅れてしまうことが考えられるが対応できるのか?

A3.大学単独発明として届出された発明は、原則2週間以内に東北テクノアーチによる評価(ヒアリング)をし、それに基づいて大学として機関帰属の是非を判断します。その後に特許事務所に依頼して出願手続きとなります。

学会等での発表を控えて、特急で出願したい場合で、大学として承継すべきと判断した場合には、「簡易本出願」を行って、優先権を確保しておき、10ケ月以内に特許事務所経由で優先権主張出願することも可能です。この場合は正式評価が済んでいないため、ひとまず研究費等で出願費用を負担していただき、正式に大学承継が決まった時点で、その費用を知的財産部からお返しするという方法もあります。基本的には迅速に処理することを方針としております。個別にご相談させてください。

企業との共同出願の場合で、相手先企業が出願費用を全額負担し、その特許を実施したら実施料を支払う場合は、東北テクノアーチの評価は省略されます。また、出願手続きは相手先企業に依頼しますので、企業サイドの処理スピードに左右されることになります。

Q4.届出は発明者が知的財産部に直接おこなうようになるが、部局の事務はどのようになるのか?

A4.知的財産の取扱いでは秘密保持が重要ですので、届出の手続きを変更し、Webから直接届出可能としました。届出を受理して帰属が決定した後、本人と部局長(部局事務経由)に連絡します。部局内での集計等については、部局長の意向と事務の判断によるものと考えます。

Q5.大学で取り扱う知的財産の範囲は?

知的財産には、発明、考案、意匠、商標、著作物、半導体回路配置、不正競争防止法上保護されるものなどが含まれます。東北大学の発明等規程の中に、それらの知的財産のうち、発明・考案・意匠と、データベース著作権、プログラム著作権、ノウハウ、成果物を、当面は大学が扱い管理・運用する対象としています。成果物とは、研究の成果として、または研究の過程で得られた試薬、試料、実験動物、菌株、試作品および実験装置等をいいます。成果物の場合は、外部に提供する事態が発生した時に、大学はそれらの移動に関する契約・交渉など(MTA)をサポートします。学術論文や書籍については対象外としています。

Q6.基本特許とはどのような発明をいうのか?

A6.それを使用しないと当該製品が生産できなかったりする大元の技術または仕組みの事です。なお、周辺特許とはその周辺技術または仕組みのことです。

Q7.知的財産が機関帰属になり、出願手続きや費用などの取扱いはどのようになるのか?

A7.大学帰属となった知的財産は、大学が責任をもって手続きを行います。出願費用は共同出願の場合は原則として企業に負担していただきますが、単独出願の場合は知的財産部が負担します。場合によっては研究費で負担いただくこともあります。帰属とならないものは、個人で対応していただきます。また、費用は「発明の取扱い区分」に沿った負担といたします。

Q8.これらの管理システムができるとどれほど便利になるのか?

A8.発明者である先生本人の意向を尊重しながら、先生に代わって、知的財産部およびTLO(株)東北テクノアーチが出願、維持管理および活用促進(技術移転等)を行いますので、先生の研究時間をできるだけ確保できるようにしたいと考えています。各自のパソコン端末から発明届出していただきますので、当初は面倒に感じられるかもしれませんが、それ程難しいものではありません。お気軽に電話いただければやり方をご説明いたします。

Q9.アイデアを特許にするプロセスを支援する体制があるのか?

A9.ご要請により専門家がすぐに研究室に出向いてアイデアをお伺いし、支援することになっています。

Q10.微生物や細胞は供託しないと特許出願できないが、この取扱いは?

A10.現在と同じように供託の作業はしていただき、書面で知的財産部に届けていただくことになります。

Q11.コンソーシアムの取り扱いは?

A11.研究契約における知財の取り扱いの取り決めに基づき、個別のケースごとに処理することになります。

Q12.共同研究の契約の中に成果物を取り扱うことはあるか?

A12.共同研究契約には知的財産のひとつとして成果物の取り扱いが必ず規定されます。

Q13.発明の評価はどのようにするのか?

