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電子顕微鏡

newウィークビーム走査透過電子顕微鏡による原子力材料中の微細組織の定量解析

概要

格子欠陥定量解析法として極めて高い計測精度を誇るウィークビーム走査透過電子顕微鏡(WB-STEM)法の中で放射化試料・核燃試料の微細組織(転位および照射欠陥集合体など)を定量解析する技術を開発しました。
カートリッジ式の加熱炉の温度計測と電流制御を完全自動化した専用の加熱試料ホルダーとの組み合わせで、高い信頼性の温度履歴と一緒に転位組織の変化を動的にその場計測できます。

従来技術との比較

従来TEM法では逆空間や転位論などの専門知識を必要としましたが、我々のWB-STEM法では膜厚計測や転位ループ特徴抽出など自動解析ソフトウェアを実装しており、簡便かつ高精度な照射欠陥分析ができます。

特徴・独自性
  • WB-STEM法は、その設計当初から原子力材料を取り扱う放射線管理区域内での、実装とオンサイト修理を想定して特殊孔径絞りや回折ディスク選択装置、制御・解析ソフトウェアを開発しています。
  • 欧州炉RPV監視試験片、米国研究炉中性子照射材など世界中の放射化試料の照射欠陥分析を受け入れています。
  • 廃炉事業に鉄含有核燃料模擬デブリの性状分析にも活用されています。
実用化イメージ

現在、透過電子顕微鏡を用いて組織観察を実施している研究組織が新たに特殊改造によってWB-STEM法を導入することをサポートをします。透過電子顕微鏡の使用実績の無い研究者に転位分析の手順を指導します。

研究者

金属材料研究所 附属量子エネルギー材料科学国際研究センター 研究部

吉田 健太  

Kenta Yoshida

newナノスケールの構造と組成不均一性を利用した鉄鋼材料の組織制御

概要

安全性を確保しつつ、自動車の燃費改善または構造物の小型化を実現するため、最も多く使われている鉄鋼材料の高強度化が求められる。これまで合金組成や熱処理プロセス条件を変えることで材料全体の平均的な組織制御が行われてきたが、ナノスケールの組織制御が未成熟である。本研究では、これまでの実験調査で困難であったナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査し、高強度鋼組織制御の指針構築に取り組んだ。

従来技術との比較

従来では鉄鋼材料の組織制御は経験的な条件に基づくことが多いが、本研究では熱力学・速度論・結晶学などの知識に基づき鉄鋼材料におけるナノスケールの組成・構造不均一性の挙動を解明した。

特徴・独自性
  • 様々な先端技術を組み合わせた多面的解析手法で実験調査を行い、ナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査した。
  • 実験結果をもとに、熱力学・速度論・結晶学などの観点で解析を行うことにより、その不均一性におよぼす諸因子の影響を解明した。
  • 実験解析に留まらず、熱力学データを活用してその挙動の再現、さらに予測ができるような理論計算も同時に実施した。
実用化イメージ

鉄鋼材料の高強度化に基づき、自動車をはじめとした輸送機器の軽量化または構造物の小型化が可能となり、素材製造や輸送分野のCO2削減の観点でカーボンニュートラルの実現への貢献が期待される。

研究者

金属材料研究所 材料設計研究部 金属組織制御学研究部門

張 咏杰  

Yongjie Zhang

電子材料

非水浸超音波可視化手法

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特徴・独自性
  • 水と被検査物との間に固体薄膜を挿入し、薄膜と被検査物との界面に負圧力を付与した状態で高周波数超音波を伝達する独自のドライ超音波法を開発しています。当該原理に基づき試作したドライ超音波顕微鏡により、これまで実現されていなかった水非接触下における電子デバイス内部の高分解能可視化に成功しています(図1)。さらに音響整合層として機能する高分子薄膜を挿入することで、従来水没時よりも高画質な内部画像を得ることも可能にしました(図2)。また、超音波が薄膜を通過する際に生じる音響共鳴現象を利用して、高分子フィルムの音響物性値を測定(図3)するなど、薄物材料の高精度な非破壊評価が可能です。この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望します。
実用化イメージ

