- 特徴・独自性
-
- カビの一種で醸造・醗酵に用いられる麹菌Aspergillus oryzaeの固体表面への生育能と、大規模な麹菌工業培養設備(100万トン/年)に着目し、麹菌による生分解性プラスチック(生プラ)の高速・高効率分解と、原料モノマー回収が可能なリサイクル技術の開発を行っている。我々は、麹菌が生プラ固体表面に生育する際に界面活性蛋白質群を大量分泌し、界面蛋白質群が固体表面に吸着した後に生プラ分解酵素を特異的に吸着し固体表面に分解酵素を濃縮することで分解を促進する新規分解促進機構を見出した。また麹菌の産生する界面活性蛋白質は、免疫応答しないことから、医療用ナノ粒子の被覆材として利用可能である。
- 実用化イメージ
-
大型発酵設備に適用した工業技術の開発、及び界面活性蛋白質群・酵素等の化成品( 医療用ナノ粒子素材等) への応用開発を展開している。
研究者
大学院農学研究科
阿部 敬悦
Keietsu Abe
|
- 特徴・独自性
-
- 高周波数超音波を用いることで、空間分解能が高く非侵襲的な生体組織イメージングが可能です。私たちが開発した超音波顕微鏡は、周波数100MHz で光学顕微鏡40 〜 100 倍相当、GHz領域の超音波により細胞1個も観察可能な高解像度を実現しており、組織の形態だけではなく弾性計測も可能です。また、最近では組織にレーザー光を照射した際に発生する超音波の検出を原理とするリアルタイム三次元光音響イメージングシステムを開発し、皮下の毛細血管網や酸素飽和度が可視化できるようになりました。
- 実用化イメージ
-
高周波数超音波および光音響イメージングは非侵襲的に繰り返し計測できるので、動脈硬化の超早期診断、皮膚のエイジング、組織の代謝状態の評価など化粧品・医薬品の効果判定に応用できます。高周波数超音波は、生体組織だけではなく、光学的手法では困難とされる不透明な薄膜や二重の透明コーティングなどを、0.1ミクロンの精度の計測が必要な産業分野へも応用可能です。
研究者
大学院医工学研究科
西條 芳文
Yoshifumi Saijo
|
- 特徴・独自性
-
- クリーンルーム・ユーティリティのレベルから、材料、装置、プロセス、デバイス、回路、実装、信号処理、計測・評価、信頼性に至るまでの研究に総合的に取り組みつつ、それらを基盤として、イメージセンサの極限性能の追及を行っています。
- 今までに、100 万個を超えるトランジスタ性能の高精度高速計測技術(2004 年)、明暗差5 ケタの単露光撮影を可能とした広ダイナミックレンジCMOS イメージセンサ(2008 年)、毎秒1000 万コマの撮影が行える高速CMOS イメージセンサ(2012 年)などの実用化に成功しています。
- 実用化イメージ
-
デバイスメーカの量産ラインと相互乗り入れ可能な清浄度を有する200mmウェーハのシリコンデバイス流動が行えます。また、現有するクリーンルーム施設設備を利用した要素プロセス検討、高度な各種分析評価が行えます。新規イメージセンサの開発に取り組むことができます。
研究者
未来科学技術共同研究センター
須川 成利
Shigetoshi Sugawa
|
- 特徴・独自性
-
- IoT 社会の実現に向けて、充電を必要としない小型センサの開発は不可欠である。当研究室では、独自装置を用いた材料創製技術、理論に基づいた数値解析技術を駆使し、材料の複合化によって、身の回りの未利用エネルギー(振動、超音波、光エネルギーなど) を電気エネルギーとして回収可能な環境発電材料の創製とさらなる高性能化を得意としている。
- 実用化イメージ
-
環境発電特性および関連特性の付与による、既存の機械やデバイスのさらなる高性能化、新機能追加から生じる付加価値向上を目指している企業等との共同研究を希望する。
研究者
大学院環境科学研究科
成田 史生
Fumio Narita
|
- 特徴・独自性
-
- 金属材料の性質は、材料を構成する微細組織によって大きく変化します。我々は、従来型のバルク材の結晶構造・組成・粒径等の制御のみならず、結晶界面の構造やサブナノ領域の局所的組成など原子レベルでの先進的組織制御により、強度と延靱性に優れた構造用金属材料の設計・開発を、鉄鋼を中心に行っています。特に、結晶界面(粒界や異相界面)を制御する新しい観点から、相変態・再結晶を用いた結晶粒微細化の指導原理を構築するべく基礎的研究、豊富な資源としての軽元素の機能の基礎的理解と有効活用による鉄鋼およびチタン合金の更なる高機能化の研究を行っています。
- 実用化イメージ
-
熱処理や塑性加工を用いた鉄鋼や非鉄金属の高機能化、鉄鋼の表面硬化処理、金属組織に関する各種解析などを専門としており、この経験を生かして少しでも産業界の役に立てればと願っています。
研究者
金属材料研究所
