膠原病の遺伝的素因を有するリコン ビナント近交系マウスの開発


更新:2025/06/12
前の画像
次の画像
特徴・独自性

MRL/lpr マウスとC3H/lpr マウスを祖先に開発された8系統のリコンビナント近交系(RI) マウス群を提供します。これらは膠原病の遺伝的素因を多様に有する、世界唯一の疾患モデル群です。RI マウスは、MRL/lpr マウス由来の自己免疫疾患(腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎、自己抗体産生)に関連する疾患感受性遺伝子を持ちますが、通常は重篤な膠原病を発症せず、長期生存が可能です。しかし、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬、抗がん剤の投与、または感染などの環境因子によって、新たな致死的あるいは重篤な病変が発症することが確認されています。さらに、全てのRI マウスはエクソーム解析が可能であり、膠原病の病因解明、新規標的分子の同定、新薬の非臨床試験に有用な疾患モデルとなります。

実用化イメージ

この疾患モデルを活用することで、以下の応用が期待されます。
1 .膠原病の病因解明と新規標的分子の同定
 ・遺伝的・免疫的要因の詳細解析
 ・診断・治療法開発のための鍵分子発見
2.新規薬剤の副作用評価
 ・環境因子や治療薬による副作用の解析
 ・薬剤の有効性・安全性評価
3 .免疫関連薬剤の有害事象の診断・治療・予防法開発
・免疫チェックポイント阻害剤による副作用の早期発見・予防
・有害事象の管理方法開発
4 .ドラッグリポジショニング及びジェ
ネリック薬の開発
・既存薬の新適応症探索
・コスト削減を実現するジェネリック薬開発

本疾患モデル群は、膠原病研究から新規治療法開発、薬剤の安全性評価に至るまで、幅広い分野で応用可能です。

キーワード

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也 教授 
博士(工学)(東北大学)/博士(医学)(東北大学)

Tetsuya Kodama, Professor