- 概要
自閉症スペクトラムマーカー: 精子のヒストン修飾を測定することにより、次世代の神経発達症リスクを予測することが可能となりうる。 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T14-105.pdf
- 従来技術との比較
子どもの発達障害発症に関して、もっとも高いリスクは両親の加齢と早産であることが知られており、両親のうち父親の加齢の方が母親よりもリスクが高いことも繰り返し疫学的に報告されている。従来、精子の検査は、顕微鏡下で、精子数、形態、運動性をチェックするのみであり、分子レベルでの検査は行われていない。本発明はエピジェネティックな分子マーカーに着目する画期的な方法である。
- 特徴・独自性
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- 急激な少子化の一方、発達障害は増加の一途を辿っています。
- 父加齢の継世代的影響として、可塑性のあるエピジェネティック分子に着目しています。
- 精子検査は非侵襲的に行うことができます。
- 精子ドナー等のクォリティチェックとして適しています。
- 実用化イメージ
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本発明の精子のヒストン修飾や、関連するエピジェネティック因子(DNA メチル化、マイクロRNA)を組み合わせて、精子のパネル検査を行うことにより、精度の高い精子のクォリティ検査を行うことが可能となります。
研究者
大学院医学系研究科
大隅 典子
Noriko Osumi
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- 概要
窒化物コーティングの形成方法 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T18-275.html
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 従来開発されている窒化物コーティング方法として、CVD 法( 化学的蒸着) やPVD 法( 物理的蒸着)などが知られています。しかし、真空装備による圧力調整や雰囲気置換を行う必要があるため、製造工程が複雑になり、作業が効率的でないという問題がありました。そこで、大気中において基材表面に窒化物をコーティングする技術の開発が行われていますが、コーティングにムラが生じるという課題があります。
- 本発明によって、簡単な工程かつ容易な操作で、窒化物をより均一にコーティングすることができる窒化物コーティングの形成方法を提供することが可能になりました。本発明は、コーティング過程と窒化過程とを入れ換え、 既に存在している窒化物に、マイクロ波を利用してコーティングするものです。コーティングがマイクロ波の照射で済む上、従来法で必要であった圧力調整や雰囲気置換が不要なため、大気中で実施可能となります。これによって、簡単な工程かつ容易な操作で、基材の表面に窒化物コーティングを均一に形成することができます。
- 実用化イメージ
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主に、以下のような応用が考えられます。 ・生体用、歯科用インプラント部材の製造
研究者
大学院工学研究科
福島 潤
Jun Fukushima
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- 概要
ドローン等を利用して得られる高さ情報を用いて、植生等の地表面の利用状況を容易に把握することができる地表面合成画像作成方法を提供する。
- 従来技術との比較
・合成画像は、RGBの3チャンネル画像として得られるため汎用性が高い。 ・フリーの画像処理ソフトウェアの利用が可能
- 特徴・独自性
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- このシーズは、下記の特徴を持ちます。
- ・RGB 画像と高さ情報を合成します。
- ・簡便な手順で実行可能です。
- ・一般的な深層学習のプログラムの使用が可能です。
- 実用化イメージ
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下記のような社会実装が想定されます。 ・植生(屋敷林や公園の樹木や植栽)の把握、維持管理 ・災害調査(倒木など) ・建物や太陽光パネル等の人工物調査
研究者
大学院農学研究科
米澤 千夏
Chinatsu Yonezawa
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- 特徴・独自性
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- 中性子散乱は他の散乱手法(X散乱や電子線散乱)に比較して、1) Li、 H 等の軽元素による散乱が大きい、2) 磁気散乱を通して物質中の電子スピンを検出可能、3) 弾性散乱(回折)に加えて室温程度の低エネルギー励起の測定が可能という特徴があります。我々は中性子散乱法を用いて、多体電子系における巨視的量子現象、なかでも量子フラストレートスピン系における巨視的非磁性基底状態や磁気揺らぎが媒介する非従来型の超伝導現象の探索とその解明を目的に研究を進めています。
