行のキーワード 512ワード

化学工学

ヒトの五感に訴える新製品・新分野を開発-亜臨界溶媒分離法における実験と理論の開発―

前の画像
次の画像
概要

超臨界/亜臨界抽出分離技術とは、水や二酸化炭素等の物質を高圧・高温にした際に、それらが液体と気体の両方の性質を併せ持った流体(超臨界/亜臨界流体)となることを利用し、その流体を用いてこれまで分けられなかった様々な物質を抽出分離できる技術です。特に亜臨界抽出では、より温和な条件での抽出分離を実現しています。有機溶剤を使用しないグリーンな抽出分離プロセスや装置、理論の研究開発を行っています。

従来技術との比較

開発した亜臨界溶媒分離法は,在来型の蒸留・抽出・分離等の化学工学プロセスとは異なり,大幅なスケールダウンを実現できることがメリットです。

特徴・独自性
  • 水,エタノール,二酸化炭素等の環境溶媒のみを製造工程に用いることができる
  • SDGsの推進
  • 日本発の医薬食品・飲料・化粧品・化成品等の製造工程のグリーンイノベーション
  • これまでに分離できなかった、利用できていなかった有用成分の利活用
実用化イメージ

低極性・高極性化合物や沸点の異なる化学物質の分離に長けています.クロマト法の精密性には及びませんが,物質群としての分離・分画操作には向いています.医薬食品・飲料・化粧品・化成品等の分野に応用できます。

研究者

大学院工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター 溶媒要素技術部

大田 昌樹  

OTA Masaki

高温高圧水中での化学反応を用いたプロセス開発、超/亜臨界流体抽出技術

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • これまでの研究はほとんどが水熱技術(超/亜臨界水技術など)に関連しており、超臨界流体(CO₂)と亜臨界流体(DME)の抽出技術、無機材料の合成、石炭化学、バイオマス変換、微細藻類の抽出、廃棄物のリサイクルなど多岐にわたる。また、さまざまな化学工学的応用の経験もあります。現在はリチウムイオン電池と廃プラスチックのリサイクルと化学実験の自動化と知能化に関する研究に取り組んでいる。
実用化イメージ

1. 廃リチウムイオン電池のリサイクルと貴金属の回収
2. 連続水熱装置による廃プラスチックのリサイクル
3. 非効率に利用される炭素系未利用固体廃棄物から高付加価値製品を製造する技術開発

研究者

大学院工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター システム開発部

鄭 慶新  

Qingxin Zheng

化学種

大気圧プラズマ流による次世代滅菌法の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • プラズマ滅菌は化学反応性、大気圧低温、低消費電力、低コスト、安全などの利点を有するため、既存の滅菌法の代替滅菌法として開発が進められている。本研究室では、様々な大気圧低温プラズマ流に対して、化学種生成輸送機構や滅菌効果について解明してきた。図1に示すように大腸菌にプラズマを照射すると、細胞内部よりカリウムが漏出してくる現象や細胞の高さが減少し変形することなどを明らかにしている。また、図2に示すように細管内部にプラズマを非一様に生成し、誘起される流れにより化学種を輸送して細管内壁を滅菌する手法を開発している。この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。
実用化イメージ

研究者

流体科学研究所 ナノ流動研究部門 生体ナノ反応流研究分野

佐藤 岳彦  

Takehiko Sato

化学熱力学

高温反応場を用いた機能材料の創製と熱物性計測法の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 金属・無機系材料の創製と高温融体の熱物性計測に取り組んでいます。現在、環境、医療、バイオ、情報分野での幅広い応用が期待されている窒化物半導体について独自の発想に基づいた新たな結晶成長プロセスの開発を行っています。また、当研究室で開発した超高温熱物性計測システムを一般開放し、材料開発の数値シミュレーションに必要な比熱、熱伝導率や表面張力など種々の熱物性測定のニーズに応えています。
実用化イメージ

鉄鋼・金属系素材、半導体産業:結晶成長、溶接、鋳造、凝固などのプロセス開発
 航空宇宙産業:ロケット・航空機用エンジンおよび構成部材の評価
 エネルギー産業:原子炉・核融合炉用材料、発電タービン用材料の評価

