行の研究者 74人

社会科学をエンターテインメントコンテンツにする

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概要

経済データの分析やシミュレーションを研究している中で、これらの技術をエンターテインメントコンテンツの作成に活かせないかと思うようになりました。例えば、現実の社会経済データに徹底的に基づいたリアルな経営シミュレーションゲーム、統計データから不自然な点を探して企業犯罪を見抜くミステリー小説、料理レシピの各材料についてその生産地や経済事情、貿易統計などを一緒に学べる料理本などを構想しています。

従来技術との比較

例えば何かシミュレーションゲームを作るのであれば、そのパラメーターの設定が必要になります。これを、実際に研究で使っているレベルで精密に、特にマクロ経済学のカリブレーションという手法を応用して行えると考えています。また、金融ビッグデータの解析経験などから、専門家でないと扱えないような詳細な統計分析をエンターテインメントに落とし込めるのではと期待しています。

特徴・独自性
  • 堅い研究と柔らかいエンターテインメントを結ぶこと
  • 経済モデルのパラメーター設定手法をゲームに持ち込むこと
  • 金融・経済教育への応用
実用化イメージ

このようなコンテンツを、ゼミの大学生と一緒に作りたいと考えています。企業様には、コンテンツの方向性などを指導していただきつつ、一緒に製品開発に取り組めますと幸いです。

研究者

大学院経済学研究科

久保田 荘  

So Kubota

特別ニーズ教育へのブレンディドラーニング活用

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特徴・独自性
  • 教育場面における人間のコミュニケーション過程や機器とのやりとりに関心があります。特別な教育上のニーズを有する生徒、両親、教員を対象とした面接・質問紙調査、行動観察、実験等によって、ブレンディドラーニングやデジタル教材の必要性、アクセシビリティ、ユーザビリティ、有効性とその要因を検討しています。
実用化イメージ

教材や指導法の設計と開発への貢献が期待されます。

研究者

大学院教育学研究科

熊井 正之  

Masayuki Kumai

計算材料学

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 私たちは、第一原理計算と情報学を用いて、従来実験では到達できなかった数の物質を探索し、有望な材料を発見することを研究テーマとしております。特に第一原理計算の自動化やデータベースの構築、さらにはそれらを用いた特性の理解、新材料探索を得意としています。対象は主にセラミックスです。
実用化イメージ

材料開発で生じる問題を、第一原理計算と情報学を用いて解決する方法を共同で検討します。また自動計算の仕組みの導入や、どのような計算を如何に行うかのアドバイス、計算で得られた結果の解釈を通して、実用に資する新材料の探索を共同で行います。さらに情報学に関する基礎から応用までの支援を行います。

研究者

金属材料研究所

熊谷 悠  

Yu Kumagai

生体高分子が起こす反応・構造変化の可視化

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概要

生命にとって重要な構成物質であるタンパク質は細胞情報伝達や生体内触媒反応など様々な役割を果たします。タンパク質立体構造はそうした機能と深く相関しており機能発現の際にどのような構造変化を起こすのか興味が持たれています。当研究室ではNanoTerasuの放射光やX線自由電子レーザー等の量子ビームを用いて、タンパク質の中で起こっている化学反応や構造変化を高い時間・空間分解能で可視化する技術を開発します。

従来技術との比較

従来の方法ではナノスケールのタンパク質がフェムト秒~ミリ秒といった高速で動く様子を原子レベルで捉えることは困難でした。

特徴・独自性
  • このシーズは以下の特徴を持ちます。
  • ・タンパク質の構造変化や反応を高い時間・空間分解能で可視化します。
  • ・動的構造解析を基に新たな分子設計が期待されます。
  • ・微結晶にX 線自由電子レーザーを照射し、得られるX 線回折像からタンパク質構造解析を行う手法である「シリアルフェムト秒結晶構造解析」があります。これによりフェムト秒X 線レーザーにより放射線損傷が顕在化する前に回折像の取得が可能です。
実用化イメージ

