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関節リウマチ

重度の自己免疫性関節炎、血管炎、唾液腺炎を自然発症する疾患 モデルマウス、McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスは、MRL/lprマウスとC3H/lpr マウスを基に樹立されたリコンビナントコンジェニックマウスであり、自己免疫疾患研究における重要な疾患モデルです。本マウスは、関節リウマチに類似した関節炎、シェーグレン症候群に特徴的な唾液腺炎、結節性多発動脈炎にみられる血管炎に似た病変を自然発症します。MRL/lpr マウスと異なり、リンパ節腫脹や重篤な腎炎を発症せず、繁殖が容易で、長期の薬剤投与実験や病態評価が可能です。
実用化イメージ

本モデルを活用することで、以下の実用化が期待されます。
1.膠原病の病因解明
 ・ 関節リウマチ、シェーグレン症候群、結節性多発動脈炎の遺伝的
 ・免疫学的要因の解析
 ・診断・治療法の開発に向けた標的分子の同定
2.新規薬剤の副作用評価
 ・膠原病治療薬の副作用を事前に評価
 ・新規治療薬の有効性と安全性を高精度に検証
3.免疫関連薬剤の有害事象研究
 ・免疫チェックポイント阻害剤の副作用の早期発見および予防法の確立
 ・免疫関連副作用の管理法と治療法の開発
4.ドラッグリポジショニングおよびジェネリック薬開発
 ・既存薬の新たな適応症を探索し、治療選択肢を拡大
 ・低コストのジェネリック薬の開発

本モデルは、膠原病研究、新薬開発、免疫関連薬剤の副作用研究に貢献し、治療法の革新を促進します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

感染症

自然免疫を標的とした創薬と利用

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 自然免疫は、感染症、急性炎症、自己免疫疾患などと密接に関係するだけでなく、最近、自然免疫と一見無関係とも思えるガンの転移やメタボリックシンドロームなどの疾患とも関係していることが明らかになってきました。したがって、自然免疫は創薬の重要なターゲットです。これまでに、自然免疫の種間での共通性を利用して、ショウジョウバエ個体を用いた自然免疫スクリーニング系を確立し、自然免疫を活性化する化合物、あるいは抑制する化合物を同定しています。また、自然免疫シグナル機構を利用した新たな検出技術も開発しています。
実用化イメージ

創薬だけでなく、新たな検出技術の開発につながることが期待できます。

研究者

大学院薬学研究科

倉田 祥一朗  

Shoichiro Kurata

感染制御

トキソプラズマの急性感染と潜伏感染を共に抑制できる薬剤のスクリーニング系の確立

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  •  トキソプラズマ症は、ヒトや動物に重篤な病気を引き起こします。現行のトキソプラズマ薬は病態を引き起こす急性感染虫体を潜伏感染へと移行させるだけで根本的な駆虫に至りません。従って、潜伏感染虫体を防除できる方策を確立する必要性があります。
  •  我々は原虫の増殖と潜伏感染誘導をともに計測する薬剤のスクリーニング系を確立し、トキソプラズマの増殖と潜伏感染をともに抑制し、毒性の少ない理想的な薬剤の同定に成功しました。
実用化イメージ

薬剤ライブラリーの提供があれば、新規薬剤のスクリーニングが可能であります。ヒトの産婦人科医療および獣医診療、動物用飼料業界での、トキソプラズマ症の感染予防および治療を目的とした新規薬剤、飼料添加物の同定が可能となります。

研究者

大学院農学研究科

加藤 健太郎  

Kentaro Kato

金属ナノ粒子を用いた抗原虫薬の開発 アミノ酸被膜による効果の増強

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特徴・独自性
  • 金属ナノ粒子は、一般的な大きさの金属個体とは異なる物理的、化学的特性を持つ。これらの特性は金属ナノ粒子の比表面積が極めて大きいことに起因する。また、その量子サイズによって特有の物性を示す。
  • さらに、金属ナノ粒子は微生物を殺滅する活性酸素種を産生する能力があり、膜透過性も持つ。
  • 我々は、アミノ酸被膜金属ナノ粒子がトキソプラズマの増殖を抑制することを報告している。
実用化イメージ

