社会インフラを守る次世代免震構造とスマート診断技術の開発


更新:2025/06/30
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概要

地震時のデータとデータ同化の手法を用いて免制震装置を用いた構造物の性能を評価する手法を開発しており,供用中の維持管理および地震以降の性能照査の効率化を目指す。

従来技術との比較

センサーを最小限とした上で構造物に設置された免制震装置の供用中の性能を地震時のデータに基づいて評価する技術

特徴・独自性

従来の地震被害では、ピン支承のアンカーボルトが抜け落ちるケースが代表的でした。実際の被害事例に着想を得て、従来にない全く新しい免震支承システムを提案します。理想化した数学モデルの解析および実験検討を通じて、免震支承の設置方法および構造が抜本的な耐震性能向上を実現する可能性について、地震時の動的特性と応答低減効果を基礎的に検証します。さらに、構造物の物理モデルと観測データを統合し、可観測性理論に基づいた最小限のセンサー配置によるモニタリング手法を開発し、構造全体および主要構成要素の性能をリアルタイムかつ高精度に評価するスマート診断システムと診断アルゴリズムの実現を目指します。

実用化イメージ

提案したシステムは、支承底面付近を支点としてロッキング振動を誘発する設計が特徴で、橋梁への免震支承としての適用を検討しています。たとえば、地震後の損傷支承の交換や新たな橋梁建設時に利用されることを想定しています。加えて、発災直後には被災地域の橋梁の被害状況および通行可能性を即時に判断し、長期的な維持管理における異常検知にも対応できるモニタリングシステムの構築を目指します。

キーワード

研究者

大学院工学研究科

何 昕昊 助教 
修士(工学)(京都大学)/博士(工学)(京都大学)

Xinhao He, Assistant Professor

構造ダイナミクスとデータ同化の観点から、構造物の動的性能評価、極端な事象に耐える構造システムの創出、データに基づく性能評価手法などに取り組んでいます。