研究者

大学院工学研究科 ファインメカニクス専攻 ナノメカニクス講座(材料システム評価学分野)

燈明 泰成  

TOHMYOH Hironori

電子相関

分子性有機物質の新電子物性開拓

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特徴・独自性
  • 有機分子の集積によって構成されている分子性伝導体を中心に研究を進めています。分子で構成されている有機物質の特徴は“やわらかい”ことです。この特長から、近年、有機ELデバイスなどの軽量で“曲がる”エレクトロニクス材料として注目されています。当研究室では、このような分子性有機物質の基礎的物性( 金属- 超伝導- 絶縁体) の解明、新物性の開拓を目指しています。
  • 分子性有機物質は、無機物質と比べて“やわらかく”大きく広がった分子軌道や電荷の分布、また分子自身の持つ構造自由度などのために、電荷- スピン- 分子格子- 分子内結合の間にゆるやかで大きな自由度を有しています。このナノ分子サイズの“やわらかい”複合的自由度と強く関係している超伝導から絶縁体までの多彩な電子状態がバルクな物性として現れます。このような分子性物質の特長をフルに活かして、電子物性物理の重要で興味ある問題にチャレンジしています。 このような研究に興味のある企業への学術指導を行なう用意があります。
実用化イメージ

研究者

金属材料研究所 材料物性研究部 低温電子物性学研究部門

佐々木 孝彦  

Takahiko Sasaki

電子投票

日本における民主主義のデジタル化

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概要

東日本大震災、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響によって民主主義のあり方を見直す時期に来ています。つくば市におけるスーパーシティの実証実験などの動きとも連動しながら、デジタル技術を民主主義を支える仕組みにどう適用するか、デジタル・インクルージョンの視点から研究を進めます。

従来技術との比較

デジタル活用を、利便性や効率性の追求ではなく、投票権保障など権利保護の観点から考えていきます。

特徴・独自性
  • ・権利保障の観点からのデジタル活用
  • ・危機に強い民主主義社会の創出
  • ・選挙における省力化
実用化イメージ

2023年度、東北大学未来社会デザインプログラムを通じて、日韓の企業と連携し共同研究を実施した。社会実装は新技術を開発する以前に、現在の制度が足枷になっている部分が少なくないという認識が必要である。

研究者

大学院情報科学研究科 人間社会情報科学専攻 社会政治情報学講座(政治情報学分野)

河村 和徳  

KAWAMURA Kazunori

電磁場解析

マイクロ波を用いた高速配管探傷法

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特徴・独自性
  • マイクロ波を用いて配管内面の広域一括探傷を行う技術の開発を行なっている。配管内部に数GHz 〜数十GHz のマイクロ波を入射し、その反射および透過の様子から、傷の位置及び大まかな性状を評価する。本技術においてはプローブを配管内部で移動させることは不要であり、またマイクロ波は配管内部を極めて低損失で伝播することから、従来技術に比してはるかに高速な検査が実現されるものと期待される。
実用化イメージ

全数検査が必要である、もしくは対象が長大・複雑等の理由により、従来技術を用いた検査が困難である配管に対して、本技術の有効性は特に高いと考えられる。

研究者

大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 エネルギー物理工学講座(核融合・電磁工学分野)

橋爪 秀利  

Hidetoshi Hashizume

電磁波吸収

高機能カーボンナノチューブーアルミナ複合材料の開発

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特徴・独自性
  • 分散が困難とされていた、カーボンナノチューブ(CNT) を配合したセラミック複合材料の開発に関して、CNT の剛性ならびに表面性状を制御することにより均一分散させたCNT/アルミナ複合材料の作製に成功した。さらに、無加圧焼結によりアルミナ単味の強度特性を大きく超える複合体を作製できている。これを背景に、試作したCNT/ アルミナ複合材料の機械・電気的特性の向上と実用化に向けた基礎研究を行っている。
実用化イメージ

