- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 精密機械加工技術、MEMS(微小電気機械システム)技術などを用いて小さくとも様々な多機能を実現する新たな医療機器、ヘルスケア機器を開発しています。体内で検査治療を行う内視鏡やカテーテルを高機能化するほか、今までにない新たな医療機器を開発し、より精密で安全な検査・治療、新たな検査・治療の実現を目指します。また、体表に装着する薄く軽い高機能なデバイスにより、場所や時間の制約のない新たなヘルスケアを目指します。
- 実用化イメージ
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基礎研究の他、実用化を目指し臨床医師および医療機器メーカーをはじめとした企業と協力して開発を進めています。また、大学から企業への橋渡しの目的で大学発ベンチャー企業を起業し協同した開発を進めています。
研究者
大学院医工学研究科
芳賀 洋一
Yoichi Haga
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- 特徴・独自性
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- マイクロ波を用いて配管内面の広域一括探傷を行う技術の開発を行なっている。配管内部に数GHz 〜数十GHz のマイクロ波を入射し、その反射および透過の様子から、傷の位置及び大まかな性状を評価する。本技術においてはプローブを配管内部で移動させることは不要であり、またマイクロ波は配管内部を極めて低損失で伝播することから、従来技術に比してはるかに高速な検査が実現されるものと期待される。
- 実用化イメージ
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全数検査が必要である、もしくは対象が長大・複雑等の理由により、従来技術を用いた検査が困難である配管に対して、本技術の有効性は特に高いと考えられる。
研究者
大学院工学研究科
橋爪 秀利
Hidetoshi Hashizume
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- 特徴・独自性
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- マイクロ波は化学反応の駆動力としても注目されています。材料プロセッシングにおいては、単なる省エネルギー加熱としての特徴のみならず、反応促進効果や非平衡反応の進行が認められ、新素材を生み出す手法として期待できます。当研究室では、ミリ波からセンチ波に至るマイクロ波を駆使し、雰囲気制御を必要としない簡便な窒化物コーティング法や、サーメット焼結などの粉末冶金技術、金属ナノ粒子合成法を開発しています。
- 実用化イメージ
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マイクロ波を利用した窒化物コーティング法は、オンサイトかつ短時間の成膜を可能にし、歯科インプラント材や宝飾品、切削工具等、チタン合金や各種セラミックス、硬質材料などに適用できます。
研究者
役員
滝澤 博胤
Hirotsugu Takizawa
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 発熱密度が増大しているシステムにおいて高性能な冷却を実現するために、微細な流路内の沸騰現象を制御し、熱輸送量を高める研究を行っています。沸騰現象の厳密な数値シミュレーションや一次元簡易沸騰シミュレーションを駆使し、理論的な予測に基づく冷却システムの設計を目指しています。
- 実用化イメージ
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発熱密度が増大する情報通信システム用のデバイスや電気自動車等の電力制御システムの冷却が応用先として考えられます。また、理論解析を通じた既存の冷却システムの熱解析や最適化なども対象になります。
研究者
流体科学研究所
岡島 淳之介
Junnosuke Okajima
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- 概要
現在の電子デバイスは電子の移動を利用しているためジュール熱が発生し小型化・高速化が困難になるという課題があります。これを解決するためスピン波を利用するデバイスの研究開発を行っています。スピン波には、長距離伝搬が可能、絶縁体中でも伝搬が可能という利点があります。スピン波の観測のため、X線磁気円二色性によるスピン波の空間的分布を観測する技術を構築しています。
- 従来技術との比較
ジュール損失がない超低消費電力の次世代デバイスの実現を目指しています。高輝度の光源を有するナノテラスを用いることで、100 nm以下の高い分解能での観測が可能になることが期待できます。
- 特徴・独自性
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- スピン波(マグノン)伝搬を利用した、ジュール損失がゼロであるデバイスの研究を行っています。NanoTerasu の輝度が高い軟X 線を使うことで高分解能のスピン波観測の可能性があります。スピン波の波の性質を用いた高周波デバイスや新しい計算手法を展望します。
