新生骨を誘導する次世代バイオマテリアルの開発
更新:2025/06/25
- 概要
生体材料学を基盤として、骨の欠損を修復する整形外科、歯科、他の骨再生を必要とする領域の骨補填材を開発し、社会実壮を目指す研究を行っている。
- 従来技術との比較
骨アパタイト結晶の前駆体であるリン酸八カルシウム(OCP)の骨伝導性発見の成果に基づき、既存人工骨を上回る性能を持つ人工材料の調製に基づく骨補填材に関わる一連の技術を有し,新規骨補材を開発している。
- 特徴・独自性
-
骨芽細胞分化を促すリン酸八カルシウム(OCP)の完全合成に成功し、骨芽細胞、破骨細胞に加え骨細胞分化も活性化させることを明らかにしました(Suzuki O et al. DentMater J39:187, 2020)。これまでの研究から、OCP と生体由来高分子であるgelatin およびcollagen との複合体は整形外科および歯科で臨床応用されるに至っています。PLGA やヒアルロン酸など他の高分子材料との複合体の適用開発を期待しており、OCP と合成高分子との複合体による臨床応用可能な次世代型バイオマテリアル開発への取り組みを進めています。さらに新生骨との置換性を高めた次世代型のOCP 研究も行っています(Suzuki O et al. Acta Biomater158:1, 2023)。
- 実用化イメージ
-
整形外科領域の骨欠損修復および顎顔面・口腔外科領域に応用可能な生体材料開発を学内共同研究により進めています。また、新規バイオマテリアルの開発をめざす企業に対して学術指導を行う用意があります。
- キーワード