コミュニティー・シェッドの効果検証と社会実装


更新:2026/04/17
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概要

壮年期・高齢期の人々の孤独・孤立予防を目的に、「コミュニティー・シェッド(以下、シェッド)」を日本に導入し、効果を科学的に検証するプロジェクトを進めています。本取組は、本学の共創推進プロジェクト「SOKAP-Connect Projects」課題推進型に採択されています(FY2025-2027)。シェッドは、高齢男性のための居場所「メンズ・シェッド」としてオーストラリアで始まり、現在は多くの国に広まっています(全世界で3,000か所以上、10万人超が活動)。「Shoulder to Shoulder」がスローガンで、他のメンバーと肩を並べ自由に活動を行う中で、生きがい・やりがい・友人が見つかる居場所です。

従来技術との比較

日本では、退職後の高齢男性の孤立が深刻化しており、新しい役割や生きがいを見出す場が不足しています。我々のプロジェクトは社会的アイデンティティ理論に基づき、社会的つながり・所属の再構築を重視しています。従来技術では難しかった「所属」や「つながり」の可視化・定量化を進めることで(Ito et al., 2025)、この新しい居場所の効果検証も行っています。

特徴・独自性

熊本県水上村の「寄部屋(よろうや)」や札幌市西区の「ポッケコタン」などの事例から、孤独感の軽減、身体的健康感・認知機能の改善、社会的つながりの拡大等の効果が確認されつつあります。肩を並べての共同作業(Shoulder to Shoulder)は自然な形で関係構築を促し、参加者に新たな生きがい・やりがい・社会的つながり・所属をもたらします。英国では、医師が地域とのつながりを処方する「社会的処方」において、シェッドが重要な役割を担っています。

実用化イメージ

退職を契機とした所属の減少は、健康・死亡リスクを高める要因となっています。コミュニティー・シェッドは、退職後の男性を中心に新たな繋がりや役割を生み出し、孤独・孤立を予防することで健康増進につなげる仕組みです。企業との連携では、健康経営・地域共生・ウェルビーイング推進といった分野での共同実証やサービス開発が期待されます。例えば、企業OBのセカンドキャリア支援、健康寿命延伸プログラム、地域CSR活動との統合等に応用が可能であり、社会課題解決と企業価値向上を両立するモデルとして展開できます。

キーワード

研究者

大学院教育学研究科

伊藤 文人 講師 
修士(障害科学)(東北大学)/博士(障害科学)(東北大学)

Ayahito Ito, Lecturer