トライボ応用、強度と耐摩耗性が要求される人口股関節等の生体材料、電気ひずみ効果を利用したマイクロアクチュエータ、数GHz 〜数10GHz 程度の周波数帯における電波吸収材料への応用展開が期待される。

研究者

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 強靭化と高容量化を両立させた環境配慮型蓄電体の開発に関する研究

橋田 俊之  

Toshiyuki Hashida

電磁波吸収体

磁石は地球を救う!-高性能永久磁石材料の開発(エネルギー・資源問題の解決に向けて)-

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特徴・独自性
  • 永久磁石材料の高性能化と新材料開発を行っている。これまでの成果に未分離混合希土類-Fe-B系焼結磁石、HDDR現象による高保磁力希土類磁石粉末、再結晶集合組織による高性能Fe-Cr-Co系磁石の開発などがある。最近ではNd-Fe-B系磁石におけるDyの削減技術の開発や、永久磁石の自然共鳴がGHz 帯にあることに着目した新しい電磁波吸収体ならびにナノ粒子技術による高周波磁性材料の開発も行っている。
実用化イメージ

業界としては磁性材料に興味または生産している素材・材料関連、自動車関連、電気・電子関連、化学関連企業など。

研究者

大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻 情報デバイス材料学講座(スピン情報材料学分野)

杉本 諭  

Satoshi Sugimoto

電子ビーム積層造形

電子ビーム積層造形技術による素形材製造技術

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特徴・独自性
  • 大量生産を中心とする金属製品の「もの作り」は海外へ流出し、日本が生き残ってゆくためには高付加価値の多品種少量生産やカスタムメイド生産に移行する必要があります。電子ビーム積層造形法は三次元CADデータに基づく電子ビーム走査により、金属粉末を選択的に溶融・凝固させた層を繰り返し積層させて三次元構造体を製作する新たなネットシェイプ加工技術です。金型レスのAdditivemanufacturing 技術として有望です。
実用化イメージ

人工関節などの医療用機器のカスタム製造技術として。難加工性合金(チタン合金、マグネシウム合金など)からなる航空機・自動車部品などの製造に最適です。鋳造技術では不可能な素形材製造技術として期待されます。

研究者

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 新規金属積層造形技術開発とそれを核とした新材料・材料加工プロセスの創生

千葉 晶彦  

Akihiko Chiba

電磁非破壊検査

マイクロ波を用いた高速配管探傷法

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特徴・独自性
  • マイクロ波を用いて配管内面の広域一括探傷を行う技術の開発を行なっている。配管内部に数GHz 〜数十GHz のマイクロ波を入射し、その反射および透過の様子から、傷の位置及び大まかな性状を評価する。本技術においてはプローブを配管内部で移動させることは不要であり、またマイクロ波は配管内部を極めて低損失で伝播することから、従来技術に比してはるかに高速な検査が実現されるものと期待される。
実用化イメージ

全数検査が必要である、もしくは対象が長大・複雑等の理由により、従来技術を用いた検査が困難である配管に対して、本技術の有効性は特に高いと考えられる。

研究者

大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 エネルギー物理工学講座(核融合・電磁工学分野)

橋爪 秀利  

Hidetoshi Hashizume

電子物性

固体ナノ構造中の電子物性解明とデバイス応用

特徴・独自性
  • 微細加工によりナノメートルスケールの微細構造を作製し、その電気的性質の解明とデバイス応用の研究を進めています。
実用化イメージ

精密・高速電気測定(低ノイズ、単一電子検出等)、極低温・高磁場測定、微細加工、データ科学手法などが得意です。これらがお役に立てることがございましたら、ぜひお知らせ下さい。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所 デバイス・システムグループ

