生体高分子が起こす反応・構造変化の可視化
更新:2024/06/04
- 概要
生命にとって重要な構成物質であるタンパク質は細胞情報伝達や生体内触媒反応など様々な役割を果たします。タンパク質立体構造はそうした機能と深く相関しており機能発現の際にどのような構造変化を起こすのか興味が持たれています。当研究室ではNanoTerasuの放射光やX線自由電子レーザー等の量子ビームを用いて、タンパク質の中で起こっている化学反応や構造変化を高い時間・空間分解能で可視化する技術を開発します。
- 従来技術との比較
従来の方法ではナノスケールのタンパク質がフェムト秒~ミリ秒といった高速で動く様子を原子レベルで捉えることは困難でした。
- 特徴・独自性
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- タンパク質の構造変化や反応を高い時間・空間分解能で可視化
- 動的構造解析を基に新たな分子設計が期待される
- 微結晶にX線自由電子レーザーを照射し、得られるX線回折像から蛋白質構造解析を行う手法である「シリアルフェムト秒結晶構造解析」により、フェムト秒X線レーザーにより放射線損傷が顕在化する前に回折像の取得が可能
- 実用化イメージ
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放射光やX線自由電子レーザー等の量子ビームを用いタンパク質の中で実際に起こっている化学反応や構造変化を高い時間・空間分解能で可視化する技術を開発し、得られた動的構造を基に新たな分子の設計を目指します。
- キーワード
研究者
多元物質科学研究所
有機・生命科学研究部門
量子ビーム構造生物化学研究分野
南後 恵理子 教授
修士(理学)(東京工業大学)/博士(理学)(東京工業大学)
Eriko Nango, Professor