放射光やX 線自由電子レーザー等の量子ビームを用い、タンパク質の中で実際に起こっている化学反応や構造変化を高い時間・空間分解能で可視化する技術を開発し、得られた動的構造を基に新たな分子の設計を目指します。

研究者

多元物質科学研究所

南後 恵理子  

Eriko Nango

自然免疫を標的とした創薬と利用

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 自然免疫は、感染症、急性炎症、自己免疫疾患などと密接に関係するだけでなく、最近、自然免疫と一見無関係とも思えるガンの転移やメタボリックシンドロームなどの疾患とも関係していることが明らかになってきました。したがって、自然免疫は創薬の重要なターゲットです。これまでに、自然免疫の種間での共通性を利用して、ショウジョウバエ個体を用いた自然免疫スクリーニング系を確立し、自然免疫を活性化する化合物、あるいは抑制する化合物を同定しています。また、自然免疫シグナル機構を利用した新たな検出技術も開発しています。
実用化イメージ

創薬だけでなく、新たな検出技術の開発につながることが期待できます。

研究者

大学院薬学研究科

倉田 祥一朗  

Shoichiro Kurata

表面力測定による材料ナノ界面科学の創製

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 固 - 液界面現象や表面間の相互作用を分子レベルで具体的に解明することを目的として研究しています。中心手段は、2つの表面間に働く相互作用力の距離依存性を直接測定する表面力測定、ならびに当研究分野で開発した液体ナノ薄膜の構造化挙動やゲル・高分子の界面粘弾性を高感度で評価できる共振ずり測定法です。従来困難であった不透明試料(金属、セラミック、高分子など)が測定できるツインパス型表面力装置も独自開発し、電極界面の評価も行っています。
実用化イメージ

機能材料界面における表面電荷や吸着状態等の特性、潤滑油・ゲル・ゴムなどのナノレオロジー・ナノトライボロジーの評価が可能です。機械、潤滑剤、ナノ材料、塗料・シーラント、化粧品等の業種に対して共同研究・学術指導を行う用意があります。

研究者

未来科学技術共同研究センター

栗原 和枝  

Kazue Kurihara

電子デバイスの高性能・高信頼化のための配線材料と形成プロセスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 半導体デバイスからなる電子製品は、半導体自体はもとより、半導体に接続する金属配線があって製品として動作します。金属配線に求められる課題は次の通りです。半導体材料との良好な電気的コンタクト、相互拡散の防止、良好な密着性、および配線材料の低電気抵抗、耐腐食性、プロセス耐性などです。本研究室では、種々のデバイスのニーズに合った配線材料の開発ならびにコストパフォーマンスを追求したプロセス技術を開発することによって、高性能かつ高信頼性の先端デバイス開発に貢献しています。
実用化イメージ

Si 半導体多層配線において拡散バリア層を自己形成するCu 合金配線、IGZO 酸化物半導体に対して熱反応によるキャリアドーピングを行えるCu 合金配線、SiC パワー半導体に対して優れた熱・機械的信頼性と良好なコンタクト特性を示すNb 合金配線、タッチパネル用途などのITO 透明導電膜に対するCu 合金配線、太陽電池におけるCu ペースト配線、などがあります。

研究者

未来科学技術共同研究センター

小池 淳一  

Junichi Koike

言葉遣いのユニバーサルデザイン

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概要

健常な母語話者だけでなく、外国語学習者や失語症患者など、誰にとっても理解しやすい言語表現の性質、すなわち「言葉遣いのユニバーサルデザイン」を探る研究をしています。現在は特に「言語の語順」と「思考の順序」の関係について調べています。語順が違うと脳の使い方がどのように異なるのか、思考の順序はどの程度、言語の語順に影響されるのか、人間にとって最適な言語の語順や思考の順序というものは存在するのか、など。

従来技術との比較

主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順がその逆のOS語順に比べて処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があること(SO語順選好)が多くの研究で報告されています。しかし、従来の研究は日本語や英語のようにSO語順を文法的基本語順にもつSO言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分かりません。