A13.(株)東北テクノアーチに業務を委託して、発明者から提出された発明等届出書に開示された内容の検討、及び、必要な場合は発明者にヒアリングして評価します。評価のポイントは、①産業上の利用性、②新規性、③進歩性、④公序良俗に該当しない(以上は特許法の特許要件)、⑤発明の価値(大学の使命として重要な分野に属する基本発明等、①発明の市場性、⑦技術移転の可能性、等です。知的財産部長を部会長とした知的財産評価部会で、東北テクノアーチから提出される評価報告書に基づき帰属についての方針を検討して知的財産審査委員会に付議します。

Q14.研究室のゼミ(非公開)、卒論の発表会や見学会で発表すると新規性は喪失するか?

A14.非公開のゼミがあれば喪失はしないと考えられますが、不特定多数の人が出席しうる場での発表は喪失になります。特許法の30条の適用が考えられますが、これが例外規定であり新規性を喪失するリスクがあります。学位論文の発表等の際は、参加者に対してNDA(簡単な秘密保持契約)の合意をお願いしておいた方が好ましいと考えます。

Q15.一端登録した特許は、終了まで大学が維持してくれるのか?

A15.維持するには費用がかかりますので、活用の可能性があるかがポイントとなります。定期的に活用に関する評価を行い、継続すべきか否かを判断します。維持しない場合は、当該特許の発明を、大学として放棄とするか、発明者個人へ返還するかを判断します。

Q16.発明の譲渡はどのような手続きで行うのか?

A16.知的財産審査委員会にて機関帰属が決定しましたら、所定の発明譲渡契約書を記入して、知的財産部に提出していただき譲渡の契約をします。

Q17.海外出願は誰が決めるのか?

A17.知的財産評価部会で評価し、知的財産審査委員会(委員長・知的財産部長)が審査し決定します。

Q18.知的財産を産み出す背景となるノウハウの取扱いは?

A18.ノウハウは知的財産の一つですが、発明等届出書を提出していただく必要はありません。ただし、活用の対象となります。企業から活用の要請が出てくる可能性がある場合には知的財産部にご連絡ください。活用についてTLO(東北テクノアーチ)と相談していただくこともあります。

Q19.「発明の取扱い区分」のAは企業が費用を負担し、知的財産は大学の帰属となるが、企業にメリットがあるのか?

A19.米国では企業のM&Aが多くあるため、権利を保有する企業が買収されると、知的財産の執行停止などのトラブルが生じます。大学はM&Aの対象とならないことから、このようなリスクを回避できます。企業も大学と共有することによりブランド価値が高まることもあります。また、大学は自己実施せず企業に対して専用実施権等を付与されることで、実質的に企業は実施の際に問題がなく実施できます。

Q20.共同出願の特許は、大学が不実施であり不利であるが?

共同出願の特許は大学が実施しないため、大学が保有しても維持費用がかかるのみであり、大学が不利にならない条件で共同研究契約を結んでからスタートすることを考えています。大学は企業に対して独占的実施権等を付与しその対価を支払っていただくことを考えています。具体的には、個々のケースに応じて対応していく予定です。

Q21.ベンチャーを立ち上げる時の融資で、大学に知的財産の通常実施権があることが問題となるが、どのように対応するのか?

A21.大学に権利があっても、ベンチャーの立上げの妨げにならないよう、対策を考えています。例えば、発明者と実施企業と協議して、ベンチャーに権利を譲渡することも含めて、個別に相談して決めていきたいと考えています。

Q22.日本的バイドール法では、企業に権利が移ると聞いているが?

A22.米国では、国有特許を大学に移管して企業に実施権を与えるというシステムです。日本では、「政府資金を供与して行う全ての受託研究開発(特殊法人等を通じて行うものを含む)によって生じた知的財産権について次の3つの条件を受託に約する場合に、100%受託企業等に帰属することを許可する制度です。①研究成果が得られた場合には、国に報告すること ②国が公共の利益のために必要がある場合に、当該知的財産権を無償で国に実施許諾すること ③当該知的財産権を相当期間利用していない場合に、国の要望に基づいて第三者に当該知的財産権を実地許諾すること」と制度化されています。従って、一定の条件も付与されています。

Q23.共同発明の特許について対価の配分はどのようにするのか?

A23.知的財産の取扱いについて相手企業等と協議による契約の中で定めた持分により得られた対価を配分します。

Q24.特許実施の対価は、どのような手順で発明者に支払われるのか?

A24.活用して、大学が収入を得た場合、対価等支払細則の定めに従って知的財産部から発明者に通知し振込み口座を連絡してもらい、その口座に振り込むことになります。なお、支払い時期は年2回程度を考えてます。

Q25.国立大学人は公開の義務があると思いますので、権利化せずに発表した方が公共の利益になるのではないでしょうか?

