糖尿病治療にむけた臓器間神経ネットワーク調節デバイスの開発
更新:2025/06/11
- 特徴・独自性
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糖尿病患者は種々の合併症を惹き起こし、失明や血液透析などの主要な原因となっているなど、社会的に大きな問題となっています。1型のみならず2型の糖尿病でも膵β細胞の数が減少していることが示され、膵β細胞を体内で再生させることができれば、有望な糖尿病治療となります。再生治療といえば、iPS などの未分化細胞を試験管内で増殖・分化させ移植する研究が行われることが多いですが、克服すべき問題も多いです。
我々は、膵β細胞を増加させる肝臓からの神経ネットワークを発見し、膵β細胞を選択的に増殖させることに成功(図)し、モデル動物での糖尿病治療に成功しました(Science 2008)。これらの神経ネットワークを人為的に制御することにより、患者体内で、あるべき場所において患者自身の細胞を増やして糖尿病の治療につなげるデバイスの開発を目指します。 - キーワード