- 特徴・独自性
-
- エレクトロニクス分野で培われてきた技術を応用して、健康で安全な社会を発展させ、私たちの生活の質を高めるようなデバイスの開発研究を進めています。例えば、半導体のセンサインターフェイスとしての特性を、薬物検出やスクリーニングアッセイなどの生化学・医療用途に利用する研究や、生きた細胞を使って神経回路を作り上げ、脳の機能解析を支援する新規技術の開発を進めています。
- 実用化イメージ
-
シリコンチップ上に形成した人工細胞膜にイオンチャネルタンパク質を埋め込むと、極限まで規定された環境下でその機能や薬理応答を調べることができます。この技術は、新薬候補化合物の高感度な迅速検出法につながります。
研究者
電気通信研究所
平野 愛弓
Ayumi Hirano
|
- 概要
農薬成分の使用範囲は厳しくなる一方であるにもかかわらず,作物の効率生産を求められている.本研究室ではイオン輸送体(イオンチャネル・トランスポーター)を標的とする調節剤を探索して,植物の耐環境性や成長を促すバイオスティミュラントや環境にやさしい農薬の候補化合物の同定と生産をめざしています.
- 従来技術との比較
従来の農薬を代替する植物の耐環境性を強化する化合物
- 特徴・独自性
-
- 農薬の代替であるバイオスティミュラントの開発を行う.植物の活性を調節するイオン輸送体などを標的分子とする化合物を探索する.植物に,耐乾燥性,耐塩性,光合成機能の向上,成長調節機能の人為的な強化をめざす.
- 実用化イメージ
-
候補化合物を,化学,農薬,食品,資材業界の専門家の協力と連携によって,より高性能で田畑で効果のあるバイオスティミュラントや天然の農薬として発展させることができればと思っています.
研究者
大学院工学研究科
魚住 信之
Nobuyuki Uozumi
|
- 特徴・独自性
-
- セルラーゼ遺伝子を用いたバイオ燃料生産に適したイネの開発研究を行っている。収穫前にセルラーゼを高発現させ細胞壁の部分分解を行えば、収穫後の稲わらの糖化性が向上するのではないかと考えた。まず、セルラーゼを恒常的に高発現するイネを作成したところ、稲わらの糖化性が向上したが、形態異常や不稔が観察された。そこで、老化時期特異的にセルラーゼを高発現させたところ、形態や稔性は正常で稲わらの糖化性が向上した。
- 実用化イメージ
-
未利用稲わらをバイオマスとして有効利用できる。この技術は他の植物に応用可能である。また、改良されている前処理や糖化・発酵微生物と組み合せることによりさらにバイオ燃料生産の効率化が図れる。
研究者
大学院農学研究科
伊藤 幸博
Yukihiro Ito
|
- 概要
バイオマス由来の潜熱蓄熱材 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T19-339.html
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 潜熱蓄熱材(PCM:Phase Change Material)を内包したマイクロカプセルは潜熱蓄熱材として建物内外壁や衣料品等に利用されている。一方、PCMとして使用される石油資源由来のパラフィンや高価な脂肪酸エステルに替わる安価で環境調和型のPCMが求められている。本発明は、パーム油等に含まれる脂肪酸や油脂をイオン交換樹脂触媒の存在下でアルコールと反応させることにより、PCMとして有用な脂肪酸エステル混合物を製造する方法を提供する。
- 実用化イメージ
-
・原料の種類や混合比によって熱化学特性を制御できる ・再生可能資源由来の材料の安価な製造が期待される。
研究者
大学院工学研究科
廣森 浩祐
Kousuke Hiromori
|
- 特徴・独自性
-
- 当研究室では、㈰生物から得られたヒント(材料デザイン)を基に、㈪ナノ材料や機能性高分子などの合成物を、㈫自己組織化や自己集合という低エネルギープロセスで形作ることで、生物に学び(Biomimetic)、生物と融合し(Biohybrid)、最終的には人工材料と生物デザインにより生物を超える(Metabio)材料の作製を目指しています。
- 実用化イメージ
-
細胞培養・分離・イムノアッセイ等のバイオ分野、構造材料・接着材料等の高分子分野、ナノ粒子等のナノ材料分野、燃料電池・金属空気電池等のエネルギー分野の企業との産学連携
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
藪 浩
Hiroshi Yabu
|
- 概要
ソルガムは本州でも約4〜5m程度まで成長する世界生産量第4位のイネ科植物である。また、ソルガムは乾性と湿性のものがあり、湿性からは糖蜜が搾れる。そこで福島国際研究教育機構(F-REI)プロジェクトの一環として、福島浜通りの営農休止地においてソルガムを栽培し、搾り汁と搾り粕をそれぞれカスケード活用することでカーボンニュートラルなグリーンケミカル(トランスアコニット酸、ブタノール)を製造する。
- 従来技術との比較
再生航空燃料(SAF: Sustainable Aviation Fuels)の製造では、微生物によってCO2とH2からエタノールを生合成し、化学反応によってエチレンを合成した後、重合・水素付加してSAFを製造している。本技術では、ソルガム搾り粕などリグノセルロースを原料として、微生物変換プロセス(Consolidated Bioprocessing)によってバイオブタノールの増産化が可能になる。
- 特徴・独自性
-
- 植物は光合成によってCO2を吸収・固定し、さまざまな形の炭化水素を蓄積する。このリグノセルロースを完全利用することができれば、カーボンニュートラルを実現することができる。リグノセルロースの分解・糖化は当研究グループがゲノム解読した嫌気性セルロソーム生産菌Clostridium cellulovoransを活用し、この菌にブタノール発酵Clostridium属細菌を組み合わせることで1つのタンク内でリグノセルロースからブタノールを取得することができる。
