ヒト間葉系細胞からの骨格筋誘導と筋変性疾患への応用


更新:2020/06/16
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特徴・独自性
  • 骨髄間葉系細胞は自己および他家移植ですでに臨床応用されており、骨髄液から容易に接着性細胞として培養可能であること、数週間で1000 万個ほどの細胞に増殖しやすいこと、患者本人だけでなく骨髄バンクを用いることで細胞ソースを確保できること、腫瘍形成能が無いなどの利点がある。我々は特定のサイトカイン刺激に引き続き、筋などの発生・分化を制御することが知られているNotch遺伝子の細胞質ドメイン(NICD) のプラスミド導入を組み合わせる処理によって幹細胞を含む骨格筋系細胞が選択的に誘導されるシステムを開発し、筋ジストロフィーモデルにおける有効性を示した (Science, 2005)。現在、イヌの喉頭筋傷害モデルにおいて有効性、安全性を検証している。
実用化イメージ

筋肉変性疾患の治療を目指した開発に寄与できる。また筋肉に作用する薬剤開発、ヒトの骨格筋の物性に関する開発において、骨髄間葉系幹細胞というアクセスしやすい細胞から本方法を用いて誘導した筋肉細胞を活用すれば、コストもかからず大量の細胞が手に入るので産業応用性は高いと思われる。

キーワード

研究者

大学院医学系研究科
医科学専攻
細胞生物学講座(細胞組織学分野)

出沢 真理 教授 
博士(医学)(千葉大学)

Mari Dezawa, Professor