日本における中国通俗文化の研究
更新:2025/07/01
- 特徴・独自性
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日本に於ける中国文化受容の研究を一つの柱として研究しています。日本では、『西遊記』や『水滸傳』『三国志演義』など多彩な中国小説が受容されています。特に中国通俗小説における日本語への翻訳の事例に注目し、異国の文化が日本人に理解され、日本人になじみやすい文化として消化されていったのかその動態を詳しく研究しております。また中国から伝来した文物が、日本では異なる受け入れられ方をした事例など様々な文化受容についても検討しております。
- 実用化イメージ
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中国文化と日本の関係や、例えば『西遊記』のように本来は玄奘三蔵の偉人伝として作られた作品が、江戸時代には波瀾万丈の異国物語として解釈されました。そして、明治時代以降になると孫悟空・猪八戒・沙悟浄というキャラクターに注目した娯楽作品へと改変が行われます。そして戦後に手塚治虫によって痛快無比な漫画化・アニメ化が行われ、日本ではサブカルチャーを語る上で重要な媒体となりました。その日本で育てられたサブカル的西遊記が、今後は本場の中国に逆輸入されております。この種のサブカル文化における日本の役割などで、産学連携の可能性が想定されます。
- キーワード
研究者
大学院国際文化研究科
勝山 稔 教授
博士(国際文化)(東北大学)/修士(史学)(中央大学)
Minoru Katsuyama, Professor