軸索病態に着目した筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解明


更新:2024/12/02
前の画像
次の画像
概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロン選択的に神経細胞死が起こる難病である。1mにおよぶ長い軸索は運動ニューロンの特徴であり、神経細胞死に先行する軸索形態・機能異常の修復はALS病態への早期治療介入という観点で重要である。

従来技術との比較

私たちは軸索形態異常の分子病態をALS患者由来のiPS細胞およびゲノム編集により変異箇所のみを修復したコントロール細胞等を比較し、高収量のRNA回収が可能なマイクロ流体デバイスを用いてRNAseq解析を行うことにより解析を進めてきた。さらにALSの原因遺伝子変異を導入したノックインマウスを作出し、運動ニューロン軸索遠位の神経筋接合部病態についても明らかにしてきている。

特徴・独自性
  • ・軸索形態異常の分子病態をALS患者由来のiPS細胞およびゲノム編集により変異箇所のみを修復したコントロール細胞を作出
  • ・高収量のRNA回収が可能なマイクロ流体デバイスを用いてRNAseq解析を行うことにより解析
  • ・ALSの原因遺伝子変異を導入したノックインマウスを作出し、運動ニューロン軸索遠位の神経筋接合部病態についても明らかにしてきている。
実用化イメージ

ALSの治療開発に貢献する

キーワード

研究者

大学院医学系研究科
医科学専攻
神経・感覚器病態学講座(神経内科学分野)

青木 正志 教授 
博士(医学)(東北大学)

Masashi Aoki, Professor

臨床神経学(とくに神経変性疾患および骨格筋疾患)と臨床遺伝学を専門とし、難治性神経筋疾患の創薬・橋渡し研究に取り組んでいます。