特徴・独自性
  • そこで、これまで全く研究されてこなかったOS 語順を基本語順にもつ少数民族の言語(カクチケル語とタロコ語)の脳内処理過程を、特に「言語の語順」と「思考の順序」との関係に着目して研究し、その結果を日本語や英語の脳内処理過程と比較しています。その際、話者の居住地(グアテマラと台湾)に実験装置を持ち込み、行動実験、視線計測、脳機能計測など多様な手法を駆使して調査・実験を行っています。また、持ち運びのできないMRI などの大型の装置を使う実験は、話者を日本に招聘して実施しています。
実用化イメージ

以下のような社会実装が想定されます。
(1)効果的な外国語教授法・学習法の開発、(2)失語症のリハビリプログラムの改善、(3)危機言語・方言の動態保存、などに貢献できる可能性が考えられます。

研究者

大学院文学研究科

小泉 政利  

Masatoshi Koizumi

精密ものづくり計測に関する研究

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 精密加工品の形状および精密機械の運動を必要な精度で計測するという精密ものづくり計測の研究に取り組んでいます。独自の計測原理に基づいて、グレーティングなどの微細格子と波動光学系を組み合わせることによって、超精密ものづくり計測の基本道具となる高精度かつコンパクトな多軸変位、角度センサを実現させています。各種超精密およびマイクロ加工品の形状を高速高精度に測定する実用的なシステムの開発も行っています。
実用化イメージ

多軸変位、角度センサは半導体および電子部品製造・検査装置、超精密加工機、超精密測定機の運動計測に活用され、また、形状測定システムは超精密加工分野で利用されることを期待して、産業界との共同研究を希望します。

研究者

大学院工学研究科

高 偉  

I Ko

半導体における電子スピン波を活用した多重情報処理基盤の確立

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 電子スピンが回転しながら空間伝搬するスピンの「波」を新たな情報担体に利用する学理構築と半導体産業の更なる発展に向けた次世代情報処理基盤を目指します。半導体の電子スピン波は長い寿命と優れた制御性を兼ね備え、光情報通信とも相性が良い特徴を有します。よって、半導体素子のスケーラビリティと融合させることで、既存技術の延長線上にない方法で、膨大な情報量を伝送・処理できる固体スピン波情報プラットフォームを構築します。
実用化イメージ

企業とこれまでに共同研究を実施し、特許11件・論文9件として纏めてきました。高感度センサや不揮発メモリ・半導体関連企業との共同研究と共に、将来的にはベンチャー企業を立ち上げたいと考えていますので、様々なステークホルダーの皆様と積極的な協働を進めていければと考えています。

研究者

大学院工学研究科

好田 誠  

Makoto Koda

半導体を活用した次世代情報処理基盤の創生

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概要

<研究内容>
半導体において、電子のスピンを高度に制御・活用し初めて可能になる新機能や素子応用に関する研究を進めています。特に外部磁場や磁性体を必要とせず、半導体だけを用いてスピンを自由に操る原理を生み出し(右図上段)、既存半導体産業と極めて整合性の良いスピン機能の確立を目指しています。さらに、電子スピンが回転しながら空間伝搬するスピンの「波」を新たな情報担体に利用した新概念演算や量子情報に資する基礎学理の構築を目指します。本研究では半導体における電子スピン波を情報担体に活用する研究を進めますが、最終的には光偏波・電子スピン波・マグノンを活用することで情報基盤全体で波動性を持った情報担体を操作できる基盤を構築していきたいと考えています。
<代表的な共同研究・競争的資金等の課題>
波動性情報担体を用いた固体多重情報基盤の創出(代表者:好田誠)JST戦略的創造研究推進事業,2022年12月-2027年3月.電子スピン波を用いた革新的情報処理・伝送の創生(代表者:好田誠)科研費基盤研究(A)2021年4月-2026年3月.