A25.学術研究全般の発展という見地からすれば、早い段階で論文として公開した方が公共の利益になるとの考え方もできます。 学術研究の成果が社会貢献につなげるためには、発明を権利化して保護しておく必要があります。もしもその発明が特許で保護されていない場合、最初に製品化を手がける企業は実用化のために膨大な開発コストを負担するばかりでなく、せっかく開発しても他の企業にそれを模倣されることを制限できず、後発企業やよりコストダウンを図れる大企業が利益を得ることになります。苦労して開発を行う企業はなくなり、また、発表して公知となった発明に基づいて誰かがその発明の実用化に向けて改良発明を特許として出願し、産業化に対する権利を全て握ってしまうことも想定されます。しかも、オリジナルの発明者の意図とは別の活用に至る可能性があります。大学の発明が特許によって権利化されていれば、開発に情熱を傾ける企業に専用実施権を与えて産業化を促すこともできますし、あるいは多数の企業に対して安く通常実施権を与え幅広い普及を図るなど、発明の社会への貢献と公共の利益のバランスを図ることが可能となります。このために、大学でも特許をとるということが大切です。

Q26.自分の発明は、特許として出願せずに論文発表したいのだが?

A26.論文発表とすべきか特許出願すべきかの判断を発明者に委ねています。従って発明を届出せずに発表を行うことに拘束はありません。ただし、東北大学の教職員は、東北大学の資金、インフラ等を使用して行った研究より生じた発明に対し、大学に無断で自身が出願人となって特許出願や、他人や企業に特許を受ける権利の譲渡を行うことはできません。

Q27.出願・維持費用はどうなっていますか?

A27.特許庁に収める費用と代理人(特許事務所)に支払う費用の2つがあります。

  • 出願時費用
    (a)特許事務所費用 15万円~40万円
    (b)特許庁費用 1.6万円(国立大学の場合は、H19年3月までは無料)
  • 特許成立時費用(審査請求、拒絶理由対応、特許成立)(注: 出願3年後頃に発生)
    (a)特許事務所費用 40万円
    (b)特許庁費用 20万円
  • 特許権利維持時費用(注: 権利有効期間一杯の20年間維持したものとして)
    (a)特許事務所費用 15万円
    (b)特許庁費用 120万円

従って、活用して費用以上の収入がないと、保有し続ける意味がないと判断し、途中で放棄することもあります。

Q28.自分が発明し、大学が特許出願した技術を使ってベンチャーを起業したいのですが、大学とのライセンス契約はどうなりますか?

A28.研究者の中には、自らが開発した技術を用いてベンチャー企業を興したいと考える方もいます。そうした時に、自身の発明をそのベンチャー企業で使うのに、特許が大学帰属となっているために大学とライセンス契約を結ぶ必要があります。東北大学では、発明者が関わる東北大学発ベンチャー企業がライセンスを希望する場合は、TLO東北テクノアーチが実施許諾形態、実施料等について相談に乗ります。

Q29.東北大学の特許が他者が無断実施している場合

A29.明者その他の方が、東北大学の出願した特許技術を他者が、無断で業として実施(製造、使用、販売等)しているのを発見した場合、知的財産部にお知らせ下さい。

Q30.特許法上の発明とはどのようなものですか?

A30.特許法では、発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しています。以下は、特許法の解説書から抽出したものです。

  • 自然法則の利用
    「自然法則」とは、自然界において経験的に見出される科学的な法則をいいます。また、「利用」とは、一部に利用しないものがあっても全体として利用していればよく、同一結果を反復できることを言います。人為的な取り決め(ゲームのルールなど)、商売方法や経済法則、永久機関のような自然法則に反するもの、自然法則自体(万有引力の法則、エネルギー保存の法則など)などは、特許法上の「発明」には該当しません。
  • 技術的思想
    「技術」とは、一定の目的を達成するための具体的手段であって、実際に利用でき、知識として伝達できるものをいい、個人の熟練によって得られる昨日とは異なります。フォークボールの投球方法などのいわゆる「技能」、単なる情報の提示は、特許法上の「発明」には該当しません。
  • 創作
    「創作」とは、新しいことを作り出すことを指すので、エックス線の発見や蝶の新品種発見など「発見」は創作とは見なされません。エックス線装置ならば特許がとれます。また、天然物から人為的に分離した化学物質は、「発明」に該当します。
  • 高度
    「高度」といっても、必ずしも産業界に大変革をもたらすものには限られません。従来にない新しい機能を発揮し、産業上利用できるものであれば、改良品でも立派な特許となります。

ちなみに、米国では「人間が作った新規かつ有用な製品・プロセス」、欧州では「技術的なもの」とされています。

Q31.発明が特許になるかどうかはどのように判断されるのですか?