マラリアを始め、人類の脅威となっている原虫感染症の予防、治療、診断について、金属ナノ粒子を使った新しいツールを提供できる可能性がある。ナノテクノロジー分野、動物医療を含めた医薬品分野等において活用の可能性がある。

研究者

大学院農学研究科

加藤 健太郎  

Kentaro Kato

完全補償型

機能性磁性材料の探索と電子状態の実測に基づく機能推定

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概要

省電力デバイスとして研究開発が行われているスピントロニクス材料に用いられている反強磁性合金の研究や、性能向上が期待できるハーフメタルであるホイスラー合金材料の探索研究(完全補償型フェリ磁性材料も含む)を行っています。電子状態は放射光を用いて共鳴非弾性X線散乱(RIXS)とX線磁気円二色性(XMCD)で測定し、理論計算との比較から構造と機能の推定を行います。

従来技術との比較

反強磁性合金やホイスラー合金の電子状態観測の研究は少なく、放射光を用いることで直接的に測定ができるようになりました。

特徴・独自性
  • 理論計算で予測された材料系について金属学的な知見を基にして材料探索。
  • 高周波溶解法、アーク溶解法、液体急冷法、ガスアトマイズ法等を駆使して反強磁性材料およびホイスラー合金材料の結晶試料を作製。
  • 放射光を用いた磁性材料の電子状態の直接的な測定。
  • 測定した電子状態から材料本来の構造と機能の理解。
  • 量子ビームを用いた磁性材料分析についての知見。
実用化イメージ

反強磁性合金やホイスラー合金の電子状態から、スピントロニクスデバイスに適用した時に期待される特性と課題を推測することで、省電力デバイスの特性向上に貢献できます。

研究者

金属材料研究所

梅津 理恵  

Rie Umetsu

乾燥血粉

ホヤ殻由来セルロースナノファイバーの精製とエネルギー材料への応用

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概要

ホヤはセルロースを産生する唯一の動物であり、ホヤ殻からタンパク等を除去し、解繊することにより、セルロースナノファイバー(CNF)を抽出することができます。我々はホヤ殻由来CNFが木質よりも結晶化度が高い点に注目し、その応用展開を行なっています。また、焼成すると高品質の炭素となることから、本材料を乾燥血粉と混ぜて焼成した「ナノ血炭触媒」の開発に成功し、触媒としての展開を行なっています。

従来技術との比較

ホヤ殻由来CNFは木質と比べ結晶化度が高く、長い繊維を提供することから、高強度で焼成すると高性能な炭素となります。

特徴・独自性
  • ホヤ殻由来CNFを簡便に大量精製できるプロセス開発と、その特徴(力学・工学・表面科学・電気的・熱的特性)を活かしたフィルム材料の開発、および炭化した材料の開発を一貫して行っている唯一の研究室です。
実用化イメージ

ホヤ殻由来CNF材料の提供やその炭化物、触媒などについて展開しています。材料提供や炭化プロセス、触媒の活用などについてご相談ください。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所

藪 浩  

Hiroshi Yabu

寒中期

γセクレターゼ

酵母を用いた認知症治療薬スクリーニング系の開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • γ セクレターゼを発現した酵母を用いてアルツハイマー病患者脳内で生成されるアミロイドβの生成を検出するアッセイ系を開発しました。家族性アルツハイマー病家系から見つかっている遺伝子変異を利用することで、特に毒性の高いアミロイドβ(A β42)の生成を検出することが可能です。また、レポーター遺伝子の発現、即ち酵母の生育・レポータ酵素を評価することにより、A β42を減少させる化合物、変異の同定に成功しました。
実用化イメージ

本法によりγセクレターゼの機能を調節・阻害して認知症治療を目指す、化合物、天然物、遺伝子等のスクリーニングを行うことができます。この技術を産業的に活用したい製薬・食品企業や団体との共同研究を希望します。

研究者

大学院農学研究科

二井 勇人  

Eugene Futai

顔料

毒性のある遷移金属を含まないカラフルな酸化チタン顔料

概要

ニ酸化チタン着色粒子
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T19-849.pdf

従来技術との比較

遷移金属化合物は多彩な色を示すことで知られている。これまで、遷移金属イオンのドープにより、白色の酸化チタンを着色させることは可能であるものの、遷移金属に由来する生体毒性を回避することが難しい。