大塚 朋廣  

Tomohiro Otsuka

電子密度

放射光可視化構造科学

特徴・独自性
  • 高輝度放射光やコヒーレント光源の特性を活かした高精度のX線散乱技術と、従来の電子密度の可視化だけでなく、原子や分子の相互作用を顕す静電ポテンシャルを精密に可視化できるデータ解析法を開発し、物質機能をデザインするプロトコルの創成を目指します。
実用化イメージ

電池材料、機能性材料、機能性ポリマーなどの研究開発において、構造可視化を必要とする産業界と共同研究が行えます。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター 基幹研究部門 機能情報計測スマートラボ

高田 昌樹  

Masaki Takata

電池

リチウムイオン内包フラーレンを用いた二次電池の開発

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特徴・独自性
  • リチウムイオン内包フラーレン(Li+@C60)を用いた二次電池を開発しています。その中でもLi+@C60をカチオンとしたイオン液体を電気二重層キャパシタ(EDLC)の電解質として用いた[Li+@C60]・EDLC は、広い温度域で高い運動性を示す球形のC60殻内に安定に閉じ込めたLi+を用いるため、イオン液体中でも高密度で高速蓄電が可能で、高い安全性が確認されています。
実用化イメージ

宇宙などの極限環境下で使用可能な二次電池としての応用が期待されます。さらに、Li+@C60を用いた全固体型二次電池への展開も可能で、飛躍的な蓄電密度の向上が達成できます。

研究者

大学院理学研究科 附属巨大分子解析研究センター

權 垠相  

Eunsang Kwon

メタン菌カソード電極を利用した微生物燃料電池

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特徴・独自性
  • 本微生物燃料電池は、カソード電極に、これまでの方法で用いられている白金などのレアメタルではなく、微生物のメタン菌を使用することで、酸素から水を得るのではなく、二酸化炭素をエネルギーガスのメタンガスに変換しながら、電流を得る新しい電池である。 すでに、高温メタン菌カソード電極では500 mW/m2を達成した。
実用化イメージ

CO2をCH4に変換し、電流も得られるため、大量にCO2排出する場所や、高濃度有機物が蓄積した場所で持続的に電気エネルギーを獲得したい企業
現状の出力では、センサー等技術に利用できると考えている。

研究者

大学院農学研究科 生物生産科学専攻 動物生命科学講座(動物環境管理学分野)

多田 千佳  

Chika Tada

生物模倣材料・デバイスの開発

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特徴・独自性
  • 生物の優れた機能を学び、材料・デバイスの創成に取り入れることで、生物を超える機能を示す機能を創出する『生物模倣工学』を目指しています。例えば、ムール貝に学んだ表面処理・接着剤の開発、ウツボカズラに学んだ抗生物付着基板の開発、ヘモグロビンに学んだ高活性燃料電池(水素・酵素・微生物等)の非白金触媒設計、生物の針に学んだ針型バイオセンサーなど多岐にわたります。
実用化イメージ

電気化学、高分子化学を基盤に金属空気電池・燃料電池・表面処理・接着・バイオセンサー等を含むエネルギー・バイオ・電気電子領域に関する技術・知見を提供します。

研究者

高等研究機構学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部学際基盤研究分野 デバイス・テクノロジー研究領域

阿部 博弥  

Hiroya Abe

エネルギーデバイス用金属錯体触媒の開発

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特徴・独自性
  • アザフタロシアニン金属錯体を炭素上に分子担持することで燃料電池や金属空気電池の正極反応である酸素還元反応(ORR)に対する高活性なAZapthalocyanine Unimolecular Layer(AZUL)触媒を開発しました。本触媒はレアメタルフリーでありながら白金などのレアメタルと同等以上の性能を示します。本触媒を電池やその他のエネルギーデバイス用に展開しています。
実用化イメージ

本成果を基に東北大学発ベンチャー「AZUL Energy(株)」を設立。次世代エネルギー産業だけでなく、モビリティ産業も含め幅広く産学連携を行っています。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所 デバイス・システムグループ