A31.特許になるかどうかの要件としては、①特許法上の発明であること②産業上利用できるもの③出願前に公然と知られていないこと(新規性)④その分野に関して一般的に知識のある者が容易に考え出すことができないもの(進歩性)⑤先に出願されていないもの⑥反社会的でないもの⑦出願書類の記載に不備のないことが挙げられます。「産業上利用」できないものの例としては以下のようなものがあります。

  • 医療行為(人間を手術、治療または診断する方法)
  • 個人的にのみ利用される発明(喫煙方法など)
  • 学術的、実験的にのみ利用される発明
  • 実際上、明らかに実施できない発明(オゾン層の減少に伴う紫外線の増加を防ぐため、地球表面全体を紫外線吸収プラスチックフィルムで覆う方法、等)

Q32.発明が特許になるか調査したいが、どのようにしたらよいのか?

A32.特許出願のためには、先行特許及び技術の調査と評価を行って新規性を確認する必要があります。知的財産部では、全学で利用できる特許検索システムを検討中です。当面は特許庁のHPで検索可能です。

Q33.特許を受ける権利と特許権、発明者の権利について教えてください

A33.特許権とは自らその発明を独占的に実施することができ、あるいは他者がその発明を業として実施することを許諾したり、無断で実施している者に対しその実施を差止めたり賠償を請求する権利です。研究成果として発明が生じると、発明者には原始的に「特許を受ける権利」が生じます。特許を受ける権利は、その発明についての特許を出願し、そして特許を受けて特許権者となることができる資格です。東北大学の教員が行った発明が原則機関帰属であるといっても、大学は発明者から「特許を受ける権利」を譲り受け(承継し)なければ出願することはできません。特許を受ける権利を大学に譲渡すると、その後発明者である教員には、その特許を技術移転先が実施した場合は、対価収入が入りますので、発明等対価支払細則に規定されたルールで発明者に対価が支払われます。

Q34.研究室のゼミ(非公開)、卒論の発表会や見学会で発表すると新規性は喪失するか?

A34.非公開のゼミがあれば喪失はしないと考えられますが、不特定多数の人が出席しうる場での発表は喪失になります。特許法の30条の適用が考えられますが、これが例外規定であり新規性を喪失するリスクがあります。学位論文の発表等の際は、参加者に対してNDA(簡単な秘密保持契約)の合意をお願いしておいた方が好ましいと考えます。

東北大学が共催することにすれば、30条適用になる場合もあります。

Q35.大学で、他者の特許された技術を研究に使用することはできるのですか?また、特許が大学帰属になったことによって、発明者が研究機関を移動した場合はその特許技術を使った研究が続けられなくなったりするのですか?

A35.近年、プロパテント(特許権の効力が強い)の流れは大学における自由な研究を阻害するのではないかと不安に思う方もいるかもしれません。しかしながら、他者の特許発明について、発明の効果を試験するため、あるいはそれをステップにしてよりよい発明を研究するために実施を行うことはむしろ「産業の発達への寄与」という特許法の理念に合致するものであり、特許法でも試験又は研究のため他者の特許発明を使うことは認められています。特許は、「業として」発明を実施する行為に関わるものですので、大学での研究は他者の特許発明を実施することが可能です。したがって、当該特許の発明者が元の研究機関を移動しても、そこが大学のような試験研究機関であれば実施を行うことができます。しかし、例えば民間企業との共同研究において他者の特許技術を使い、それを共同研究先の企業が業として製造・使用・販売などを行うことは特許侵害に当たる可能性があります。また、特許の発明者であっても大学から民間企業に就職した場合などは無断で業として特許を実施することはできません。

研究マテリアル(成果物)については、有体財産ですので、研究者はその取り扱いについて東北大学発明等規程の定めに従う必要があります。