古原 忠
Tadashi Furuhara
|
- 概要
電子スピン波による情報の多重伝送 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T20-656_T21-213.html
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 光の波としての特徴である並列性や多重性を利用して、光ファイバーが実用化されているが、伝送する情報の数が増えるほど対応する光電変換機器が必要となり、装置の大型化や消費電力増加等の課題がある。一方、電子は光と異なり並列性や多重性を組み込むことができないため、半導体集積回路等の電子デバイスでは、原則複数の情報を同時に伝送することは不可能であった。
- 本発明は、波の性質を有する「電子スピン波」に着目し、その波長を情報として用い、さらに電子スピン波どうしを重ね合わせることによって、従来光ファイバーで行っていた情報の多重伝送を、固体電子デバイスで行うものである。これにより多重化した情報を処理する際に逐次計算する必要がなくなり、既存の光電変換デバイスに置き換えて、デバイスの小型化および消費電力削減が期待でき、今後膨大に増える情報処理に貢献する可能性がある。また多重電子スピン波を用いた多状態情報の伝送・処理・記録を一括で行うデバイスも実現し得る。
- 実用化イメージ
-
・既存の光電変換デバイスの小型化、消費電力削減 ・多状態情報の伝送・処理・記録を一括で行うデバイス
研究者
大学院工学研究科
好田 誠
Makoto Koda
|
- 特徴・独自性
-
- 高分子材料とナノ粒子とのハイブリッド材料は、2つの異なる材料の機能を合わせ持つ今までにない材料として期待され、多くの研究開発が進められている。しかし、材料間の親和性が低く、多くの場合ハイブリッド化により、両方の機能が低下することが多く、相反機能を同時に達成することは不可能とされてきた。
- 当研究室では、高分子とナノ材料間の界面制御を最適に行う新たな超臨界技術により、相反する機能を合わせ持つ新たなハイブリッド材料の創製に成功した。
- 実用化イメージ
-
材料の例として ・ 透明、フレキシブル、高屈折率、易加工性 ・ 高熱伝導度、フレキシブル、密着性、絶縁性、易加工性等 といったハイブリッド材料創製に向けた研究開発を行っている。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
阿尻 雅文
Tadafumi Ajiri
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- γ セクレターゼを発現した酵母を用いてアルツハイマー病患者脳内で生成されるアミロイドβの生成を検出するアッセイ系を開発
- 家族性アルツハイマー病家系から見つかっている遺伝子変異を利用することで、特に毒性の高いアミロイドβ(A β 42)の生成を検出することが可能
- レポーター遺伝子の発現、即ち酵母の生育・レポータ酵素を評価することにより、A β42 を減少させる化合物、変異の同定に成功
- 実用化イメージ
-
本法によりγセクレターゼの機能を調節・阻害して認知症治療を目指す、化合物、天然物、遺伝子等のスクリーニングを行うことができる。この技術を産業的に活用したい製薬・食品企業や団体との共同研究を希望する。
研究者
大学院農学研究科
二井 勇人
Eugene Futai
|
- 特徴・独自性
-
- 少子・高齢社会の問題や男女共同参画、医療や介護などの社会保障の問題などについて、従来の歴史的、制度的観点に重きを置いた分析とは異なり、経済学や市場均衡の理論と統計資料を使って分析し、解決策を政策提言します。
- 実用化イメージ
-
少子高齢化に伴う財政、市場の将来予測、医療、福祉の効率的運営や男女共同参画社会の経済学的分析など、行政やシンクタンクとの連携、また高齢者向け福祉器具や将来世代向けイノベーション機器の開発。
研究者
大学院経済学研究科
吉田 浩
Hiroshi Yoshida
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 様々な物質の液体状態を、高真空環境下で安定化させ、そのマイクロ/ナノレベルの成形技術や診断技術の開発,また,物性測定による新現象の発見,およびそのプロセス応用に取り組んでいる。特に、膜厚が数nmのイオン液体膜の作製や単結晶品質のSiCなどの無機薄膜の高速VLS成長、イオン液体を介した有機半導体、高分子薄膜・結晶材料のプロセスは,世界的にも類を見ない独自技術である。
- 実用化イメージ
-