藪 浩  

Hiroshi Yabu

レアメタルフリー高性能蓄電池の先端ナノテクノロジー

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特徴・独自性
  • 高容量・高出力・高安全性・低コストの次世代蓄電エネルギーデバイスであるポストリチウムイオン電池を実現するために、単原子層物質グラフェン、金属硫化物ナノシート、ナノ結晶活物質、ナノ粒子、ナノ多孔材料などの新しい機能材料の開拓とデバイス応用を研究する。全固体型リチウム二次電池、マグネシウム電池、燃料電池、大容量キャパシタ、ウェアラブル電池などの高性能電極材料・デバイス創製の精密化学プロセスを研究する。
実用化イメージ

ポストリチウムイオン電池および革新的エネルギー材料開発を研究シーズとして素材産業、電池メーカー、電気自動車企業、スマートグリッドや再生可能エネルギー等の電力ビジネス企業との共同研究を積極的に推進する。

研究者

多元物質科学研究所 附属金属資源プロセス研究センター エネルギーデバイス化学研究分野

本間 格  

Itaru Homma

環境にやさしい太陽電池のキーマテリアル:SnS

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特徴・独自性
  • 硫化スズ(SnS)は、安価で安全な元素からなる太陽電池材料です。SnS太陽光パネルの原材料費は、例えばCIGS太陽電池の1/14です。SnSは通常p型伝導性を示すため、これまではp型SnSとn型CdS等のヘテロ接合によって太陽電池が研究されてきましたが、変換効率は5%に留まっていました。独自に開発したプロセスによりn型SnS薄膜を世界で初めて実現し、SnS太陽電池の高効率化への道を拓きました。
実用化イメージ

環境にやさしい薄膜太陽電池への応用や、赤外波長領域で用いるフォトダイオードへの応用が期待できます。実用化に向けた観点の研究に興味ある企業様との協働を期待しています。

研究者

多元物質科学研究所 附属金属資源プロセス研究センター 原子空間制御プロセス研究分野

鈴木 一誓  

Issei Suzuki

固体イオニクス材料のエネルギー変換・貯蔵・利用技術への応用

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 固体イオニクスを中心として高度なエネルギー変換を実現するための機能性材料の開発を行っている。燃料電池や蓄電池の高性能化のためには、高いイオン伝導度と化学的安定性を有するイオン導電体や混合導電体が必要とされ、これら材料を酸化物の欠陥化学や熱力学に基づき探索し、デバイスに応用している。これまでに酸素分離膜型水素製造システムや全固体リチウム電池を開発している。
実用化イメージ

酸化物イオン・電子混合導電体は小型水素製造システムや燃料電池の電極材料、酸素吸蔵放出材料、純酸素の工業的利用と関連が深く、リチウム伝導体は発火の危険性のない全固体電池への応用が期待される。

研究者

大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻 情報デバイス材料学講座(エネルギー情報材料学分野)

髙村 仁  

Hitoshi Takamura

発火や破裂の危険が少ない安全な電池の実現に貢献する

概要

小さな力で容易に伸縮する高分子電解質
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T19-753.pdf

従来技術との比較

従来の有機電解質は発火の危険があった。一方高分子化することで固体電解質化した高分子電解質はイオン伝導性が低かった。

特徴・独自性
  • 室温で10-4 S/cmクラスのLiイオン伝導度を持つ高分子電解質の合成に成功。
  • ミクロンサイズの多孔膜と光架橋性ポリエチレングリコール(PEG)の複合化により室温での高い性能発現とLiイオンの拡散を制御。
  • 広い電位窓(4.7 V)と高いLiイオン輸率(0.39)を実現。
  • 多孔膜を電解質中に形成することでデンドライト形成の抑止効果にも期待。
実用化イメージ

Liイオン電池用の安全な電解質として利用可能。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所 デバイス・システムグループ

藪 浩  

Hiroshi Yabu