母乳抗体IgA 量を増強させる有用微生物
更新:2025/06/25
- 特徴・独自性
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母乳中の抗体(主としてIgA)は、産子の健康に欠かせない重要な免疫物質です。母乳抗体IgA は、乳腺内に遊走する形質細胞(リンパ球の一つであるB 細胞より分化した細胞)から分泌され、母子移行されるタンパク質の一つです。我々は、この母乳抗体IgA の産生に関わる形質細胞の大半は、乳腺から遠く離れた腸管に由来していることを突き止めています。また、母乳抗体IgA が産生される際に、腸管内に生息する特定の腸内微生物(例:B.acidifaciens、P. buccalis)の存在が重要であることを明らかにしています。
- 実用化イメージ
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本研究を通して、ヒトや動物といった哺乳動物の母乳を介した免疫機能(母乳抗体IgA 産生)を強化するための着眼点が見出されています。特に、哺育期の母体を対象としたプロバイオティクス開発などへの応用が期待されています。
- キーワード
研究者
大学院農学研究科
野地 智法 教授
博士(農学)(東北大学)/修士(農学)(東北大学)
Tomonori Nochi, Professor