研究者

多元物質科学研究所 附属金属資源プロセス研究センター 高温材料物理化学研究分野

福山 博之  

Hiroyuki Fukuyama

化学プラント

高圧ガスタービン環境における燃焼評価と気流噴射弁の技術開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 燃焼は、温度、濃度、速度、高速化学反応といった多次元のダイナミックスが複合した複雑な過程です。当研究室は、高圧ガスタービン環境を実現できる世界的にも希な高圧燃焼試験装置を有し、高温高圧下の燃焼実験ならびにレーザー分光計測に独自性があります。航空宇宙推進系のみならず各種高圧化学反応炉の設計技術と安全評価技術、新燃料の燃焼技術、さらには高圧下の液体微粒化技術の研究開発にも取り組んでいます。
実用化イメージ

航空宇宙、自動車、電力、工業炉、化学プラント業界における、多様な燃料に対するガスタービン燃焼と評価、高圧噴霧生成と制御、高圧下のレーザー燃焼診断、化学反応炉の安全設計等に関する連携が可能です。

研究者

流体科学研究所

小林 秀昭  

Hideaki Kobayashi

化学療法

がん薬物療法開発/分子診断・分子治療技術の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 分子診断に関しては、網羅的遺伝子発現解析や全エクソンシークエンスによる乳癌や大腸癌の治療選択に重要な予後予測法の開発、治療薬選択、発癌リスクに関わる独自の分子マーカーの探索研究を行い、臨床研究による検証研究に取り組んでいる。
  • 抗がん薬の開発に関しては、新規HDAC/PI3 kinase2 重阻害剤の基礎開発(シーズ探索から非臨床試験)に取り組んでいる。
実用化イメージ

がん薬物療法に必要な新規バイオマーカーとしての診断薬や新規のがん分子標的治療薬としての用途が想定される。

研究者

大学院医学系研究科 医科学専攻 内科病態学講座(臨床腫瘍学分野)

石岡 千加史  

Chikashi Ishioka

リンパ節転移の予測および治療評価システム

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 1. 圧力センサー(針, 光ファイバーなど)をリンパ節内に挿入し,リンパ節の転移リスクおよび治療の評価が可能
  • 2. 国内特許取得済
実用化イメージ

リンパ節転移の診断・治療システムの開発を目指す医療機器メーカーと共同研究

研究者

大学院医工学研究科 医工学専攻 治療医工学講座(腫瘍医工学分野)

小玉 哲也  

Tetsuya KODAMA

核酸医薬

核酸医薬への展開を目指した架橋反応性人工核酸の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 核酸医薬は標的に対して相補的な塩基配列を持つ人工的に化学合成された核酸分子である。核酸医薬による遺伝子発現制御方法は、アンチセンス法、siRNA法、デコイ法などが知られており、21世紀の新しい創薬として注目を集めている。最近、蛋白を発現しないnon coding RNA が遺伝子発現制御に重要な働きをもつことがわかってきており、核酸医薬の新たな標的として注目されている。我々は次世代の核酸医薬の開発を目指し、遺伝子に対して高い効率で反応する新規架橋反応性人工核酸を開発した。
実用化イメージ

遺伝子に対する選択的な化学反応は、核酸医薬を用いた遺伝子発現制御方法を効率化するのみならず、従来にはない、遺伝子改変技術として展開できる可能性を有することから、その有用性は非常に高いと考えられる。さらに本技術では共有結合した2本鎖DNAを容易に調整できることから、有用なDNA 材料の創製も可能であり、この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。

研究者

多元物質科学研究所 有機・生命科学研究部門 生命機能分子合成化学研究分野

永次 史  

Fumi Nagatsugi

癌細胞選択的核酸医薬の創製

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 抗体医薬に次ぐ分子標的医薬として注目されている核酸医薬であるが、効果的な薬効発現と表裏一体的課題であるオフターゲット効果と呼ばれる副作用の低減がその実用化に向けた重要な解決すべき問題点として指摘されている。我々は従来の方法論とは全く異なる、標的がん細胞内でのみ薬効を発現し、正常細胞内では副作用を発現しない“がん細胞選択的核酸医薬”という新しい研究戦略を提案し、その実現に向け研究を推進している。具体的には増幅期のがん細胞に特徴的な低血流に基づく細胞内低酸素状態、ハイポキシアに注目し、ハイポキシアにより誘起される細胞内pH低下をトリガーとした選択的薬効発現を実現する人工核酸創製に取り組み、核酸塩基の配向変化に基づく標的RNA認識のOn-Off スイッチングを実現した。現在東京医科歯科大学横田隆徳グループとの共同研究により、動物レベルの実証実験に取り組み、良好な初期的データを得ている。標的細胞選択的薬効発現という研究戦略は世界的にも類がなく、高い独自性を有しており、世界的に高く評価されている。
実用化イメージ