- 実用化イメージ
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上で述べたように、中性子散乱は磁気構造およびスピンダイナミクス、さらに結晶中の軽元素位置やその運動を調べるのに適した手段です。従って、このような情報が必要な材料研究には極めて有用であると考えられます。
研究者
多元物質科学研究所
佐藤 卓
Taku J Sato
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 体表から送信した超音波の位相を巧妙に用い、収縮弛緩や血圧変化に伴って心筋や動脈壁で1心拍内に生じる数ミクロンの僅かな厚み変化を高精度に計測し、心筋機能や動脈壁硬さを層別に評価できる手法を世界に先駆け開発しました。さらに、心臓収縮初期に興奮の電気伝導に伴い心筋に微小な応答が生じ心臓壁を伝搬する現象を初めて見出しました。また虚血後の数秒間の僅かな時間に、その興奮の伝導速度が約50%低下することも見出しました。
- 実用化イメージ
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病変内部組成を体表から同定できる生体マイクロスコープを実現し、心筋梗塞等の急性冠症候群の安全で画期的な診断手法が期待でき、医療費の適正化にも貢献できます。
研究者
大学院工学研究科
金井 浩
Hiroshi Kanai
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 3次元音空間における人間の様々な聴覚特性の解明と、その知見に基づいた3次元音空間の高精度収音・再生技術の開発、および、そのシステム実現に取り組んでいます。3次元音空間収音・再生技術は次世代マルチメディアコミュニケーション基盤技術の一つとして重要であり、各種音響実験を行うための無響室や、全周囲から耳までの音響伝達特性を測るための多目的防音シールド室など、この研究を高い次元で行うために必要な実験設備を有しています。
- 実用化イメージ
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高臨場感情報通信・放送分野や各種アミューズメント等、音、特に3次元音空間に関する様々な内容での連携が可能です。また、ユニバーサルコミュニケーションを指向した聴覚・多感覚コミュニケーションシステムの開発といった観点での連携も想定できます。
研究者
電気通信研究所
坂本 修一
Shuichi Sakamoto
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 大きさ50cm 立方、質量50kg 級の超小型人工衛星を大学の研究室で設計・開発しています。2009年1月に打上げられた東北大1号機衛星『雷神』を皮切りに、この15年間で15機以上の超小型人工衛星(CubeSatを含む)を開発し、軌道上運用を行っております。50kg 級衛星としては、世界最高性能のポインティング制御による高解像度の地上写真画像撮影、および多波長画像撮影技術を確立するなどの成果をあげています。研究室で開発した技術の社会実装として、株式会社ElevationSpace およびシスルナテクノロジーズ株式会社の2社の大学発スタートアップへと展開しています。
- 実用化イメージ
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宇宙開発は国の専門機関が行うものという常識を破り、短期間・低価格で衛星を開発し、リモートセンシング、地球観測、宇宙探査等において新しい応用分野を開拓することに挑戦しています。また、衛星搭載機器の実装技術にも実績をあげており、産学連携の可能性を模索しています。
研究者
大学院工学研究科
吉田 和哉
Kazuya Yoshida
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 当研究室では、超臨界水を反応場とする流通型反応プロセスの開発を行っています。高温高圧反応場では、水の物性が大きく変化し、水と油とガスが均一相を形成します。この状態では、水分子そのものが酸や塩基触媒として機能し、高速に反応が生じます。このような新規な反応場の利用には、プロセス開発をすすめながら反応場の相平衡、流動、反応速度論の理解に基づく、プロセスの設計基盤の確立が必要です。
- 実用化イメージ
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超臨界水中でのナノ粒子連続合成プロセス、超臨界水・亜臨界水中でのバイオマスの前処理・可溶化プロセス、超臨界水中での重質油の改質プロセスの開発を行っています。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
阿尻 雅文
Tadafumi Ajiri
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 超臨界水を反応場とする有機修飾ナノ粒子の合成技術を発明しました。超臨界反応場では有機分子と金属塩水溶液が均一状態で反応し、水分子が酸/塩基触媒として働き、有機修飾金属塩ナノ粒子を合成できます。このハイブリッドナノ粒子は有機分子を表面に有するため、溶剤に高濃度分散させてナノフルイッド、ナノインクとしたり、高分子とハイブリッド化させて有機・無機材料の機能を併せ持つ材料を創成することができます。