従来技術との比較

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

大学院工学研究科

好田 誠  

Makoto Koda

マグノンデバイスの開発と放射光を利用したスピン波観測技術の構築

概要

現在の電子デバイスは電子の移動を利用しているためジュール熱が発生し小型化・高速化が困難になるという課題があります。これを解決するためスピン波を利用するデバイスの研究開発を行っています。スピン波には、長距離伝搬が可能、絶縁体中でも伝搬が可能という利点があります。スピン波の観測のため、X線磁気円二色性によるスピン波の空間的分布を観測する技術を構築しています。

従来技術との比較

ジュール損失がない超低消費電力の次世代デバイスの実現を目指しています。高輝度の光源を有するナノテラスを用いることで、100 nm以下の高い分解能での観測が可能になることが期待できます。

特徴・独自性
  • スピン波(マグノン)伝搬を利用した、ジュール損失がゼロであるデバイスの研究を行っています。NanoTerasu の輝度が高い軟X 線を使うことで高分解能のスピン波観測の可能性があります。スピン波の波の性質を用いた高周波デバイスや新しい計算手法を展望します。
実用化イメージ

広く応用が期待されるスピンデバイスにおけるスピン波観測技術を提供することで実用化を支援するとともに、磁性絶縁体を利用したマグノンデバイスによる電子デバイスの超低消費電力化の実現を目指しています。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター

河野 竜平  

Ryuhei Kohno

光学情報検知装置及び顕微鏡システム

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概要

光学情報検知装置及び顕微鏡システム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T15-198.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 走査型レーザー顕微鏡は集光したレーザー光を試料上で走査し、試料からの反射・散乱光や蛍光を計測することで、試料の微細構造や蛍光プローブの局在を可視化します。従来の走査型レーザー顕微鏡は、顕微鏡の光軸に直交する面(観察面)の2D 画像の高速取得が可能な一方で、三次元観察のためには観察面を光軸方向に機械的に移動しながら逐次画像取得を行う必要があり、リアルタイムでの三次元画像の取得が困難でした。
  • 本発明では、検出信号に対する波面制御を原理として、観察試料の光軸方向に沿った空間情報を受光面での空間的な位置情報として検知することを可能にしました。本発明によって、光学系や検知対象物を光軸方向への移動無しに、レーザー集光スポットの二次元走査のみで対象の深さ情報を一挙に取得する、高速な、リアルタイム三次元イメージングを可能にします。
実用化イメージ

以下のような産業における社会実装が想定されます。
・三次元画像の高速取得が求められる分野
・生命機能解析等の生物分野・生体分野や医療分野
・微細な機能性素材の開発が進められている金属、化学等の産業分野

研究者

多元物質科学研究所

小澤 祐市  

Yuichi Kozawa

口腔内設置型生体モニター・治療装置

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 高齢者や闘病生活時の全身状態を健康管理センターで集中的にモニタリングし、必要に応じて遠隔操作によって薬剤投与などの治療行為を行う健康支援システムを提供します。本システムは、口腔内設置の床義歯またはマウスピースに各種生体センサーや体姿勢や運動を検出する活動センサー、データを無線方式で管理センターに送受信する通信機、管理センターからの指令に基づいて作動する薬剤投与機構などから構成されます。
実用化イメージ

義歯等に組み込むために違和感なく導入でき、入院中の患者の健康管理から一人暮らしの高齢者の健康支援までを支援する機器です。これからの高齢社会に必須の機器となります。

研究者

大学院歯学研究科

小関 健由  

Takeyoshi Koseki

生物活性の探索をアウトソーシングしませんか - ウイルス・腫瘍・細菌を中心に -

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概要

感染症予防には感染対策、ワクチンもありますが、それらをすり抜けて感染してしまうこともあります。また時間とともに免疫低下も起こりえます。その治療薬を開発しています。