wet系プロセスの利点を真空プロセスに取り入れた次世代の半導体プロセスへの応用開発、有機半導体の新しい精製技術の開発,イオン液体を介した蒸着法による再結晶が困難な有機化合物の単結晶の試作など。
研究者
大学院工学研究科
松本 祐司
Yuji Matsumoto
|
- 特徴・独自性
-
- ニュートリノ科学研究センターでは、温湿度・振動などの点で非常に安定した地下1000mの空間に、1200立方メートルの有機シンチレータを主体とした装置を構築し、自然界と比べて1 兆倍も放射線の少ない極低放射能環境を実現しています。そこでは、超高感度での放射線計測、特にニュートリノ観測を実施しているほか、極低放射能を実現するための純化装置や高機能な放射線測定装置の開発も行っています。
- 実用化イメージ
-
極低放射能環境は希な現象の研究に適しているほか、微量放射能測定環境や放射線の生物進化への影響調査などへの活用が考えられます。また、ニュートリノ観測技術の原子炉モニターへの応用や、高感度放射線測定技術の医療への応用の可能性も考えられます。
研究者
ニュートリノ科学研究センター
井上 邦雄
Kunio Inoue
|
- 概要
数十W程度の電力で、空気を原料に五酸化二窒素 (N2O5) を選択的にその場合成・供給できるプラズマ装置を開発し、応用展開を推進しています。 本装置を用いて、これまでに下記の効果を既に実証しており、今後は医療・農業・環境・材料分野等でさらに幅広く応用探索を進めたいと考えています。 ○殺菌・殺ウイルス効果 ○植物免疫活性効果 ○窒素施肥効果
- 従来技術との比較
N2O5は、熱や水分に弱く、保存が効かず集約生産に不向きである他,従来合成法には、高い危険性や環境汚染等の問題がありました。 安全な空気からその場合成できる本技術は現地生成・利用を可能にします。
- 特徴・独自性
-
- 原料は空気のみ
- 省電力・省メンテナンス
- 100ppmを超える五酸化二窒素を供給可能
- 実用化イメージ
-
空気とわずかな電力しか用いない本技術は、持続可能な環境負荷の小さい分散アプリケーションとの親和性が高いです。上述の特徴を上手に活用した未来の技術として発展させていきたいと考えています。
研究者
大学院工学研究科
佐々木 渉太
Shota Sasaki
|
- 特徴・独自性
-
- 高信頼性原子力発電所の実現に向けた保全技術の開発のため、検査・評価技術の高度化及び検査員の技能研鑽のためには適切な試験体の存在が不可欠である。しかし、人為的に実キズ、特に応力腐食割れのような複雑なキズを再現するためには長い期間と多額の費用が必要であり、かつ制御が極めて困難という問題がある。このような問題を鑑み、非破壊検査技術に対する応答が実キズ相当である模擬キズを安価かつ短期間に製作する技術の開発を行っている。
- 実用化イメージ
-
非破壊検査技術に対する応答が実キズ相当である試験体の安価な提供が可能となり、検査・評価技術の高度化、及び検査員の技能研鑽に大きく貢献することが期待される。
研究者
大学院工学研究科
遊佐 訓孝
Noritaka Yusa
|
- 特徴・独自性
-
- 子どもとかかわる保護者、保育者自身の「大人のキャリア発達」を研究テーマとしています。家族システム論、保育環境論をベースに、子どもとかかわる大人の感情制御、環境設定などについて文化・社会、時代・歴史的背景を踏まえて研究を進めています。 特徴としては,Bronfenbrennerの生態学的アプローチに基づき,親や子どもの個体内要因のみでなく,生活体をシステムとしてアセスメントする点にあります。
- 実用化イメージ
-
特に乳幼児を中心とした子育て家族にかかわる、保育、子育て支援関係者あるいは、子育て家族にかかわる教育、福祉、司法、医療、産業領域におけるコンサルテーション。
研究者
大学院教育学研究科
神谷 哲司
Tetsuji Kamiya
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 固体イオニクスを中心として高度なエネルギー変換を実現するための機能性材料の開発を行っている。燃料電池や蓄電池の高性能化のためには、高いイオン伝導度と化学的安定性を有するイオン導電体や混合導電体が必要とされ、これら材料を酸化物の欠陥化学や熱力学に基づき探索し、デバイスに応用している。これまでに酸素分離膜型水素製造システムや全固体リチウム電池を開発している。
- 実用化イメージ
-
酸化物イオン・電子混合導電体は小型水素製造システムや燃料電池の電極材料、酸素吸蔵放出材料、純酸素の工業的利用と関連が深く、リチウム伝導体は発火の危険性のない全固体電池への応用が期待される。
研究者
大学院工学研究科
髙村 仁
Hitoshi Takamura
|
- 特徴・独自性
-