上記、がん細胞選択的核酸医薬創製の研究戦略は、幅広いハイポキシア状態疾患への適用が可能で、現在脳梗塞・心筋梗塞への展開も検討しており、次世代分子標的薬剤としての高い可能性を有していると評価されており、産学連携により早期実証実験に繋げていきたい。

研究者

多元物質科学研究所 有機・生命科学研究部門 生命機能制御物質化学研究分野

和田 健彦  

Takehiko Wada

核磁気共鳴

半導体量子構造の伝導特性制御と超高感度NMR

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • GaAs やInSbの量子構造の伝導特性を制御し、核スピンの偏極状態を操作することで、二次元構造やナノ構造に適用できる超高感度NMR技術を確立した。さらに、InSb 量子構造においてアルミナ絶縁膜を用い、理想的なゲート操作を実現した。また、核スピンが感じる雑音特性を周波数依存性も含め測定する一般化された横緩和時間の考え方を提案、実証した。この概念は核スピンを用いるすべての計測に大きな変化をもたらすことが期待される。
実用化イメージ

良好なゲート制御を用いた次世代InSbデバイス。一般化された横緩和時間を利用した様々な核スピン計測、核磁気共鳴。高感度NMR は物性研究への応用が中心であるが、量子情報処理への貢献も見込まれる。

研究者

高等研究機構先端スピントロニクス研究開発センター スピントロニクス基礎研究グループ

平山 祥郎  

Yoshiro Hirayama

核内受容体

核内受容体PPARδアゴニスト

特徴・独自性
  • 運動模倣薬(Exercise pill)の開発は、高齢化社会のfrailty に対する解決策の一つである。Exercisepill 創薬のターゲットとして核内受容体PPARδが重要で、その安全なアゴニストの創薬が求められている。我々は、PPAR δ活性化の新しいメカニズム、アゴニストとしての新規小分子リード化合物を見出し、SBDD も行ってアゴニスト活性も確認した。
実用化イメージ

我々が同定した活性化メカニズム、新規小分子リード化合物をもとに、安全なPPAR δアゴニストの創薬が可能で、Exercise pill、肥満/糖尿病、anti-aging など、生活習慣病に対する新しいアプローチが可能となる。

研究者

加齢医学研究所 脳科学研究部門 神経機能情報研究分野

小椋 利彦  

Toshihiko Ogura

核燃料

newウィークビーム走査透過電子顕微鏡による原子力材料中の微細組織の定量解析

概要

格子欠陥定量解析法として極めて高い計測精度を誇るウィークビーム走査透過電子顕微鏡(WB-STEM)法の中で放射化試料・核燃試料の微細組織(転位および照射欠陥集合体など)を定量解析する技術を開発しました。
カートリッジ式の加熱炉の温度計測と電流制御を完全自動化した専用の加熱試料ホルダーとの組み合わせで、高い信頼性の温度履歴と一緒に転位組織の変化を動的にその場計測できます。

従来技術との比較

従来TEM法では逆空間や転位論などの専門知識を必要としましたが、我々のWB-STEM法では膜厚計測や転位ループ特徴抽出など自動解析ソフトウェアを実装しており、簡便かつ高精度な照射欠陥分析ができます。

特徴・独自性
  • WB-STEM法は、その設計当初から原子力材料を取り扱う放射線管理区域内での、実装とオンサイト修理を想定して特殊孔径絞りや回折ディスク選択装置、制御・解析ソフトウェアを開発しています。
  • 欧州炉RPV監視試験片、米国研究炉中性子照射材など世界中の放射化試料の照射欠陥分析を受け入れています。
  • 廃炉事業に鉄含有核燃料模擬デブリの性状分析にも活用されています。
実用化イメージ

