ナノ材料における原子レベル分光開発
更新:2020/06/16
- 特徴・独自性
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- 走査型プローブ顕微鏡はトンネル顕微鏡に代表されるように、原子分解能が得られる数少ない顕微鏡である。低エネルギーのトンネル電子を用いることから生物試料などにもダメージを与えることが少なく、ナノテクノロジーの重要な評価技法と位置づけられている。研究は像の観察から単一原子・分子の化学分析へシフトしてきている。そのひとつの手法としてトンネル電子分光が挙げられるが、精度の高い測定には顕微鏡としての高い安定性が要求される。この研究部門では、先端的な原子レベルでのトンネル分光を主眼としたプローブ顕微鏡の開発を主眼とする。そこでは分子振動測定や、孤立分子のLarmor歳差運動を捉える単一スピン検出方法などをターゲットとし、それに最適な装置を開発する。
- 主な研究内容
- 1. ソフトマテリアル、生物分子などの分子レベルでの構造測定
- 2. STM 顕微鏡をもちいた分子振動測定による化学種同定
- 3. トンネル電子を利用した単一スピンの検出・制御
- 4. 新しいプローブ分光法に寄与する高精度プローブ顕微鏡の開発この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。
- キーワード
研究者
多元物質科学研究所
計測研究部門
走査プローブ計測技術研究分野
米田 忠弘 教授
理学修士(京都大学)/理学博士(京都大学)
Tadahiro Komeda, Professor