育児期の保護者のデジタル技術やAI利用の経験と育児の助けになる使い方の条件の解明
- 概要
スマートフォンやSNS、育児アプリ、生成AIは、子育て中の親にとって身近な相談相手になっています。本研究は、乳幼児を育てる親がデジタル機器をどのように使い、育児への自信や心の健康にどう影響するかを、実際の親を対象とした調査で明らかにするものです。これまでの調査から、デジタル技術が家族や専門職などの「人の助け」を補う形で使われると親を支え、人の助けの代わりになると親の自信を損なうことが分かってきました。この知見を土台に、AI時代の育児でのデジタル機器の適切な使用の条件と、支援のあり方を探ります。
- 従来技術との比較
子育てとデジタルをめぐる研究や議論の多くは、子どもの画面視聴時間など「子どもへの影響」を扱い、親自身の使い方は「使う、使わない」「良い、悪い」で語られがちでした。また、育児アプリやAIサービスの評価は、便利なツールを開発する観点で行われることが多く、利用者の親にとって真に便益があるのかという当事者視点を中心においた研究は少ない現状です。本研究は、親を主役に置き、デジタル技術を人とのつながりとの組み合わせの中で捉え、恩恵とリスクを同時に測る点が異なります。
- 特徴・独自性
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研究者は市町村の保健師として5年間親子を支援した経験を持ち、現場の実感と研究を結び付けています。約10年間一貫して親のデジタル利用を研究し、聞き取り調査、数百人規模のアンケート、自治体の協力による無作為抽出調査、影響を測る質問票の開発へと積み上げてきました。成果は国際誌を中心に発表し、育児向けの機器やAIに対する親の最大の懸念が「頼りすぎ(過度な依存)」であることも明らかにしています。保健師研修の講師、自治体との受託研究、保健師を支えるAIの開発にも携わり、成果を現場に届ける経路を持つことも強みです。
- 実用化イメージ
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目指すのは、親が生成AIを頼りすぎず、自分で判断する力を保ちながら使うための「生成AI育児相談ガイドライン」と、それに沿った育児相談AIや育児アプリの設計・評価の仕組みです。自治体の子育て支援では、保健師の相談とデジタルを組み合わせた支援設計に活用できます。育児アプリ、AI相談サービス、育児用品や見守り機器など子育て世代向けの事業を持つ企業とは、利用者データを用いた恩恵とリスクの検証、「頼りすぎない設計」の共同開発、開発した質問票によるサービス評価、実証の場の提供で連携を期待します。
- キーワード
研究者
大学院教育学研究科
総合教育科学専攻
教育情報アセスメント講座(教育情報デザイン論)
大西 竜太 その他
Ryuta Onishi,
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