現在、透過電子顕微鏡を用いて組織観察を実施している研究組織が新たに特殊改造によってWB-STEM法を導入することをサポートをします。透過電子顕微鏡の使用実績の無い研究者に転位分析の手順を指導します。

研究者

金属材料研究所 附属量子エネルギー材料科学国際研究センター 研究部

吉田 健太  

Kenta Yoshida

核融合炉

高温超伝導テープおよびケーブルの着脱可能な接合法の研究

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 当研究室では高温超伝導テープおよび導体の着脱可能な接合法の研究を行っている。接合方法としては機械的バットジョイント、および機械的ラップジョイント(図1)を採用している。これら機械的接合法では、接合部に与える圧縮力を解除することで、着脱が可能となる。高温超伝導体は比較的高温(液体窒素温度域)で使用することで、比熱を大きくでき、ある程度の抵抗発熱を許容できる。局所的な高熱流束によるクエンチ防止には、金属多孔質体を用いた極低温冷媒の熱伝達促進技術(図2)を用いる。
  • 本研究はこれまで想定されてこなかった高性能で短尺の高温超伝導線を利用した組立・分解・補修が可能な各種超伝導機器の開発可能性を新たに示すものであると考えている。すなわち、アプリケーション開発側から材料開発へのアプローチを可能とし、高温超伝導体産業の活性化を促せる研究であり、この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。
実用化イメージ

研究者

大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 エネルギー物理工学講座(核融合・電磁工学分野)

橋爪 秀利  

Hidetoshi Hashizume

加工計測

精密ものづくり計測に関する研究

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 精密加工品の形状及び精密機械の運動を必要な精度で計測するという精密ものづくり計測の研究に取り組んでいる。独自の計測原理に基づいて、グレーティングなどの微細格子と波動光学系を組み合わせることによって、超精密ものづくり計測の基本道具となる高精度かつコンパクトな多軸変位、角度センサを実現させている。各種超精密及びマイクロ加工品の形状を高速高精度に測定する実用的なシステムの開発も行っている。
実用化イメージ

多軸変位、角度センサは半導体及び電子部品製造・検査装置、超精密加工機、超精密測定機の運動計測に活用され、また、形状測定システムは超精密加工分野で利用されることを期待し、産業界との共同研究を希望する。

研究者

大学院工学研究科 ファインメカニクス専攻 ナノメカニクス講座(精密ナノ計測学分野)

高 偉  

I Ko

加工熱処理

構造用金属材料の組織と特性の制御

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 金属材料の性質は、材料を構成する微細組織によって大きく変化します。我々は、従来型のバルク材の結晶構造・組成・粒径等の制御のみならず、結晶界面の構造やサブナノ領域の局所的組成など原子レベルでの先進的組織制御により、強度と延靱性に優れた構造用金属材料の設計・開発を、鉄鋼を中心に行っています。特に、結晶界面(粒界や異相界面)を制御する新しい観点から、相変態・再結晶を用いた結晶粒微細化の指導原理を構築するべく基礎的研究、豊富な資源としての軽元素の機能の基礎的理解と有効活用による鉄鋼およびチタン合金の更なる高機能化の研究を行っています。
実用化イメージ

熱処理や塑性加工を用いた鉄鋼や非鉄金属の高機能化、鉄鋼の表面硬化処理、金属組織に関する各種解析などを専門としており、この経験を生かして少しでも産業界の役に立てればと願っています。

研究者

金属材料研究所 材料設計研究部 金属組織制御学研究部門

古原 忠  

Tadashi Furuhara

new次世代ステント用Co-Cr合金の高機能化

概要

次世代バルーン拡張型ステントへの適用を念頭に、規格Co-Cr合金高強度化・高延性化のための加工熱処理プロセス高度化に加えて、更なる機械的特性の向上およびX線視認性の向上を指向とした新規Co-Cr合金開発を行っている。

従来技術との比較

次世代ステントには更なる小径化が要求されているため、高強度・高延性に加えて、低降伏応力や高X線視認性という多様な特性が要求されている。低温熱処理技術と軽元素・貴金属の合金化によりその課題を解決する。

