遠位型ミオパチーに対する治療法の開発


更新:2024/12/02
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概要

遠位型ミオパチーの一種であるGNEミオパチーは、体幹から離れた部位から筋肉が萎縮、変性し次第に体の自由が奪われていく希少疾病で、指定難病の一つである。本疾患患者ではGNEという酵素の遺伝子に変異がありアセノイラミン酸などシアル酸合成ができない。国立精神・神経医療研究センター疾病研究第一部においてモデルマウスを作製し、アセノイラミン酸の経口投与の予防効果が得られた。

従来技術との比較

2010~2011年に、世界で初めて医師主導治験として第Ⅰ相試験を実施し、安全性を確立した。医師主導第II/III相試験、延長試験、有効性確認試験を経て、2024年3月にノーベルファーマ社が商品名アセノベル®として製造販売承認を取得した。今後は本シーズで培ったレジストリやプロトコル作成のノウハウを活かして他のシアル酸補充やウイルスベクター、酸化的ストレスを標的とした治療開発が進むことが期待される。

特徴・独自性
  • ・2010~2011年に、世界で初めて医師主導治験として第Ⅰ相試験を実施し、安全性を確立した。医師主導第II/III相試験、延長試験、有効性確認試験を経た
  • ・2024年3月にノーベルファーマ社が商品名アセノベル®として製造販売承認を取得した。
  • ・ウルトラオーファンドラッグとして期待される。
実用化イメージ

今後は本シーズで培ったレジストリやプロトコル作成のノウハウを活かして他のシアル酸補充やウイルスベクター、酸化的ストレスを標的とした治療開発が進むことが期待される。

キーワード

研究者

大学院医学系研究科
医科学専攻
神経・感覚器病態学講座(神経内科学分野)

青木 正志 教授 
博士(医学)(東北大学)

Masashi Aoki, Professor

臨床神経学(とくに神経変性疾患および骨格筋疾患)と臨床遺伝学を専門とし、難治性神経筋疾患の創薬・橋渡し研究に取り組んでいます。