リンパ節転移リスクをリンパ節の内圧の変化から評価する
- 概要
リンパ節転移リスク評価方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T13-196.pdf- 従来技術との比較
がん細胞のリンパ節への転移の有無は、患者の生存率に大きく影響を与える。転移後の致死率が高いことから、早期にリンパ節転移リスクを評価できることが望ましい。しかし、従来の方法(超音波、CT、MRI、PETなど)では、最大短径10mm以下の微小転移巣を同定することは困難であり、早期にリンパ節転移リスクを評価することは困難であった。
- 特徴・独自性
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リンパ節転移は多くのがんで見られるものの、現行のCT、MRI、PET、超音波などでは10mm 以下の小さな転移リンパ節の検出が困難です。私たちは、ヒトと同等の大きさのリンパ節を持つリンパ節転移モデルマウスを独自開発し、これを用いた研究で、小さなリンパ節転移の早期段階においてリンパ節内圧が増大することを発見しました。臨床試験でも、転移リンパ節の内圧が正常リンパ節より高いことが確認され、これにより転移の早期発見が可能となります。
- 実用化イメージ
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本技術の応用により、以下の実用化が期待されます。
1 .転移リンパ節の検出を可能にする圧力計測機器の開発
・小さなリンパ節転移を高精度で検出
・非侵襲的かつ迅速な診断ツールの提供
2 .転移リンパ節の早期診断および治療効果の評価システムの開発
・早期転移を検出し、治療進行をリアルタイム評価
・治療効果を迅速に判断し、最適な治療を提供
3 .リンパ行性薬剤送達のための新しい薬剤注入機器の開発
・精密かつ効果的なリンパ節内注入を実現
・がん治療における薬剤送達効率の向上
4 .新規画像解析機器の性能評価および改良
・転移リンパ節を検出する新たな画像解析技術の開発
・画像診断の精度向上と早期診断の確立
本技術は、圧力計測技術とリンパ節内圧の変化に基づく評価法を活用し、がん診断・治療に新たなアプローチを提供します。これにより、がんの早期発見と最適な治療選択が可能となり、診断・治療の革新に貢献します。 - キーワード
研究者
大学院医工学研究科
小玉 哲也 教授
博士(工学)(東北大学)/博士(医学)(東北大学)
Tetsuya Kodama, Professor