多成分系におけるタンパク質物質拡散係数の導出法
更新:2025/06/25
- 特徴・独自性
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物質拡散係数の高精度測定は、諸々の熱物性値測定の中でも困難とされており、特にタンパク質においては分子数が大きいため拡散現象が非常に遅いことなど、多くの点から困難とされてきました。これに対し、当研究室では最新画像処理技術を用いることにより、少量のタンパク質試料で微小非定常拡散領域を測定する方法を開発しました。既存の光学系に位相シフト技術を組み込むことで、高精度化を実現し、拡散場内のわずかな濃度変化も検知できる測定系システムを構築しました。生体組織内に代表されるような極限環境下では複数の物質が同時に物質移動する多成分系拡散現象がおきています。本測定法では同時に複数の物質の拡散係数を測定できる特徴を有しており、この測定法を用いることで多成分物質拡散現象を定量的に評価できます。この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を強く希望しております。
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