特徴・独自性
  • 本発明では、遷移金属を含まず、白色、黄色、赤色、グレー、緑色、紫色、黒色、肌色等、様々な色を有する酸化チタン無機顔料を実現した。
実用化イメージ

生体毒性が課題となる化粧品分野等での酸化チタン顔料の新規応用が期待される。

研究者

多元物質科学研究所

Yin Shu  

Yin Shu

気圧センサ

ウェラブルセンサを用いた身体活動の評価

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特徴・独自性
  • 身体活動時に装着した加速度センサをはじめとするウェラブルセンサの信号処理により身体活動の評価を行う研究。これまでに気圧センサと加速度センサにより、階段や坂道昇降の評価を可能とするアルゴリズム、加速度信号から歩幅を評価するアルゴリズムを提案、実証している。
実用化イメージ

通信機能の搭載あるいはスマートフォンなどへの実装により操作フリーで情報を処理し、わかりやすくユーザーに提示することが可能である。健康やスポーツ活動のモニタリングに利用可能である。

研究者

産学連携機構

永富 良一  

Ryoichi Nagatomi

気液界面

ナノバブル:生命科学とサステナブル農業への応用展開

概要

ナノバブル技術には従来の洗浄と異なる革新的な機能が期待できる。純水に微量の無機イオンを加えることで、長期間安定したナノバブルの製造に成功した。ナノセルとも呼ぶことができる10nmレベルの微粒子であり、界面活性剤などが必要なく安定的に分散している。表面に数nm以下の凹凸構造があり、ナノ特有の機能が期待できる。安全性に優れており、医療やバイオ、農業分野など広範な技術領域で応用できる可能性がある。

従来技術との比較

従来のファインバブルはシャワー洗浄等で注目されているが、具体的機能は未だ不明。東北大学は10nmレベルのナノバブルの製造と測定に成功。単なる洗浄効果を凌駕し、生体や植物に対する広範な機能を有する。

特徴・独自性
  • 10nmレベルのナノ粒子(量子ドット)的な存在である
  • 分散剤を必要とせずに長期に安定している(凝集しない)
  • 生体や植物に対して安全でありながら特異な機能を発揮する
実用化イメージ

未知な領域で新たな機能を発揮させて欲しい。医療・バイオ分野等、素材として取り扱う企業との共同研究を希望。水としての利用が可能であり、他の薬剤との相乗効果を希望する場合、本技術が有効と思われる。

研究者

未来科学技術共同研究センター

高橋 正好  

Takahashi Masayoshi

気液二相流

マイクロ流路内の相変化伝熱による高熱流束冷却機構

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特徴・独自性
  • 発熱密度が増大しているシステムにおいて高性能な冷却を達成するために、微細な流路内の沸騰現象を制御し、熱輸送量を高める研究を行っています。沸騰現象の厳密な数値シミュレーションや一次元簡易沸騰シミュレーションを駆使し、理論的な予測に基づく冷却システムの設計を目指しています。
実用化イメージ

発熱密度が増大する情報通信システム用のデバイスや電気自動車等の電力制御システムの冷却が応用先として考えられます。また、理論解析を通じた既存の冷却システムの熱解析や最適化なども対象になります。

研究者

流体科学研究所

岡島 淳之介  

Junnosuke Okajima

機械

流動キャビテーションを利用した表面改質方法

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概要

流動キャビテーションを利用した表面改質方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T04-206_T05-248.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • キャビテーションとは、液体の速度の増大に伴い、圧力が低下し、液体の飽和蒸気圧まで圧力が減少した結果、液体が気泡になる現象で、特に微細気泡からなる郡列キャビテーションは大衝撃力を生じる。この現象を応用したキャビテーション・ショットレス・ピーニングは鋼球を用いる方法(ショット・ピーニング)と比較し加工面がスムースでかつ高い疲労強度が達成できる。水槽を用いず、低速水噴流中に高速水噴流を噴射することにより、大気中での施工も可能である。
実用化イメージ

