行の研究テーマ(109

新規ハイブリッドライス育種基盤

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特徴・独自性
  • 両親の良いところを併せ持った多収品種をつくる究極の育種法にハイブリッド品種(一代雑種品種)を作る技術がある。ハイブリッドライスを育種する基盤として、細胞質雄性不稔性と稔性回復システムが使われる。我々は東北大学オリジナルのCW型細胞質雄性不稔性イネの利用を検討し、その分子基盤を研究している。CW細胞質はこれまで不可能であったインディカ品種の雄性不稔化を実現できるので、高い利用価値が期待できる。
実用化イメージ

ハイブリッド品種のイネは、通常の品種と比較して30%ほどの収量増が期待され、その栽培面積は世界全体の13%を占めている。コメ産業の国際化を狙った日本独自の新規ハイブリッドライス育種基盤を提供できる。

研究者

大学院農学研究科 生物生産科学専攻 植物生命科学講座(環境適応植物工学分野)

鳥山 欽哉  

Kinya Toriyama

新規分子CAMPを標的とした分裂期細胞死誘導によるがん治療の開発

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特徴・独自性
  • 我々は細胞分裂に関係する新規分子CAMP を発見し、この機能を抑制するとがん細胞の分裂が妨げられるだけでなく速やかに細胞死が起こることを見出した。これにより、細胞分裂期に作用する従来の抗がん剤で見られる耐性を抑えることができた。またCAMPの機能抑制による細胞死の促進は正常細胞では見られなかったことから、がん細胞特異的な薬剤耐性の少ない治療法の開発につながることが期待される。
実用化イメージ

CAMPの機能を抑制する化合物の開発は、薬剤耐性の少ない抗がん剤の創薬に結びつく可能性がある。

研究者

加齢医学研究所 腫瘍制御研究部門 分子腫瘍学研究分野

田中 耕三  

Kozo Tanaka

新奇有機半導体材料の合成と応用

特徴・独自性
  • 本研究では、外観構造が全く同じであるにも関わらず、電子の数が1つだけ違う特異な二つの分子を合成し、これらを混合することで、高い伝導性と物性制御性を兼ね備えた有機半導体材料を創製します。構造が同じ分子をドーパントとして用いるため、従来のドーピングの概念を超える高い割合での材料複合が可能と考えられます。幅広い物性を有する有機半導体の即時提供を可能とし、デバイス分野全体の飛躍的な進化を目指します。
実用化イメージ

研究者

高等研究機構学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部学際基盤研究分野 物質材料・エネルギー研究領域

上野 裕  

Hiroshi Ueno

人工知能を用いたタンパク質の機能設計:酵素・診断・医薬の設計アシスト

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特徴・独自性
  • 2018年にノーベル化学賞となった進化分子工学の発展により、設計せずとも、目的機能をもつタンパク質を創りだすことが可能になってきた。しかし、アミノ酸配列が取りえる組み合わせ数(配列空間)の中から目的タンパク質を見つけだす確率は満足のいくものでない。我々は、機械学習を進化分子工学に利用することで、進化分子工学がもつ最も深刻な「配列空間問題」を解決し、確実に目的の機能へたどり着く技術を開発した。
実用化イメージ

酵素や抗体などのタンパク質の機能・特性を改善したいタンパク質をもっている製薬・診断・食品企業などの企業。特に、複数の特性を同時に向上させいタンパク質を持っている企業。

研究者

大学院工学研究科 バイオ工学専攻 生体機能化学講座(タンパク質工学分野)

梅津 光央  

Mitsuo Umetsu

新生骨を誘導する次世代バイオマテリアルの開発

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概要

生体材料学を基盤として、骨の欠損を修復する整形外科、歯科、他の骨再生を必要とする領域の骨補填材を開発し、社会実壮を目指す研究を行っている。

従来技術との比較

骨アパタイト結晶の前駆体であるリン酸八カルシウム(OCP)の骨伝導性発見の成果に基づき、既存人工骨を上回る性能を持つ人工材料の調製に基づく骨補填材に関わる一連の技術を有し,新規骨補材を開発している。

