気相化学種の同時定量技術・ソフトウェア
- 概要
フーリエ変換赤外線分光法(FT-IR)を用いて、様々な化学種が混在しているガスの成分を同時に定量する技術を開発しています。測定対象化学種の例)オゾンO3、過酸化水素H2O2、窒素酸化物(一酸化窒素/二酸化窒素/五酸化二窒素/亜酸化窒素)NOx、亜硝酸/硝酸HNOx、硫黄酸化物SOx、一酸化炭素/二酸化炭素COx等FTIRを用いた現行の密度定量は、化学種ごとにピークを選択し、標準ガスを用いた校正曲線を作成し、密度定量を行っていました。しかし、この手法では下記のような問題を抱えています。
○校正曲線作成のための人的・設備コストが大きい
○測定条件が変わる度に校正曲線を作り直す必要がある(人的コスト増)
○標準ガスが入手困難な場合、定量出来ない
○スペクトル形状に隠された重要情報を廃棄
本技術は、上記の問題を全て解決し、標準ガスによる校正作業を行うことなく、20種を超える化学種の同時定量を可能にします。- 従来技術との比較
標準ガスを用いた校正曲線からの密度定量は、標準ガスとして入手できない化学種に対応できない等の問題を抱えていました。
本技術は、 標準ガスの校正をせずに、20種を超える化学種の同時定量を可能にします。- 特徴・独自性
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手軽に1クリックで同時密度定量可能なソフトウェア
化学種の吸収断面積データベースを使用
様々な装置関数や測定条件に対応可能 - 実用化イメージ
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気相化学種を密度定量したいという様々なニーズに対して、直接貢献できる。
- キーワード
研究者
大学院工学研究科
佐々木 渉太 助教
博士(工学)(東北大学)/修士(工学)(東北大学)
Shota Sasaki, Assistant Professor
大気圧プラズマの生成・計測と医療・農業・環境応用を研究しています。
また,気相/液相の化学分析や化学反応計算,ソフトウェアの開発を得意としています.
・空気を原料とした気相化学種(N2O5, NO3)のその場制御合成技術
・気相化学種(オゾンや温室効果ガス等)の同時定量分析技術
・大気圧プラズマのバイオ応用(殺菌・殺ウイルス・遺伝子導入など)