- 実用化イメージ
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広く応用が期待されるスピンデバイスにおけるスピン波観測技術を提供することで実用化を支援するとともに、磁性絶縁体を利用したマグノンデバイスによる電子デバイスの超低消費電力化の実現を目指しています。
研究者
国際放射光イノベーション・スマート研究センター
河野 竜平
Ryuhei Kohno
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- トライボロジー(摩擦と摩耗の制御)は、機械に対する普遍的要求である「高機能、高効率、高信頼性」の鍵を握る科学技術です。当研究室では、摩擦と摩耗制御の鍵として「なじみ」に着目し、摩擦により誘起される接触面での現象の体系的理解を基礎研究の柱に、さらに摩擦により高機能界面を継続的に自己形成させる技術を摩擦・摩耗制御技術と位置づけ、そのための材料・表面テクスチャの創成技術開発、表面エネルギー・摩擦化学反応の制御技術開発を行っています。
- 実用化イメージ
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トライボロジーは、多面的な知識の融合が必要となる学際科学であり、モノづくりのための基盤技術です。様々な分野の技術者、研究者の皆様との深い連携は、摩擦と摩耗の制御に基づく高機能、高効率、高信頼性を有するモノづくりに不可欠です。産学連携の研究開発を希望する所以です。
研究者
大学院工学研究科
足立 幸志
Koshi Adachi
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- 概要
マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群*)ウイルス等のウイルス、リケッチア(細菌の一種)、ピロプラズマ原虫などの病原体を媒介し、人や家畜に甚大な被害を及ぼす最大の害虫です。強力な病原体の媒介者であるマダニは、進化の過程で病原体への抵抗性を確立したと想定されます。我々はマダニが持つ病原体への防御機構に着目し、生物活性分子に含まれる自然免疫関連分子を単離しました。この分子「HEディフェンシン」の機能を抗ウイルス・抗菌剤や医薬品へ活用することを目指しています。
- 従来技術との比較
本研究はフタトゲチマダニのヘモリンフ(体腔液)由来(HE)ディフェンシン(=抗微生物ポリペプチド)を同定し、その効果を調べました。その結果、抗ウイルス活性、抗菌活性、抗原虫活性と幅広い抗微生物スペクトルを持つことが判明しました。 このようにHEディフェンシンは、医薬、動物医薬、農薬分野における感染症の治療・予防に応用できる可能性を有することが分かりました。
- 特徴・独自性
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- ●約8万種のマダニ遺伝子ライブラリを作成し、マダニ媒介性疾病の予防・治療薬等の開発研究を推進しています。マダニは新規薬理分子の宝庫です。
- ●学内外の専門家と協力して、マダニ媒介性疾病の病原体を検出する疫学研究も行っています。
- ●マダニを用いた殺ダニ剤のアッセイ系もあります。
- 実用化イメージ
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我々が同定した抗微生物ポリペプチド=HEディフェンシンとその活用は、特許取得しました。本研究成果から抗ウイルス・抗菌マスク、抗菌スプレー、マウスウォッシュ、食卓用除菌スプレー等への利用が検討できるため、認可が簡易であることも期待されます。またHEディフェンシンから抗微生物活性が強力なペプチド部位を特定できると、その低分子ペプチドは免疫原性を持たず消化酵素に耐えうると予想されます。体内に長期間残存し、感染防御効果が持続する医薬品開発も可能と考えています。
研究者
大学院農学研究科
田仲 哲也
Tetsuya Tanaka
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- 概要
マダニはウイルス、細菌、原虫等の病原体を媒介し、世界の畜産が被る経済的被害は毎年3兆円に昇る家畜最大の害虫です。我々はマダニの生存能力に着目し、約8万種のマダニ遺伝子ライブラリーを作成しました。ライブラリーを使って、マダニの生存を左右する生物活性分子の特性と機能解析、並びにマダニ体内の病原体の動態解明について研究を行ってます。得られた研究成果は、家畜用ワクチンなどマダニを撲滅する防圧法の開発だけでなく、ヒト向け医薬品の創薬にも活用できると考えています。
- 従来技術との比較
① マダニの臓器別ESTデータベースの構築と吸血・消化と自然免疫の分子機構の解明 ⇒ マダニの特徴的な性質(吸血のみで成長・産卵する)に注目し、そのメカニズムを明らかにすることにより、マダニ側を制御する新しい感染症対策につながります。
② マダニの生物活性分子とマダニ媒介性病原体の動態解明 ⇒ マダニの吸血・消化と媒介する病原体に対する自然免疫において、重要な役割を果たす様々なタンパク質の特性・機能が解明できます。
③ マダニの生物活性分子を基盤としたワクチンの開発 ⇒ マダニが媒介する病原体の制圧が可能になります。