特徴・独自性
  • 骨芽細胞分化を促すリン酸八カルシウム(OCP)の完全合成に成功し、骨芽細胞に加え骨細胞分化も促進させることを明らかにした(Suzuki O et al. Dent Mater J 39:187, 2020)。またOCP とgelatin、collagen など生体由来高分子あるいはPLGAといった合成高分子との複合体による臨床応用可能な次世代型バイオマテリアル開発への取り組みを進めている。さらにOCP自体の新生骨との置換性を高める研究を行っている(Suzuki O et al. Acta Biomater 158:1, 2023)。
実用化イメージ

整形外科領域の骨欠損修復をターゲットとし、顎顔面・口腔外科領域にも応用可能な生体材料開発を学内共同研究により進めている。新規バイオマテリアルの開発をめざす企業に対して学術指導を行う用意がある。

研究者

大学院歯学研究科 歯科学専攻 リハビリテーション歯学講座(顎口腔機能創建学分野)

鈴木 治  

Osamu Suzuki

心臓・血管系動態の高精度超音波計測

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特徴・独自性
  • 心臓・動脈に照射し反射した超音波の解析で、従来のエコー装置で検出できない、対象物の振動や変形をミクロンオーダで数百Hz帯域(肉眼では捉えられない速い成分)まで高精度計測する方法を開発(図1)。心臓壁の動きの高精度計測でポンプ機能を司る壁伸縮特性評価、収縮のもととなる心筋興奮伝播の可視化、心臓弁開閉時に発生する微小振動伝播可視化(図2)、脈圧に伴う動脈壁厚み変化計測による壁硬さ評価(図3)が可能。
実用化イメージ

超音波計測は非侵襲であり、医療のみならず、健康維持の様々な計測にも展開可能です。超音波計測部分はアナログですが、主な処理はディジタル信号です。

研究者

大学院工学研究科 電子工学専攻 電子制御工学講座

金井 浩  

Hiroshi Kanai

腎臓線維化の原因細胞を用いた線維化治療薬の開発

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特徴・独自性
  • 慢性腎臓病は病態が複雑ですが、共通して腎臓が線維化することから、線維化が治療標的として注目されています。腎線維化は線維芽細胞が筋線維芽細胞に形質転換することによって進行しますが、私たちは、この形質転換は可逆的であり、線維化は治療可能であることを見出しました。また、腎臓の筋線維芽細胞に由来する細胞株「Replic細胞」を樹立し、Replic細胞が線維芽細胞の性質を回復する条件を同定しました。
実用化イメージ

線維化した腎臓の筋線維芽細胞に由来するReplic細胞株を元の線維芽細胞に戻す化合物や遺伝子を探索することにより、腎臓線維化および慢性腎臓病の革新的医療の開発につながる。

研究者

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 酸素代謝制御プロジェクト

鈴木 教郎  

Norio Suzuki

心臓と血管の血圧反射機能を独立に定量診断することができる非侵襲診断装置

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特徴・独自性
  • これまでに血管系の自律神経反射機能を診断する方法論は存在しなかった。我々は、心臓と血管の血圧反射機能を独立に定量診断する方法論を新しく発明した。メタボ対策などのヘルスケア産業に進展が期待される。
実用化イメージ

予防医学の機器開発、医薬品、サプリメントの効果判定、健康維持機器開発。

研究者

加齢医学研究所 非臨床試験推進センター 心臓病電子医学分野

山家 智之  

Tomoyuki Yambe

振動制御

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特徴・独自性
  • 振動から取り出したエネルギーを使う「自家発電」による振動制御なので、「セルフパワード振動制御」と呼ばれます。回収エネルギーは余りますから、広範囲な用途に使えます。例えば、無電源通信・振動発電・振動エネルギーハーベスティング・ヘルスモニタリングの実施なども可能です。宇宙工学からスピンオフした技術です。高性能な振動発電としても使えます。
実用化イメージ

