マイクロ水滴を用いたタンパク質線維の核形成の解析と定量分析技術の開発


更新:2025/12/04
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概要

ライフサイエンスにおいては、微量の生体試料中の物質定量や反応素過程解析の技術が求められています。特にタンパク質の凝集体は疾患に関連することが知られており、その形成メカニズムの理解が望まれています。これに対して当研究室では、マイクロ水滴を用いてタンパク質試料をピコリットルスケールで微小区画化する技術を確立しました。マイクロ水滴の中で起こる核生成(タンパク質凝集体の初期過程)を定量的に解析する技術を開発しました。

従来技術との比較

従来、凝集体形成は染色試薬を用いてマイクロリットルスケールで観察されていました。その結果、凝集体形成の成長と核生成を分離して議論することはできませんでした。本研究では、核生成の時間変化を観察することができるため、核生成過程と線維伸長過程とを切り分けて評価できます。

特徴・独自性

・微小実験を可能とするナノ・マイクロ化学デバイスの作製
・微量な試料でも複数条件での実験を可能にする、もしくは、均一条件で信頼性を高めることが可能な並列化実験技術
・マイクロ水滴内で対象物質を濃縮させ成長させることで、微量検出を可能にする定量分析技術
・タンパク質凝集体の定量分析技術

実用化イメージ

タンパク質の線維状凝集体は様々な疾患と関連していることが知られています。本技術によりタンパク質線維形成の検出と化学現象の理解が可能となり、診断・創薬への利用が期待できます。

キーワード

研究者

多元物質科学研究所

福山 真央 准教授 
修士(工学)(東京大学)/博士(工学)(東京大学)

Mao Fukuyama, Associate Professor