・疲労強度を向上させる加工装置
・圧縮残留応力を付与する加工装置
・動植物育成促進装置

研究者

大学院工学研究科

祖山 均  

Hitoshi Soyama

機械学習

テラヘルツ波を用いた廃プラスチックの選別装置開発と持続可能な資源循環技術の社会実装

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概要

本研究は次世代通信や自動運転等で使われているテラヘルツ波の特性を利用して廃プラスチックの材質を識別することによって、既存のプラスチックリサイクル技術を改善するだけではなく、再生プラスチックの品質評価にも適用でき、高品質の再生プラスチックの安定的な生産が期待できる。容器包装や自動車リサイクルなどにおける多様な課題解決のための装置開発(小型・大型)が容易であり、脱炭素と循環経済社会の実現に貢献できる。

従来技術との比較

従来の廃プラスチック識別・選別技術は、比重選別や近赤外線を用いた装置が多い。特に近赤外線の選別技術は膨大なデータが蓄積されており、廃プラスチックリサイクル工場の主な選別技術である。しかし、近赤外線選別装置は黒色プラの識別が容易ではなく、添加剤の有無や劣化の度合いを判断することが難しい。本技術はテラヘルツ波の透過率と吸収率の特性を計測・評価するため、黒色プラ、添加剤有無、劣化程度の判別ができる。

特徴・独自性
  • 近年、脱炭素をはじめ、漂着ごみやマイクロプラスチックのような海洋汚染問題、プラスチック廃棄物資源の海外輸出問題、レジ袋やストローなどの使い捨て容器の増加、コロナ禍の影響による容器包装廃棄物の急増など、世界各国で廃プラ問題に注目している。特に、持続可能な開発目標 (SDGs: Sustainable Development Goals) の達成や循環経済(Circular Economy)の実現が求められている中、廃プラスチック材質の高度な識別と再資源化のニーズが高まっている。
  • 東北大学・芝浦工大・静岡大学の研究グループは「プラスチック製容器包装廃棄物の高度選別装置の事業化」に関する研究を行ってきたが、テラヘルツ波の特性を利用して既存の識別装置では識別が難しかった、黒色プラ、添加剤や難燃剤などが含まれている混合プラを識別することができた。また、紫外線や長期使用による劣化の度合いを把握できることも確認している。さらに、今後、需要が急増することが予想される、容器包装、自動車、家電系の廃プラだけではなく、バイオプラスチックを見分ける手法としても有効であることがわかった。
  • これらの識別技術は、2022年に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」によって発生する廃プラを適切に選別することに応用することができ、廃プラスチック資源の再資源化による高品質の再生資源の確保に大きく貢献できる。
  • 本研究グループは、分野横断研究を行っており、社会工学・資源循環(劉庭秀教授)、光工学(芝浦工大 田邊匡生教授・静岡大学 佐々木哲生教授)、情報科学・ビッグデータ分析(大窪和明准教授)、データ収集及び分析・国際協力(眞子岳特任講師)、社会実験・行動経済学(劉 暁玥助教)などを専門とする研究者が、国内外における社会・経済・環境問題のニーズを吸い上げて、それぞれの課題解決と持続可能な社会形成に向けて幅広い視点で取り組んでいる。国内外の民間企業だけではなく、行政及び研究機関、市民団体などとのコラボーレーションとネットワークづくりも期待している。
実用化イメージ

国内外における容器包装リサイクル、自動車リサイクル、家電及び家電リサイクルなどのプロセスから発生する廃プラスチックの識別・選別装置開発、再生プラスチックの生産及び品質評価などに応用できる。

研究者

大学院国際文化研究科

劉 庭秀  

Jeongsoo Yu

全てを最適化する Optimal Society

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特徴・独自性
  • 量子アニーリングと呼ばれる最適化技術を世界でいち早く産業化に向けて、その限界を突破する基礎技術、複数の企業との応用可能性の探索に取り掛かっている。
  • その手法の優位性は、一度最適化したい目標を描くコスト関数を定式化するだけで利用できる点だが、我々はさらに最適化しやすい形、学習による逐次最適化、ブラックボックス最適化など、手法にとどまらない展開をしている。
  • 特に自動運転、工場内の物流、災害時の避難誘導へ応用展開中である。
実用化イメージ

