マグノンデバイスの開発と放射光を利用したスピン波観測技術の構築
更新:2024/06/07
- 概要
現在の電子デバイスは電子の移動を利用しているためジュール熱が発生し小型化・高速化が困難になるという課題があります。これを解決するためスピン波を利用するデバイスの研究開発を行っています。スピン波には、長距離伝搬が可能、絶縁体中でも伝搬が可能という利点があります。スピン波の観測のため、X線磁気円二色性によるスピン波の空間的分布を観測する技術を構築しています。
- 従来技術との比較
ジュール損失がない超低消費電力の次世代デバイスの実現を目指しています。高輝度の光源を有するナノテラスを用いることで、100 nm以下の高い分解能での観測が可能になることが期待できます。
- 特徴・独自性
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- スピン波(マグノン)伝搬を利用した、ジュール損失がゼロであるデバイスの研究
- NanoTerasuの輝度が高い軟X線を使うことで高分解能のスピン波観測の可能性
- スピン波の波の性質を用いた高周波デバイスや新しい計算手法への展望
- 実用化イメージ
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広く応用が期待されるスピンデバイスにおけるスピン波観測技術を提供することで実用化を支援するとともに、磁性絶縁体を利用したマグノンデバイスによる電子デバイスの超低消費電力化の実現を目指しています。
- キーワード
研究者
国際放射光イノベーション・スマート研究センター
横幹研究部門
国際連携スマートラボ
河野 竜平 助教
M.S.(パリサクレー大学)/Ph.D.(グルノーブル大学)
Ryuhei Kohno, Assistant Professor