五酸化二窒素の選択合成と応用
更新:2024/08/20
- 概要
数十W程度の電力で、空気を原料に五酸化二窒素 (N2O5) を選択的にその場合成・供給できるプラズマ装置を開発し、応用展開を推進しています。
本装置を用いて、これまでに下記の効果を既に実証しており、今後は医療・農業・環境・材料分野等でさらに幅広く応用探索を進めたいと考えています。
○殺菌・殺ウイルス効果
○植物免疫活性効果
○窒素施肥効果- 従来技術との比較
N2O5は、熱や水分に弱く、保存が効かず集約生産に不向きである他,従来合成法には、高い危険性や環境汚染等の問題がありました。
安全な空気からその場合成できる本技術は現地生成・利用を可能にします。- 特徴・独自性
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- 原料は空気のみ
- 省電力・省メンテナンス
- 100ppmを超える五酸化二窒素を供給可能
- 実用化イメージ
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空気とわずかな電力しか用いない本技術は、持続可能な環境負荷の小さい分散アプリケーションとの親和性が高いです。上述の特徴を上手に活用した未来の技術として発展させていきたいと考えています。
- キーワード
研究者
大学院工学研究科
電子工学専攻
物性工学講座(プラズマ理工学分野)
佐々木 渉太 助教
博士(工学)(東北大学)/修士(工学)(東北大学)
Shota Sasaki, Assistant Professor
大気圧プラズマの生成・計測と医療・農業・環境応用を研究しています。
また,気相/液相の化学分析や化学反応計算,ソフトウェアの開発を得意としています.
・空気を原料とした気相化学種(N2O5, NO3)のその場制御合成技術
・気相化学種(オゾンや温室効果ガス等)の同時定量分析技術
・大気圧プラズマのバイオ応用(殺菌・殺ウイルス・遺伝子導入など)