各種車両の自動運転、災害時の避難経路誘導などの経路探索問題、工程スケジューリングや多大な組合せ問題への応用。
各業界における組合せ最適化問題への課題解決方法を提供可能。
( 交通・流通、製造、材料、創薬等)

研究者

大学院情報科学研究科

大関 真之  

Masayuki Ohzeki

コヒーレントX線によるミクロ/ナノ空間階層構造イメージングの生体・農食・ソフトマテリアル試料への展開

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概要

細胞や食品などのマイクロからナノスケールの構造を可視化し、生命現象や食感の構造基盤を解明するために、放射光イメージング技術やX線分析を用いた技術開発を進めています。また、不均一な化学状態や相変化を理解するために、スペクトルイメージングと機械学習による画像解析も行っています。

従来技術との比較

自然に近い状態での試料観察を目指しています。例えば大気環境下、湿潤環境下、クライオ環境下での計測技術や新しいイメージング法、低線量での撮影技術を進めています。

特徴・独自性
  • コヒーレントX線回折イメージング技術の開発と生命・食農分野への展開
  • 機械学習などを活用したスペクトル画像解析技術の開発
  • X線吸収分光や小角・広角X線散乱を用いたスペクトルイメージングと機械学習を活用した画像解析技術
  • 生命・食農分野での放射光利活用方法の開拓
実用化イメージ

条件ごとの食感の差異の可視化等から食品開発等への展開や、ソフトマテリアル、エネルギーデバイス等にも応用することが可能です。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター

高山 裕貴  

Yuki Takayama

地表面の状況を高精度に抽出できます

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概要

ドローン等を利用して得られる高さ情報を用いて、植生等の地表面の利用状況を容易に把握することができる地表面合成画像作成方法を提供する。

従来技術との比較

・合成画像は、RGBの3チャンネル画像として得られるため汎用性が高い。
・フリーの画像処理ソフトウェアの利用が可能

特徴・独自性
  • RGB画像と高さ情報の合成
  • 簡便な手順
  • 一般的な深層学習のプログラムの使用が可能
実用化イメージ

・植生(屋敷林や公園の樹木や植栽)の把握、維持管理
・災害調査(倒木など)
・建物や太陽光パネル等の人工物調査

研究者

大学院農学研究科

米澤 千夏  

Chinatsu Yonezawa

困難な実環境下で機能するタフなサイバーフィジカルAI

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概要

身体性をもって実世界で稼働するサイバーフィジカルAIの重要性が急速に高まっている。特に、SDGsや災害などの我が国や世界が有する重大な社会課題や産業課題の解決に資する科学技術に対するニーズが顕在化している。サイバーフィジカルAIが困難な環境下で機能するための高度化、すなわち、システムの頑健性、柔軟性、適応性、それに基づく広い適用性を意味するタフ・サイバーフィジカルAIに関する研究開発を行っている。

従来技術との比較

災害救助や保守点検等は,作業者に危険が伴うこと、及び、作業精度の点で限界があった。そのような領域にAIやロボット技術を適用することで,これまで実現できなかった安全かつ高精度かつ迅速な作業が可能となる。

特徴・独自性
  • 困難環境を探査するアームを有するクローラ機構や球殻ガードを有するドローン機構の研究開発
  • LiDARやカメラや慣性センサを融合した高精細なセマンティック地図構築技術の研究
  • 過酷環境で認識や位置推定や地図構築(SLAM)や動作生成を行う頑健な知能化ソフトの研究開発
  • 既存の移動体に後付けで機器を搭載して自動化を行うレトロフィット技術の研究開発
  • 人とイヌのコミュニケーションやイヌの能力を拡張するAI・ロボット技術の研究開発
実用化イメージ

建設業,製造業,物流,ペット産業をはじめ,あらゆる業界と連携できる可能性がある。また,産業イノベーションや防災・災害対応の政策を推進する官庁,実証機会を提供できる地方自治体との連携が可能。