④ マダニ由来の創薬候補分子の選抜 ⇒ マダニが持つ抗止血・抗凝固作用、血管拡張作用及び血管新生阻害作用を利用すれば、種々の循環器障害の予防・治療薬の開発につながります。
- 特徴・独自性
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- ●マダニと媒介病原体を阻止するための技術基盤を確立し、新規のマダニ生物活性分子群を創薬に活用する目的での開発研究を推進しています。
- ●マダニ媒介性疾病の病原体を検出する疫学研究も行っています。学内外の様々な分野の専門家と協力して研究する体制を構築できます。
- 実用化イメージ
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本研究によって、鉄代謝を制御するマダニフェリチンがマダニの生存基盤に重要な役割を担うことが判明しました。このことでフェリチンに対する遺伝子制御や抗体を応用したワクチンなど新規のマダニ防圧法の開発が可能となります。マダニは新規薬理分子の宝庫です。遺伝子やタンパク質、生存戦略の研究により、マダニやマダニ媒介性疾病の防圧特効薬の開発だけでなく、ヒトの循環器障害、ガン等の治療薬開発に結び付く発見にもつながります。人類の医療に貢献出来る可能性が期待されます。
研究者
大学院農学研究科
田仲 哲也
Tetsuya Tanaka
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- 概要
マダニは人や動物に甚大な被害を与えているウイルス、リケッチア、細菌、原虫などの多種多様な病原体の伝播に関与し得る、優れた疾病媒介能を有しています。このため、マダニ媒介性感染症が世界経済に与える脅威は甚大であり、マダニ媒介性感染症対策は公衆衛生領域や獣医領域においては不可欠です。このように、マダニ媒介性感染症のためのワクチン・治療薬開発に繋がる研究に重要な情報をもたらすものとして、マダニ媒介性感染症を評価する疫学的研究が必要とされています。そこで、我々は疫学的研究に必須なフィールドでの特殊な設備などを必要としない簡易迅速的なマダニ媒介性病原体の遺伝子検出技術を開発することを目指しています。
- 従来技術との比較
本研究では、公衆衛生や畜産の現場で重要な①簡易性、②迅速性、③費用、④現場汎用性などに優れた蛍光LAMP・RPAに、ナノポアシークエンサーMinIONによってLAMP・RPA増幅産物のDNA塩基配列を直接解読することを組み合わせます。その結果、病原体の種類や変異を短時間で検出可能となり、高い新規性・優位性、現場汎用性をもたらします。
- 特徴・独自性
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- ●(1)核酸等温増幅系LAMP・RPAと小型迅速次世代ナノポアシークエンサーMinIONを組み合わせた独自の診断技術を駆使して疫学調査を実施すること、(2)研究代表者らを中心に研究協力者(獣医)を現地パートナーとする強力なネットワークを駆使できることが挙げられます。
- ●本提案の蛍光LAMP・RPAと小型迅速次世代ナノポアシークエンサーMinIONを組み合わせた新しい遺伝子検出技術が開発されることで、マダニ媒介性病原体の検出が簡便かつ迅速に行われることが可能となり、食肉産業や地域経済の持続的な発展に貢献することができます。
- 実用化イメージ
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本研究は感染拡大防止対策あるいは侵入防止対策に苦慮しているアジア・アフリカ諸国や欧州・豪州・南米においても普及が期待でき、感染個体を正確に摘発することで当該国における清浄化の推進が可能になります。また、本研究の開発技術によって、日本国内においても、感染拡大防止のために重要であるにも関わらず、マダニ媒介性病原体が微量であるがゆえに正しく摘発ができない(偽陰性判定)初期感染個体の特定が迅速にできます。さらに、本研究の成果は防疫業務を担っている家畜保健衛生所・食肉衛生検査所への開発キット導入も可能になります。
研究者
大学院農学研究科
田仲 哲也
Tetsuya Tanaka
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- マルファン症候群(MF)は、微細線維と呼ばれる細胞外マトリックス成分の機能不全を原因に致死性の解離性大動脈瘤を発症することが知られています。これまでMF の治療に関して、薬物療法と外科手術で正常の人なみに寿命を延長することは可能になりましたが、再外科治療を余儀なくされる事も多いです。そのため患者への負担軽減のためにも、先行技術では成し得なかった解離性大動脈瘤を予防する生物製剤の開発および実用化を目指しています。
- 実用化イメージ
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本技術は、MF における解離大動脈瘤の予防治療を可能にする世界発のタンパク質製剤開発を目指しています。難病治療薬を取り扱っている製薬企業およびベンチャー企業との連携により実用化が期待されます。
研究者
大学院歯学研究科
齋藤 正寛
Masahiro Saito
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