振動低減・ヘルスモニタリング・無電源無線通信
・ 工場の定常的な振動(回転機械・壁)
・ 電源コードが届かない回転体
・ 人から離れた橋梁・高架下・インフラ全般
・ 低周波騒音対策(防音壁など)

研究者

大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 宇宙システム講座(宇宙構造物工学分野)

槙原 幹十朗  

Kanjuro Makihara

急激に進行する重症な心不全に対応できる医療機器

概要

挿入型人工心筋システム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T08-115.pdf

従来技術との比較

重症心不全治療のためには人工心臓等の治療があるが血栓のリスクがある。人工心筋システムは、心臓を外からアシストするので血栓のリスクがない新しい治療機器である

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

加齢医学研究所 非臨床試験推進センター 心臓病電子医学分野

山家 智之  

Tomoyuki Yambe

スーパーエンプラの成形に必要な高耐摩耗性と高耐食性を両立!粉末冶金を利用しない、低コストで量産が可能

概要

Fe基金型合金
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T18-074.pdf

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

金属材料研究所 材料プロセス・評価研究部 加工プロセス工学研究部門

山中 謙太  

Kenta Yamanaka

スーパーコンピュータシステム設計とその応用に関する研究

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特徴・独自性
  • 次世代超高性能スーパーコンピュータシステムを実現するハードウェアおよびシステムソフトウェアの要素技術の確立と、スーパーコンピュータシステムの卓越した情報処理能力を最大限に引き出せる高性能シミュレーション技術について研究を進めている。具体的には、3次元デバイスや不揮発メモリなど先進デバイス技術を活用した低消費電力、高メモリバンド幅スーパーコンピュータシステム設計とその利用技術の開発に取り組んでいる。
実用化イメージ

スーパーコンピュータ設計とその応用に関する産学連携研究を進めているが、ものづくりを支えるスーパーコンピュータ向けシミュレーションコードの高度化、高速化を必要とする企業との産学共同研究も可能である。

研究者

大学院情報科学研究科 情報基礎科学専攻 ソフトウェア科学講座(アーキテクチャ学分野)

小林 広明  

Hiroaki Kobayashi

スーパービタミンEトコトリエノールの高効率回収技術

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特徴・独自性
  • 本技術は、分子蒸留を一切行わないため熱安定性の低いトコトリエノールを分解なしに100% 回収できる、ビタミンE 類(トコトリエノールとトコフェロール)を選択的に樹脂に保持できるため不純物混入量が少なく高純度で回収できる、ビタミンE 類の回収と同時に遊離脂肪酸とトリグリセリドを何れも転化率100% で脂肪酸エステルに変換できる、樹脂充填層に溶液を供給するだけの簡便な操作で連続操作が可能である、という特長を持つ。
実用化イメージ

抗癌作用が注目されているトコトリエノールを医薬品や食品添加物として利用したい企業、原料ビタミンE濃度が低くても選択的に完全回収できるため、スカム油からのビタミンE回収率向上を目指す企業、との連携可能。

研究者

大学院工学研究科 化学工学専攻 プロセス要素工学講座(反応プロセス工学分野)

北川 尚美  

Naomi Kitakawa

水産生物における遺伝的多様性モニタリングシステムの構築

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特徴・独自性
  • 遺伝的多様性の維持は、水圏生物の持続的利用や保全を図る上で重要なポイントです。本研究は、DNA分析と集団遺伝学的な解析を主なツールとして、1)自然集団の遺伝的構造や系統地理を明らかにして保全方策を提言し、2)栽培漁業の対象となっている魚介類について、放流種苗の遺伝的特徴や海域での種苗の生残率または再生産への寄与度を明らかにすることによって、より良い放流方法の確立に貢献することを目指しています。
実用化イメージ