研究者

タフ・サイバーフィジカルAI研究センター

大野 和則  

Kazunori Ohno

機械接触

摺動部摩耗と焼付き発生部位に関するシミュレーション予測システムの開発

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概要

エンジンピストンピン-コンロッド小端間の相変化を伴う潤滑油液膜流れに着目し、構造体の弾性変形と流路変化を考慮した混相流体-構造体連成解析手法を新たに開発し、高負荷条件下におけるトライボロジー特性に関するシミュレーション予測法を開発しました.その結果、摺動部における摩耗・焼付き発生部位のシミュレーション予測に成功するとともに、構成部品の特異な変形挙動が摩耗・焼付きの発生要因であることを発見しました。

従来技術との比較

流体潤滑における摩耗・焼付き発生部位の検証には計算による予測は不可能であると考えられてきましたが,本研究では摺動部における摩耗・焼付き発生部位のシミュレーション予測に成功しました.

特徴・独自性
  • スーパーコンピューターでエンジンピストンピン摺動部における摩耗・焼付き発生部位に関するシミュレーション予測に世界で初めて成功した。
  • ピストンピンの弓なり状の変形が、コンロッドエッジにおける機械接触・焼付きの原因であることを特定した。
  • ピストンピンとコンロッド双方の弾性変形ならびに非定常流路変化を伴う薄膜キャビテーション注1潤滑を考慮した、3次元混相流体-構造体連成解析手法注2の開発に成功した。
実用化イメージ

本研究手法は自動車用エンジンのみならず流体潤滑を用いた全ての摺動部品要素に適用可能であり、輸送機械・産業機械の損傷予測や構成要素の安全性指針策定に貢献します,構成要素の最適設計が可能になります.

研究者

流体科学研究所

石本 淳  

Jun Ishimoto

機械的特性

次世代ステント用Co-Cr合金の高機能化

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概要

次世代バルーン拡張型ステントへの適用を念頭に、規格Co-Cr合金高強度化・高延性化のための加工熱処理プロセス高度化に加えて、更なる機械的特性の向上およびX線視認性の向上を指向とした新規Co-Cr合金開発を行っている。

従来技術との比較

次世代ステントには更なる小径化が要求されているため、高強度・高延性に加えて、低降伏応力や高X線視認性という多様な特性が要求されている。低温熱処理技術と軽元素・貴金属の合金化によりその課題を解決する。

特徴・独自性
  •  次世代ステントには更なる小径化が要求されているため、高強度・高延性に加えて、低降伏応力や高X 線視認性という多様な特性が要求されています。次世代バルーン拡張型ステントへの適用を念頭に、Co-Cr 合金の高強度化・高延性化のための加工熱処理プロセスの高度化に加えて、更なる機械的特性の向上およびX 線視認性の向上を指向とした新規合金開発によりその課題を解決します。
  • (1)炭素添加による機械的特性向上従来ステント用に使用されているC o - 2 0 C r - 1 5 W - 1 0 N i ( L 6 0 5 ,mass%)合金に炭素を0.2mass% 添加することで、次世代バルーン拡張型ステントとしての機械的特性の目標値を達成できることを示しました(図1)。今後は、結晶粒径を30 μ m 程度での目標値達成を目指します。
  • (2)Pt 添加によるX 線視認性向上ステント留置にはX 線視認性が要求されます。Pt は高密度で原子番号が大きいのでX 線視認性向上のための有力な合金元素です。図2 に3 つのPt 添加開発合金、Co-25Cr-5Ni-10Pt-10W(5Ni10Pt)、Co-25Cr-5Ni-15Pt-10W(5Ni15Pt)、Co-25Cr-15Pt-10W(0Ni15Pt)( いずれもmol% 表示)のX 線視認性(X線の透過しにくさ)を従来材のL605合金と比較して示します。いずれの合金もL605 合金と比較してX 線視認性が向上しています。加えて、開発合金はL605 と比較して低い体積磁化率を有しており(図3)、MRI などの診断でアーチファクトを低減させることができます。
実用化イメージ

次世代ステントの実用化に、生体用Co-Cr 合金の加工熱処理プロセスの高度化と新合金開発の観点から貢献します。

研究者

大学院工学研究科

成島 尚之  

Takayuki Narushima