特徴・独自性
  • 高強度・高延性・低降伏強度の共立
  • 高いX線視認性のための合金設計
  • 生体用Co-Cr合金の特性評価技術
実用化イメージ

次世代ステントの実用化に、生体用Co-Cr合金の加工熱処理プロセスの高度化と新合金開発の観点から貢献する。

研究者

大学院工学研究科 材料システム工学専攻 生体材料システム学講座(医用材料工学分野)

成島 尚之  

Takayuki Narushima

低分子化合物

赤血球分化の新規調節機構を標的とした斬新な貧血治療薬の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 貧血は世界で最も罹患率の高い疾患であるが、輸血やエリスロポエチンなどの既存治療法の効果はしばしば限定的である。我々は代謝酵素の抑制により、赤血球産生が促進される事を発見し、新たな貧血治療戦略を見出した。さらに、同酵素活性をモニターできる人工遺伝子を開発し、スクリーニング系を確立している。
実用化イメージ

産学連携により、この新しい制御機構を標的とする低分子化合物等の探索・評価を迅速に進め、斬新な貧血治療薬の開発へとつなげたい。また、ドラッグリポジショニングの可能性についても共同で検討していきたい。

研究者

大学院医学系研究科 医科学専攻 細胞生物学講座(生物化学分野)

五十嵐 和彦  

Kazuhiko Igarashi

化合物

バイオスティミュラントの探索

前の画像
次の画像
概要

農薬成分の使用範囲は厳しくなる一方であるにもかかわらず,作物の効率生産を求められている.本研究室ではイオン輸送体(イオンチャネル・トランスポーター)を標的とする調節剤を探索して,植物の耐環境性や成長を促すバイオスティミュラントや環境にやさしい農薬の候補化合物の同定と生産をめざしています.

従来技術との比較

従来の農薬を代替する植物の耐環境性を強化する化合物

特徴・独自性
  • 農薬の代替であるバイオスティミュラントの開発を行う.植物の活性を調節するイオン輸送体などを標的分子とする化合物を探索する.植物に,耐乾燥性,耐塩性,光合成機能の向上,成長調節機能の人為的な強化をめざす.
実用化イメージ

候補化合物を,化学,農薬,食品,資材業界の専門家の協力と連携によって,より高性能で田畑で効果のあるバイオスティミュラントや天然の農薬として発展させることができればと思っています.

研究者

大学院工学研究科 バイオ工学専攻 生体機能化学講座(応用生物物理化学分野)

魚住 信之  

Nobuyuki Uozumi

化合物最適化

酸素センサー・プロリル水酸化酵素(PHD)を標的とした虚血障害治療薬の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 全ての生物は酸素を利用してエネルギーを作り出し、生命活動を維持しています。ひとたび酸素濃度が低下すると、その活動が著しく妨げられ、場合によっては死に至ります。局所の低酸素状態が関連する病気の代表例としては、虚血性心疾患、脳卒中、腎臓病などが挙げられます。私たちは、プロリル水酸化酵素(PHD)が低酸素状態を感知するセンサーとして機能していることに着目し、これを制御することで虚血障害を治療する医薬の開発を推進しています。
実用化イメージ

現在、いくつかのPHDを阻害する化合物を得ており、国内外の製薬メーカー等と連携して、非臨床試験から臨床開発へと進め、実用化を目指しています。

研究者

大学院医学系研究科 創生応用医学研究センター 分子病態治療学分野

宮田 敏男  

Toshio Miyata

化合物半導体

化合物半導体を用いた放射線検出器の開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 材料純化、結晶成長、結晶加工、電極形成、検出器製作を一貫して行い、化合物半導体を用いた放射線検出器の開発を行っている。特に化合物半導体の一つである臭化タリウム(TlBr)に着目し研究を行っている。TlBr検出器は非常に高い検出効率を持ち、PET やSPECT 等の核医学診断装置やガンマ線CT、産業用X線CT、コンプトンカメラ等への応用が可能である。
実用化イメージ

化合物半導体成長技術はシンチレーション結晶育成、X線フラットパネルセンサー用直接変換膜製作へ応用が可能である。これらの結晶成長・検出器製作技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。

研究者

大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 粒子ビーム工学講座(放射線高度利用分野)

人見 啓太朗  

Keitaro Hitomi