海洋や河川・湖沼の生態系の現況調査においては、種数や個体数だけではなく遺伝的多様性についてもモニタリングしておくことの重要性が認識されつつあります。主に分析手法や解析方法についての学術指導や共同研究を行う準備があります。

研究者

大学院農学研究科 附属複合生態フィールド教育研究センター 複合水域生産システム部(沿岸生物生産システム学分野)

池田 実  

Minoru Ikeda

水素エネルギーシステムの統合型安全管理技術の開発

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特徴・独自性
  • 水素高速高圧充填に対する安全性対策が求められています。高圧水素タンクの初期欠陥に起因するき裂伝ぱにより破損した際の反応性水素ガス漏洩の拡散・燃焼現象を調べるために、異分野融合的研究アプローチによって材料構造と反応性乱流多相流を同時に解析する連成解析手法を開発しました。さらに、高圧タンク隔壁の亀裂伝播による破損で漏洩する水素の拡散流動特性と燃焼限界に関連する新しい数値予測手法を開発しました。
実用化イメージ

高圧タンク隔壁のき裂伝播により漏洩する水素拡散流動特性と燃焼限界にの数値予測が可能となりました.各種輸送機用水素貯蔵容器の設計や水素ステーション構成の安全性指針策定・リスクマネージメントに貢献します。

研究者

流体科学研究所 附属統合流動科学国際研究教育センター 混相流動エネルギー研究分野

石本 淳  

Jun Ishimoto

垂直磁気記録と情報ストレージシステム

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特徴・独自性
  • 大容量情報ストレージ技術に関する研究を行っている。コア技術である高密度磁気ストレージの実現のため、本研究所で発明された垂直磁気記録を用いる記録方式、デバイス及びマイクロマグネティック解析により、記録密度と性能の向上を目指している。ストレージとコンピューティングを近接させPB 級の大容量データの解析を行う新しい情報ストレージ・コンピューティングシステムに関する研究を行なっている。
実用化イメージ

大容量磁気ストレージ及びスピントロニクスメモリ(HDD、STT-MRAM 等)の研究や、コンピューティングを融合したエッジ型大規模コンピューテーショナル・ストレージシステムの研究

研究者

電気通信研究所 情報通信基盤研究部門 情報ストレージシステム研究室

田中 陽一郎  

Yoichiro Tanaka

数理生物学

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特徴・独自性
  • 現実の生命現象や社会現象の特性を科学的に議論するための研究の展開の礎となるような数理的・理論的研究のための数理モデリング、数理モデル解析を行っている。現象のいかなる理論的課題を取り上げるか、問題をいかに数理モデルとして構成するか、構成された数理モデルに関していかなる数理的解析を行なうか、数理的解析結果をいかに生命科学的・社会科学的議論として取り上げるか、ということが重要な観点となる。
実用化イメージ

現実の生命現象や社会現象に対する理論的なアプローチを要する施策策定やアセスメント、環境評価に係る基礎理論の適用、または、データの視覚化に伴って必要となるスケルトンモデルの構築など。

研究者

大学院情報科学研究科 情報基礎科学専攻 情報基礎数理学講座(情報基礎数理学IV分野)

瀬野 裕美  

Hiromi Seno

スタチン処理により、iPS細胞から作製した培養骨の移植による骨再生技術の可能性が拡大!

概要

iPS細胞の腫瘍化を抑制することが可能な骨分化誘導方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T18-512.pdf

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

大学院歯学研究科 歯科学専攻 リハビリテーション歯学講座(分子・再生歯科補綴学分野)

江草 宏  

Hiroshi Egusa

スピン流の方向と大きさを光で自在に制御可能!

概要

磁気メタマテリアル、スピン流制御装置及びスピン流制御方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T20-3091.pdf

従来技術との比較

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

大学院理学研究科 物理学専攻 量子物性物理学講座(光物性物理分野)

松原 正和  

Masakazu Matsubara