従来技術との比較

主たるウイルス感染症をカバーしています。感染性微生物と用いてスクリーニングします。P3施設が利用できます。

特徴・独自性
  • 当研究室では様々な生物活性探索アッセイ方法を確立しています。その成果として日本たばこ産業と共同開発した抗HIV 剤、「エルビテグラビル」が臨床応用されています。他にも、新規の作用機序を有する逆転写酵素阻害剤(EFdA)や抗ガン剤(S-FMAU)を開発してきました。具体的には、1)抗ウイルス剤や抗菌剤などの活性評価、2)抗腫瘍活性の測定、3)新たなスクリーニング法の確立などを行います。
実用化イメージ

新たなターゲットに対するhigh through-put screening 確立の受託も可能ですので個別にご相談ください。P3実験施設を必要とする共同開発や他の微生物を含めた学術指導にも応じます。

研究者

災害科学国際研究所

児玉 栄一  

Eiichi Kodama

新型コロナウイルス治療薬・消毒薬の評価

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概要

感染性新型コロナウイルスを用いて消毒薬や治療薬の開発をします。

従来技術との比較

P3施設において、いろいろな新型コロナウイルス株を試すことが可能です。タンパク構造解析が可能です。

特徴・独自性
  • 感染性を有する新型コロナウイルスを使用し、新型コロナウイルスに対する新規治療薬候補の評価や開発、併せて消毒剤の評価なども行っております。さらに、作用機序や耐性機序に踏み込むことも可能です。ほかにも、インフルエンザウイルスから薬剤耐性菌までの同時評価が必要な場合はご相談ください。これまでに、国内外製薬企業、関連企業との共同研究で、臨床薬の基礎開発から臨床応用までの経験があります。
実用化イメージ

阻害剤や消毒剤などの開発・評価において、目的の微生物だけでなく、同一施設で、条件をそろえて幅広く対応でき、効果の比較が容易です。野生型だけでなく、変異型にも対応可能です。

研究者

災害科学国際研究所

児玉 栄一  

Eiichi Kodama

リンパ節内薬剤投与における溶媒粘度特性の明確化とその免疫応答への影響

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概要

転移リンパ節に対する全身化学療法の奏効率は低い。本発明はリンパ節に直接薬剤を投与する方法(リンパ行性薬物送達法)における溶媒特性、特に粘度の最適値を提示するものである。2024年、岩手医科大学附属病院 頭頸部腫瘍センターにおいて リンパ節転移に対する特定臨床研究(jRCTs021230040) が開始された。

従来技術との比較

転移リンパ節に対する全身化学療法では、転移リンパ節に対する薬物送達量が少ない。リンパ節内の腫瘍増殖にともなう内圧増加や腫瘍巣の形成にともなう微小血管の消失によるものである。本発明ではリンパ節に薬剤を直接投与するリンパ行性薬物送達法での溶媒の最適な粘度域を明らかにした。

特徴・独自性
  • リンパ節内薬剤投与法により、リンパ節転移治療に必要な抗がん剤の量は全身投与の1/1000 ~ 1/100と極めて少量で済みます。そのため、副作用はほぼ無視できるレベルです。また、抗がん剤をリンパ節内に直接投与することで抗腫瘍免疫が活性化することが確認されており、この効果は投与薬剤の溶媒粘度に依存します。溶媒粘度の調整により、薬剤の滞留時間や拡散特性が向上し、免疫チェックポイント阻害剤との併用による相乗効果が期待されます。さらに、超音波画像ガイド下での精確なリンパ節内投与が可能であり、溶媒粘度に関する技術は国際特許を取得済みです。
実用化イメージ

本技術は、以下のような適応に向けた実用化が期待されます。
1 .頭頸部がん・乳がんの所属リンパ節治療および予防的治療
 ・早期段階でのリンパ節転移制御・外科手術の補助療法
2 .高齢者や基礎疾患を持つ患者に対する低侵襲治療・体力的負担を抑えた安全な治療選択肢
 ・既存治療との併用による治療成績向上
3 .免疫チェックポイント阻害剤との併用による抗腫瘍免疫の強化
 ・免疫応答の増強による治療効果向上
 ・低用量での有効性確保による副作用リスクの軽減
4 .ドラッグリポジショニングおよびジェネリック医薬品の開発
 ・既存薬の新たな適応開発によるコスト削減
 ・新たな治療オプションの提供
5 .新規リンパ行性薬剤投与システムの開発
 ・効率的な薬剤送達技術の確立
 ・患者負担を軽減する革新的デバイスの設計
 