- ヴェーダと仏教との二領域に亘る、通時的視点に立つ点を研究の特色とする。その際、㈰ 原典の文法及びシンタクスの正確な理解に基づく精査と、㈪ 伝承の背景となる社会や実生活の解明とを基礎として常に心がけ、㈫ ヴェーダ文献並びにヴェーダ祭式、㈬ 古代インドの生活と社会、㈭ ヴェーダから仏教へと至る思想と社会との変遷(胎児発生と輪廻説、家系及び家族制度など)、㈮ 仏教教団の生活に重点を置いている。
- 実用化イメージ
-
仏教興起に至る宗教および社会の変遷、ブッダの思想に関わる内容を、特に死生観を中心として紹介する。
研究者
大学院文学研究科
西村 直子
Naoko Nishimura
|
- 特徴・独自性
-
- 微細加工によりナノメートルスケールの微細構造を作製し、その電気的性質の解明とデバイス応用の研究を進めています。
- 実用化イメージ
-
精密・高速電気測定(低ノイズ、単一電子検出等)、極低温・高磁場測定、微細加工、データ科学手法などが得意です。これらがお役に立てることがございましたら、ぜひお知らせ下さい。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
大塚 朋廣
Tomohiro Otsuka
|
- 特徴・独自性
-
- 固体ナノ構造中で生じる量子状態を利用して、量子センサや量子ビット等の量子デバイスの研究を進めています。
- 実用化イメージ
-
単一電子スピン状態等の量子状態の電気的精密・高速測定、制御、データ科学手法などが得意です。これらがお役に立てることがございましたら、ぜひお知らせ下さい。
研究者
高等研究機構材料科学高等研究所
大塚 朋廣
Tomohiro Otsuka
|
- 概要
健常な母語話者だけでなく、外国語学習者や失語症患者など、誰にとっても理解しやすい言語表現の性質、すなわち「言葉遣いのユニバーサルデザイン」を探る研究をしています。現在は特に「言語の語順」と「思考の順序」の関係について調べています。語順が違うと脳の使い方がどのように異なるのか、思考の順序はどの程度、言語の語順に影響されるのか、人間にとって最適な言語の語順や思考の順序というものは存在するのか、など。
- 従来技術との比較
主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順がその逆のOS語順に比べて処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があること(SO語順選好)が多くの研究で報告されています。しかし、従来の研究は日本語や英語のようにSO語順を文法的基本語順にもつSO言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分かりません。
- 特徴・独自性
-
- そこで、これまで全く研究されてこなかったOS語順を基本語順にもつ少数民族の言語(カクチケル語とタロコ語)の脳内処理過程を、特に「言語の語順」と「思考の順序」との関係に着目して研究し、その結果を日本語や英語の脳内処理過程と比較しています。
- その際、話者の居住地(グアテマラと台湾)に実験装置を持ち込み、行動実験、視線計測、脳機能計測など多様な手法を駆使して調査・実験を行っています。また、持ち運びのできないMRIなどの大型の装置を使う実験は、話者を日本に招聘して実施しています。
- 実用化イメージ
-
(1)効果的な外国語教授法・学習法の開発や、(2)失語症のリハビリプログラムの改善、(3)危機言語・方言の動態保存、などに貢献できる可能性が考えられます。
研究者
大学院文学研究科
小泉 政利
Masatoshi Koizumi
|
- 概要
細胞や食品などのマイクロからナノスケールの構造を可視化し、生命現象や食感の構造基盤を解明するために、放射光イメージング技術やX線分析を用いた技術開発を進めています。また、不均一な化学状態や相変化を理解するために、スペクトルイメージングと機械学習による画像解析も行っています。
- 従来技術との比較
自然に近い状態での試料観察を目指しています。例えば大気環境下、湿潤環境下、クライオ環境下での計測技術や新しいイメージング法、低線量での撮影技術を進めています。
- 特徴・独自性
-
- コヒーレントX線回折イメージング技術の開発と生命・食農分野への展開
- 機械学習などを活用したスペクトル画像解析技術の開発
- X線吸収分光や小角・広角X線散乱を用いたスペクトルイメージングと機械学習を活用した画像解析技術
- 生命・食農分野での放射光利活用方法の開拓
- 実用化イメージ
-
条件ごとの食感の差異の可視化等から食品開発等への展開や、ソフトマテリアル、エネルギーデバイス等にも応用することが可能です。
研究者
国際放射光イノベーション・スマート研究センター
高山 裕貴
Yuki Takayama
|