- 実用化イメージ
-
本微生物変換プロセス(CBP)が事業化できれば、得られたグリーンなブタノールからSAF製造が可能になり、国内生産ができれば自動車・航空業界、物流産業やインバウンドを含む観光産業にも貢献できる。
研究者
グリーン未来創造機構
田丸 浩
Yutaka Tamaru
|
- 特徴・独自性
-
- 培養ディッシュ上で活発に収縮活動する培養筋細胞系を作製しました。既存の培養系で得られる培養筋細胞は、収縮能力が全く未熟であるため、代謝能力も貧弱で、マイオカイン分泌もありませんでした。「運動できる培養筋細胞」を利用することによって、これまで動物実験に依存していた骨格筋の研究を培養細胞系へと移行させることが可能になります。
- 実用化イメージ
-
筋肉細胞とその運動効果を治療標的とした新たな薬剤の探索が飛躍的に加速されるものと期待されます(2型糖尿病治療・筋萎縮予防・運動効果の増強・筋の健康維持を促す薬剤のスクリーニングなど)。
研究者
大学院医工学研究科
神崎 展
Makoto Kanzaki
|
- 特徴・独自性
-
- 我々は破骨細胞の活性を指標としたライブラリースクリーニングの研究により、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の阻害薬が破骨細胞分化を抑制することを明らかにし、その中でも特にα7-nAChRの拮抗作用をもつmethyllycaconitine(MLA)等の選択的拮抗薬が、破骨細胞分化を効果的に抑制することを見出した。本発明は、この知見に基づき完成されたものであり、破骨細胞分化抑制剤、破骨細胞による骨吸収抑制剤、骨再生促進剤、及び骨吸収性疾患の予防又は治療剤、並びに破骨細胞分化促進剤、及び破骨細胞の機能低下に起因する疾患の予防又は治療剤等を提供する。
- 実用化イメージ
-
本発明は、破骨細胞分化を制御する受容体(α 7-nAChR)をターゲットとした強い特異的効果をもつ新薬に繋がる可能性が期待される。今後、α7-nAChRの選択的拮抗薬が、骨粗鬆症、関節リウマチにおける骨吸収を阻害する薬剤の開発に多大な貢献をすることが期待される。また、歯科では、歯周病における炎症性骨吸収の治療薬や、抜歯後の歯槽骨吸収を抑制する治療に貢献する可能性が考えられる。
研究者
大学院歯学研究科
江草 宏
Hiroshi Egusa
|
- 概要
小さな力で容易に伸縮する高分子電解質 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T19-753.pdf
- 従来技術との比較
従来の有機電解質は発火の危険があった。一方高分子化することで固体電解質化した高分子電解質はイオン伝導性が低かった。
- 特徴・独自性
-
- 室温で10-4 S/cmクラスのLiイオン伝導度を持つ高分子電解質の合成に成功。
- ミクロンサイズの多孔膜と光架橋性ポリエチレングリコール(PEG)の複合化により室温での高い性能発現とLiイオンの拡散を制御。
- 広い電位窓(4.7 V)と高いLiイオン輸率(0.39)を実現。
- 多孔膜を電解質中に形成することでデンドライト形成の抑止効果にも期待。
- 実用化イメージ
-
Liイオン電池用の安全な電解質として利用可能。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
藪 浩
Hiroshi Yabu
|
- 特徴・独自性
-
- 犯罪者は誰を狙い、どこで犯行に及ぶのでしょうか。また、犯罪の被害に遭わないようにするためには、我々はどのようなことを心掛け、どのような場所を避けると良いのでしょうか。あるいは、環境を整えることで犯罪を防ぐことは可能なのでしょうか。こうした点を心理学的な手法を用いて研究し、犯罪からの安全や安心を目指すための方策を考えています。
- 実用化イメージ
-
犯罪からの安全や安心だけではなく、社会全般の安全・安心を提供するような様々な業界との産学連携を想定しています。
研究者
大学院文学研究科
荒井 崇史
Takashi Arai
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- III-V族化合物半導体では電子スピンに内部有効磁場が働く。この効果は、外部磁場の替わりに利用できることから、電気的スピン生成や電気的スピン制御が可能になると期待されている。我々は、III-V族化合物半導体ヘテロ接合における内部有効磁場を設計し、電気的スピン生成および電気的スピン制御、さらにスピン緩和を完全に抑制することのできる永久スピン旋回状態に関する研究を行っている。また時間分解スピン測定手法を用いることで電子スピン緩和やスピン軌道相互作用の評価に向けた基盤研究にも取り組んでいる。
- 実用化イメージ
-
電気的なスピン生成・制御により、省電力デバイスの実現が期待されます。将来的に、半導体産業でスピン自由度を活用するため、スピン緩和を抑制する技術が必要です。このような技術を活用した共同研究を希望します。
研究者
大学院工学研究科
好田 誠
Makoto Koda
|
- 特徴・独自性
-
- GaAs やInSbの量子構造の伝導特性を制御し、核スピンの偏極状態を操作することで、二次元構造やナノ構造に適用できる超高感度NMR技術を確立した。さらに、InSb 量子構造においてアルミナ絶縁膜を用い、理想的なゲート操作を実現した。また、核スピンが感じる雑音特性を周波数依存性も含め測定する一般化された横緩和時間の考え方を提案、実証した。この概念は核スピンを用いるすべての計測に大きな変化をもたらすことが期待される。
- 実用化イメージ
-
良好なゲート制御を用いた次世代InSbデバイス。一般化された横緩和時間を利用した様々な核スピン計測、核磁気共鳴。高感度NMR は物性研究への応用が中心であるが、量子情報処理への貢献も見込まれる。
研究者
高等研究機構先端スピントロニクス研究開発センター
平山 祥郎
Yoshiro Hirayama
|