- 実用化イメージ
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窒化ホウ素の有機修飾ナノ粒子はポリマーに分散させて、高熱伝導材料として使用できます。また酸化チタン、酸化ジルコニウムの有機修飾ナノ粒子は、ポリマーなどに高濃度分散させることにより高屈折率レンズ製造に応用できます。また、高活性ナノ触媒としての利用も期待されます。現在、本技術に基づいて、超臨界ナノ材料技術開発コンソーシアム(参加企業およそ80社)が設立されており、産業への応用や国家プロジェクトの提案などを積極的に推進しています。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
阿尻 雅文
Tadafumi Ajiri
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- 概要
高圧のCO2の浸透力と溶解力ならびに高膨張性を利用した、本質的なドライクリーニング、洗浄・再生技術
- 従来技術との比較
本質的なドライ・乾式の洗浄で、ナノ空間への浸透性も高い。また無酸素状態での洗浄か可能。
- 特徴・独自性
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- 超臨界状態のCO2を溶媒とした洗浄プロセス、液体状態の有機溶媒を利用しない本質的なドライクリーニング、洗浄技術です。液体溶媒を用いず、処理後は減圧にて溶媒残留がないことから乾燥工程が不要で省エネルギーであり、かつ毛管応力による構造体の収縮も抑制できます。加えて、微細構造物に対する洗浄、除去再生が可能で、現在高性能フィルターの再生技術は、実用化されています。
- 実用化イメージ
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精密機器。フィルターを利用する空調機器や精密機械メーカーや管工事関係事業が対象となるでしょう。クリーニングや洗浄の逆プロセスである染色やインプラグネーション(含浸)も可能となります。対象溶質を選定すれば、機能性材料の創成につながる技術になります。また、文化財の保存も、乾燥や保存剤含浸という点と、収縮抑制という観点から、本技術の適用・利活用が可能となります。
研究者
未来科学技術共同研究センター
猪股 宏
Hiroshi Inomata
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 超臨界流体に関する基礎的な物性として、高温高圧下での密度、粘度の測定と推算、高温での水素結合特性についての研究を行っています。また、それらを利用した応用技術として、天然物の分離・精製、クリーニング洗浄、不純物除去による高純度化、機能性付与などの利用技術についての研究を実施しています。
- 実用化イメージ
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洗浄技術:精密機械部品、光学部品など。天然物分離:食品、サプリメント、香料。ポリマー可塑化:機能性樹脂、電子部品材料など。
研究者
未来科学技術共同研究センター
猪股 宏
Hiroshi Inomata
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- 概要
細胞凝集塊内薬物導入剤 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T18-083.html
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 細胞凝集塊(スフェロイド)は、培養細胞よりも生体に近い機能を示すことが知られています。スフェロイドの評価方法としては、浸潤アッセイや共焦点レーザー顕微鏡観を用いたスフェロイド内部観察等が挙げられますが、スフェロイドのサイズが大きくなるとスフェロイド内部に試薬が導入され難くなり、これら手法による評価が困難となります。更に、スフェロイド内部に酸素や栄養分が十分に供給されず細胞死を起こす細胞が増加するため、長期間の評価を行うことは難しいです。
- 本発明は、スルホベタイン(SB)コポリマーをキャリアとして用いたスフェロイド内薬物導入剤に関し、SBコポリマーを目的の薬剤に修飾させることにより、スフェロイド内部に薬剤を送達できます。効果として、SB コポリマーを修飾させたドキソルビシン(Dox)をがん細胞凝集塊に投与したところ、選択的かつ迅速にがん細胞のミトコンドリアへ移行して薬効を示すことを確認しました。
- 実用化イメージ
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下記のような社会実装が想定されます。 ・薬物ナノキャリア ・3D 組織再生技術(バイオ3D プリンター等)
研究者
大学院工学研究科
山本 雅哉
Masaya Yamamoto
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