本技術は、薬剤の溶媒粘度を調整することで、がん治療における新たな選択肢を提供し、より効果的かつ低侵襲な治療法の確立に貢献します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

膠原病の遺伝的素因を有するリコン ビナント近交系マウスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • MRL/lpr マウスとC3H/lpr マウスを祖先に開発された8系統のリコンビナント近交系(RI) マウス群を提供します。これらは膠原病の遺伝的素因を多様に有する、世界唯一の疾患モデル群です。RI マウスは、MRL/lpr マウス由来の自己免疫疾患(腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎、自己抗体産生)に関連する疾患感受性遺伝子を持ちますが、通常は重篤な膠原病を発症せず、長期生存が可能です。しかし、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬、抗がん剤の投与、または感染などの環境因子によって、新たな致死的あるいは重篤な病変が発症することが確認されています。さらに、全てのRI マウスはエクソーム解析が可能であり、膠原病の病因解明、新規標的分子の同定、新薬の非臨床試験に有用な疾患モデルとなります。
実用化イメージ

この疾患モデルを活用することで、以下の応用が期待されます。
1 .膠原病の病因解明と新規標的分子の同定
 ・遺伝的・免疫的要因の詳細解析
 ・診断・治療法開発のための鍵分子発見
2.新規薬剤の副作用評価
 ・環境因子や治療薬による副作用の解析
 ・薬剤の有効性・安全性評価
3 .免疫関連薬剤の有害事象の診断・治療・予防法開発
・免疫チェックポイント阻害剤による副作用の早期発見・予防
・有害事象の管理方法開発
4 .ドラッグリポジショニング及びジェ
ネリック薬の開発
・既存薬の新適応症探索
・コスト削減を実現するジェネリック薬開発

本疾患モデル群は、膠原病研究から新規治療法開発、薬剤の安全性評価に至るまで、幅広い分野で応用可能です。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

重度の自己免疫性関節炎、血管炎、唾液腺炎を自然発症する疾患 モデルマウス、McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスは、MRL/lprマウスとC3H/lpr マウスを基に樹立されたリコンビナントコンジェニックマウスであり、自己免疫疾患研究における重要な疾患モデルです。本マウスは、関節リウマチに類似した関節炎、シェーグレン症候群に特徴的な唾液腺炎、結節性多発動脈炎にみられる血管炎に似た病変を自然発症します。MRL/lpr マウスと異なり、リンパ節腫脹や重篤な腎炎を発症せず、繁殖が容易で、長期の薬剤投与実験や病態評価が可能です。
実用化イメージ

本モデルを活用することで、以下の実用化が期待されます。
1.膠原病の病因解明
 ・ 関節リウマチ、シェーグレン症候群、結節性多発動脈炎の遺伝的
 ・免疫学的要因の解析
 ・診断・治療法の開発に向けた標的分子の同定
2.新規薬剤の副作用評価
 ・膠原病治療薬の副作用を事前に評価
 ・新規治療薬の有効性と安全性を高精度に検証
3.免疫関連薬剤の有害事象研究
 ・免疫チェックポイント阻害剤の副作用の早期発見および予防法の確立
 ・免疫関連副作用の管理法と治療法の開発
4.ドラッグリポジショニングおよびジェネリック薬開発
 ・既存薬の新たな適応症を探索し、治療選択肢を拡大
 ・低コストのジェネリック薬の開発

本モデルは、膠原病研究、新薬開発、免疫関連薬剤の副作用研究に貢献し、治療法の革新を促進します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama