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LiDAR

困難な実環境下で機能するタフなサイバーフィジカルAI

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概要

身体性を持って実世界で稼働するタフ・サイバーフィジカルAIの重要性が急速に高まっています。特に、SDGs や災害対策など、重大な社会課題や産業課題の解決に資する科学技術に対するニーズが顕在化しています。サイバーフィジカルAI が困難な環境下で機能するための高度化、すなわち、システムの頑健性、柔軟性、適応性、それに基づく広い適用性を目指す研究開発を行っています。

従来技術との比較

災害救助や保守点検等は,作業者に危険が伴うこと、及び、作業精度の点で限界があった。そのような領域にAIやロボット技術を適用することで,これまで実現できなかった安全かつ高精度かつ迅速な作業が可能となる。

特徴・独自性
  • 実世界で自律的に稼働するタフ・サイバーフィジカルAI の研究を行っています。下記のような幅広い技術革新を推進しています。
  • ・困難環境を探査するクローラロボットや球殻ガードを装備したドローン
  • ・LiDAR やカメラを融合した高精細3D セマンティック地図構築
  • ・困難環境の認識やSLAM や動作生成を行う頑健な知能化ソフトウェア
  • ・後付けで運転ロボットを搭載して自動運転を実現するレトロフィット技術
  • ・イヌの能力を支援/ 拡張するサイバー救助犬
実用化イメージ

タフ・サイバーフィジカルAI を建設業、製造業、物流、ペット産業などに導入し、効率化と人手不足解消、防災・減災への寄与を目指します。

研究者

タフ・サイバーフィジカルAI研究センター

大野 和則  

Kazunori Ohno

ライフサイクルアセスメント

エコマテリアルプロセス

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特徴・独自性
  • 溶融鉄合金・スラグの熱力学的性質、反応速度論、複合酸化物の相平衡など、鉄鋼を中心とした金属製造プロセスに関する物理化学的基礎研究、金属スクラップや廃棄物リサイクルの熱力学、スラグを利用した炭酸ガス固定化等、環境関連の研究を行っている。最近では、従来行ってきた素材製造プロセス工学に基礎を置く研究手法に、計量経済学、LCA、物質フロー分析などを融合させ、他に類を見ない独特の環境研究を展開している。
実用化イメージ

高炉、電炉鉄鋼メーカーとは従来より強く連携して研究を進めてきたが、スラグ等製錬副生物の高度資源化のために、非鉄メーカー、廃棄物中間処理事業者、行政とも連携していきたい。

研究者

未来科学技術共同研究センター

長坂 徹也  

Tetsuya Nagasaka

ライフサイクル分析

サプライチェーンを通じた資源利用と関連するリスクの可視化

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • マテリアルフロー解析、産業連関モデルに基づくサプライチェーン解析により資源の流れを明らかにし、資源採掘・精錬・輸送に関わるサプライチェーンの各拠点、経路の各属性別リスクデータとの融合を行い、我が国の科学技術イノベーション政策、資源安全保障に寄与する知を生み出します。
実用化イメージ

これまでに共同研究・連携を行った経験があるのは鉄鋼産業、自動車産業です。省資源化技術導入による環境影響評価を行いたい行政機関や事業者との連携も積極的に行っていきたいと考えています。

研究者

大学院環境科学研究科

松八重 一代  

Kazuyo Matsubae

ラット

実験動物における脳波、心電図、自律神経信号などの生理学的計測

概要

実験動物を用いた基礎生理学の研究において、脳波、心電図、自律神経信号などを同時に計測することで、全身の動的連関を理解することに貢献する。これらの信号は、ヒトでも共通するものが多いため、有用な生理マーカーとしての指標の1つになると期待される。

従来技術との比較

これまでの生理計測では、脳のみ、心臓のみ、など単一の臓器を扱ったものであったが、本技術では、すべての信号を同時に計測できる点が強みである。

特徴・独自性
  • 中枢末梢連関を介した生体応答が、いつ、どこで、どのように生じるか、より直接的に解析し、定量的に評価することができます。他の分子生物学や生化学実験との融合が自由に行うことができます。3D プリンターなど工学的な利点も活かして、標的領域を自由に選択することができます。
実用化イメージ

生理信号は、動物とヒトでも共通するものが多いため、臨床診断やこころの読み取りなどを目指した指標の選定、デバイス開発への貢献が期待されております。

研究者

大学院薬学研究科

佐々木 拓哉  

Takuya Sasaki

乱流

newデータ科学を用いた非定常航空流体解析

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概要

我々は、データ科学,非線形機械学習,複雑ネットワーク理論,情報理論,また数値流体力学シミュレーションを用いた非定常流体現象の解析を行っています。流体力学におけるチャレンジングな問題を幅広く研究対象とし、データ指向型なアプローチで小型航空機、旅客機、乗用車、また産業流体機械にユビキタスに現れる非定常流体現象のリアルタイムな理解・制御をサポートする学術・技術基盤構築を目指しています。

従来技術との比較

従来の数値流体および実験解析に非線形機械学習に基づくスパースセンシングやデータ縮約を融合し、少ないデータから高精度な流体場再構築やリアルタイム予測および制御を可能にします。これにより、従来の線形手法では困難であった大規模・複雑非線形流動現象の解析や制御が可能になります。

特徴・独自性
  • ・機械学習による乱流超解像解析を用いたセンサからのリアルタイムな時空間流動場再構築が可能
  • ・低次元多様体同定・圧縮により低コストな非定常流体現象の理解とモデリングが可能
  • ・複雑ネットワーク理論・情報理論による渦相互作用・因果関係解析を通した説明可能な機械学習手法の提案
  • ・数値・実験・理論データフュージョンを通したマルチフィデリティなデータ活用
実用化イメージ

我々の研究は、飛行機や車、風力発電機などの周囲を流れる空気や水(流体)の「動き」を、少ない情報から正確に予測・制御する技術の開発を目的としています。

これらの研究は、
・航空機の燃費改善や安全性向上
・自動車の空力性能向上による省エネ
・災害時の風の流れ予測による防災支援

をはじめとする様々な場面で社会に貢献することが可能です。

以下のようなご興味をお持ちの企業の方との共同研究による新たなイノベーションの創発を目指します。
・AI(人工知能)や機械学習を使って流れを予測・制御
・情報理論やネットワーク科学で流れの構造を把握
・従来の流体科学との融合で、より正確で再現性の高いモデルを構築

非線形機械学習と物理学を融合した新しい流体解析技術を通じて、産業や環境、社会の幅広い分野に役立つ革新的な技術開発に取り組んでいます。

研究者

大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻

深見 開  

Kai Fukami

乱流遷移

表面をデコボコにして流れをきれいに保つデバイス

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概要

 最適に設計されたデコボコ(SRE)を物体表面に加工することで空気や水による摩擦抵抗を低減する技術です。巡航状態の航空機のように、ほぼ一定速度の流れの中におかれた物体に適用が可能であり、流れと鋭⾓をなす翼や円柱、回転円盤や円錐などに応用できます。流れの安定性解析・CFD解析を用いた高精度な設計と、物体表面の微細加工技術(数百マイクロスケール)が必要となります。

従来技術との比較

すでに乱流状態になった境界層に対してはサメ肌加工やリブレット加工などが抵抗低減技術として知られてますが、本技術は乱流状態への遷移自体を抑制して層流に保つことができます。

特徴・独自性
  • 物体周りの流れ(境界層)が乱流になるのを抑制し、摩擦抵抗を低減する効果があります。
  • 物体表面に微細な凹凸を付加的に加工するだけなので、電力を消費せず、既存の装置の設計変更を必要としない制御デバイスです。
  • 想定される流れ場に合わせて最適に設計すれば、その環境下で空力性能が向上します。
実用化イメージ

民間航空機の主翼などに実装すれば、空気摩擦抵抗が低減し、低燃費化・CO2排出削減への貢献が期待できます。

研究者

流体科学研究所

廣田 真  

Makoto Hirota

リード

指定難病を治療する薬剤候補の探索

概要

電気生理学的手法と効率的かつ段階的なスクリーニング法を組み合わせたハイスループット電位依存性ナトリウムチャネル(Voltage-gated sodium channels, Nav)阻害剤スクリーニング法を確立した。本事業では化合物ライブラリーや生物材料を提供して頂き、神経障害性疼痛や各種心臓病等を治療するNav阻害剤を探索する。

従来技術との比較

Navの挙動観察用に開発されたハイスループット系はNav電流を直接、観測していないため、偽陽性反応が生じる欠点をもつ。本事業ではNav電流を直接、観測でき、Nav阻害作用の有無を正確に評価できる電気生理学的手法に対してハイスループット性を保持させた革新的な戦略を適用する。そのため、見い出された物質そのものが薬剤候補となると考えている。

特徴・独自性
  • 電気生理学的手法は0.01秒程度の超短時間で開閉し、1細胞あたり僅か10-9分の1アンペア(1 nA)程度の電位依存ナトリウムチャネル(Nav)透過電流を観測する戦略です。高い専門性を必要とする電気生理学的手法は阻害作用の有無を正確に評価でき、薬剤候補を探索する手段として独自性が高い手法です。本手法に、4段階で構成される効率的かつ段階的なスクリーニング法を組み合わせます。化合物ライブラリーをグループに分けて実施する第1段階、陽性グループ中の化合物を連続投与する第2段階では、複数のNav サブタイプを安定発現し、ハイスループット性に秀でたNeuro2A 細胞を用います。続いて、単一Nav サブタイプを発現させたHEK293T 細胞に単一化合物を投与する第3段階、電気生理学的に[静止―活性化―不活性化]状態にある各Navを抽出し、単一化合物によりいずれの状態が阻害されるかを調べる第4段階を経て完了します。この特徴的な最終段階は作用機序解明を実現する生理活性測定戦略と位置付けられます。
実用化イメージ

先天性筋無力症候群、非ジストロフィー性ミオトニー症候群、ドラべ症候群など患者数が少なく収益を得られにくい指定難病や心臓疾患の治療に貢献します。

研究者

大学院農学研究科

此木 敬一  

Keiichi Konoki

リアルタイム

生体用モーションキャプチャシステムの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 生体に関する様々な運動を非接触かつ非侵襲的に計測することが可能な生体用モーションキャプチャシステムの開発を行っています。口腔内など遮蔽された空間でも利用可能な磁気式システムでは、最新の磁気工学技術によるLC 共振型磁気マーカを利用し、外部からの磁場印加によるシステムのワイヤレス化を実現しました。さらに光学式システムでは小型軽量の赤外線反射マーカを利用し、250ヘルツにて50箇所までリアルタイムでの同期的計測が可能なシステムの開発に成功しています。
実用化イメージ

本システムでは生体に関する様々な動作解析が可能で、非接触かつ非侵襲的な動作解析を必要とする診断・医療機器などへの応用が可能です。条件に合わせてシステムを特化することもできるので、本システムを活用したい企業や団体との共同研究を希望します。

研究者

大学院歯学研究科

金髙 弘恭  

Hiroyasu Kanetaka

リアルタイム解析

計測融合シミュレーションによる複雑流れの解析に関する研究

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 流れ場のもつ膨大な流体情報を、リアルタイムで獲得するためのコンピュータと実験計測を融合した新しい流体解析手法である「計測融合シミュレーション」に関する研究を行っています。本手法は、流れ場の計測データと対応するシミュレーション結果の差を数値シミュレーションにフィードバックすることにより、実現象の流れを正確に再現できます。本手法は、医療分野での血流のリアルタイム可視化、自動車等の複雑形状物体周りの流れ解析、原子力配管系内流れのリアルタイムモニタリング等、複雑な流れ場を高精度かつ高効率に再現することが必要とされる問題に広く適用可能です。本研究に関して興味のある企業へ学術指導を行う用意があります。
実用化イメージ

研究者

高等研究機構学際科学フロンティア研究所

早瀬 敏幸  

Toshiyuki Hayase

リウマチ

X線位相イメージングによる高感度医用診断装置の開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 通常のX 線透視撮影は、生体軟組織などのX 線をあまり減衰させない構造に対して明瞭なコントラストを生成しません。X 線が物質を透過するとき、わずかに屈折により曲げられます。通常のX 線透視撮影では、X線は直進していると近似していますが、この屈折を検出・画像化することで、軟組織に対する感度が大幅に改善されます。このような撮影を、X 線透過格子を用いるX 線Talbot 干渉計あるいはX 線Talbot-Lau 干渉計により実現されています。
実用化イメージ

すでに、軟骨描出能を使ったリウマチ診断、および、乳がん診断(マンモグラフィ)への適用を目的とした医用機器開発を進めています。他の医用用途が開拓できれば、新たな産学連携が構築できると期待しています。

研究者

多元物質科学研究所

百生 敦  

Atsushi Momose

力学的異方性材料

形状制約のない力学的異方性材料の簡易な弾性定数計測手法の開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 本弾性定数計測手法は、任意の弾性定数を入力値に用いて共鳴振動解析を行い、振動実験から得られた共鳴振動数と各振動様式が解析結果と一致する入力弾性定数を逆解析的に求める手法です。材料種、材料形態および計測環境の制約を伴わない計測手法の構築を目指しており、金属材料・セラミックス材料・高分子材料・複合材料、顕微鏡サイズ材料・薄膜材料・異種接合材料および高温環境下なども研究対象としています。
実用化イメージ

本研究を発展させるためには、企業の課題と我々の課題との間のギャップを埋める必要があり、知識の相互補完なしでは目的を達成することができない研究開発テーマです。是非、抱えている課題や困難をお教えください。

研究者

大学院工学研究科

山本 剛  

Go Yamamoto

力学的親和性

低ヤング率を有する新規CoCr系生体用超弾性金属材料

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 一般的に使用されているステンレス鋼および従来のCoCr 合金などの生体用金属材料は、生体骨より10倍もの高いヤング率を示し、インプラントによる骨の萎縮現象が問題視されています。β -Ti 合金は比較的低いヤング率を示しますが、耐摩耗性が低いです。本新規CoCr 系合金は、低ヤング率と高耐摩耗性の両立を初めて実現しました。さらに、耐食性が優れ、17% 以上の超弾性歪みも示すことから、次世代生体材料として有望です。
実用化イメージ

生体骨と同程度の低いヤング率、高い耐食性と耐摩耗性および優れた超弾性特性の4拍子そろった本CoCr 系生体材料は、人工関節、ボーンプレート、脊髄固定器具やステントなどへの応用が期待されます。

研究者

大学院工学研究科

許 皛  

Xiao Xu

力学特性

ナノスケールの構造と組成不均一性を利用した鉄鋼材料の組織制御

概要

安全性を確保しつつ、自動車の燃費改善または構造物の小型化を実現するため、最も多く使われている鉄鋼材料の高強度化が求められる。これまで合金組成や熱処理プロセス条件を変えることで材料全体の平均的な組織制御が行われてきたが、ナノスケールの組織制御が未成熟である。本研究では、これまでの実験調査で困難であったナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査し、高強度鋼組織制御の指針構築に取り組んだ。

従来技術との比較

従来では鉄鋼材料の組織制御は経験的な条件に基づくことが多いが、本研究では熱力学・速度論・結晶学などの知識に基づき鉄鋼材料におけるナノスケールの組成・構造不均一性の挙動を解明した。

特徴・独自性
  • 様々な先端技術を組み合わせた多面的解析手法で実験調査を行い、ナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査した。
  • 実験結果をもとに、熱力学・速度論・結晶学などの観点で解析を行うことにより、その不均一性におよぼす諸因子の影響を解明した。
  • 実験解析に留まらず、熱力学データを活用してその挙動の再現、さらに予測ができるような理論計算も同時に実施した。
実用化イメージ

鉄鋼材料の高強度化に基づき、自動車をはじめとした輸送機器の軽量化または構造物の小型化が可能となり、素材製造や輸送分野のCO2削減の観点でカーボンニュートラルの実現への貢献が期待される。

研究者

金属材料研究所

張 咏杰  

Yongjie Zhang

陸域

地表面の状況を高精度に抽出できます

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概要

ドローン等を利用して得られる高さ情報を用いて、植生等の地表面の利用状況を容易に把握することができる地表面合成画像作成方法を提供する。

従来技術との比較

・合成画像は、RGBの3チャンネル画像として得られるため汎用性が高い。
・フリーの画像処理ソフトウェアの利用が可能

特徴・独自性
  • このシーズは、下記の特徴を持ちます。
  • ・RGB 画像と高さ情報を合成します。
  • ・簡便な手順で実行可能です。
  • ・一般的な深層学習のプログラムの使用が可能です。
実用化イメージ

下記のような社会実装が想定されます。
・植生(屋敷林や公園の樹木や植栽)の把握、維持管理
・災害調査(倒木など)
・建物や太陽光パネル等の人工物調査

研究者

大学院農学研究科

米澤 千夏  

Chinatsu Yonezawa

リグノセルロース

バイオものづくりによるグリーンクロステック研究

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概要

ソルガムは本州でも約4〜5m程度まで成長する世界生産量第4位のイネ科植物である。また、ソルガムは乾性と湿性のものがあり、湿性からは糖蜜が搾れる。そこで福島国際研究教育機構(F-REI)プロジェクトの一環として、福島浜通りの営農休止地においてソルガムを栽培し、搾り汁と搾り粕をそれぞれカスケード活用することでカーボンニュートラルなグリーンケミカル(トランスアコニット酸、ブタノール)を製造する。

従来技術との比較

再生航空燃料(SAF: Sustainable Aviation Fuels)の製造では、微生物によってCO2とH2からエタノールを生合成し、化学反応によってエチレンを合成した後、重合・水素付加してSAFを製造している。本技術では、ソルガム搾り粕などリグノセルロースを原料として、微生物変換プロセス(Consolidated Bioprocessing)によってバイオブタノールの増産化が可能になる。

特徴・独自性
  • 植物は光合成によってCO2を吸収・固定し、さまざまな形の炭化水素を蓄積します。このリグノセルロースを完全利用することができれば、カーボンニュートラルを実現することができます。リグノセルロースの分解・糖化は当研究グループがゲノム解読した嫌気性セルロソーム生産菌Clostridium cellulovoransを活用し、この菌にブタノール発酵Clostridium属細菌を組み合わせることで1つのタンク内でリグノセルロースからブタノールを取得することができます。
実用化イメージ

本微生物変換プロセス(CBP)が事業化できれば、得られたグリーンなブタノールからSAF 製造が可能になり、国内生産ができれば自動車・航空業界、物流産業やインバウンドを含む観光産業にも貢献できます。

研究者

グリーン未来創造機構

田丸 浩  

Yutaka Tamaru

リコンビナント近交系マウス

膠原病の遺伝的素因を有するリコン ビナント近交系マウスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • MRL/lpr マウスとC3H/lpr マウスを祖先に開発された8系統のリコンビナント近交系(RI) マウス群を提供します。これらは膠原病の遺伝的素因を多様に有する、世界唯一の疾患モデル群です。RI マウスは、MRL/lpr マウス由来の自己免疫疾患(腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎、自己抗体産生)に関連する疾患感受性遺伝子を持ちますが、通常は重篤な膠原病を発症せず、長期生存が可能です。しかし、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬、抗がん剤の投与、または感染などの環境因子によって、新たな致死的あるいは重篤な病変が発症することが確認されています。さらに、全てのRI マウスはエクソーム解析が可能であり、膠原病の病因解明、新規標的分子の同定、新薬の非臨床試験に有用な疾患モデルとなります。
実用化イメージ

この疾患モデルを活用することで、以下の応用が期待されます。
1 .膠原病の病因解明と新規標的分子の同定
 ・遺伝的・免疫的要因の詳細解析
 ・診断・治療法開発のための鍵分子発見
2.新規薬剤の副作用評価
 ・環境因子や治療薬による副作用の解析
 ・薬剤の有効性・安全性評価
3 .免疫関連薬剤の有害事象の診断・治療・予防法開発
・免疫チェックポイント阻害剤による副作用の早期発見・予防
・有害事象の管理方法開発
4 .ドラッグリポジショニング及びジェ
ネリック薬の開発
・既存薬の新適応症探索
・コスト削減を実現するジェネリック薬開発

本疾患モデル群は、膠原病研究から新規治療法開発、薬剤の安全性評価に至るまで、幅広い分野で応用可能です。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

リサイクル

麹菌を用いた生分解性プラスチック の分解リサイクル

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • カビの一種で醸造・醗酵に用いられる麹菌Aspergillusoryzaeの固体表面への生育能と、大規模な麹菌工業培養設備(100万トン/年)に着目し、麹菌による生分解性プラスチック(生プラ)の高速・高効率分解と、原料モノマー回収が可能なリサイクル技術の開発を行っています。我々は、麹菌が生プラ固体表面に生育する際に界面活性蛋白質群を大量分泌し、界面蛋白質群が固体表面に吸着した後に生プラ分解酵素を特異的に吸着し固体表面に分解酵素を濃縮することで分解を促進する新規分解促進機構を見出しました。また麹菌の産生する界面活性蛋白質は、免疫応答しないことから、医療用ナノ粒子の被覆材として利用可能です。
実用化イメージ

大型発酵設備に適用した工業技術の開発、および界面活性蛋白質群・酵素等の化成品(医療用ナノ粒子素材等)への応用開発を展開しています。

研究者

大学院農学研究科

阿部 敬悦  

Keietsu Abe

難処理性高分子廃棄物の化学リサイクル

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • プラスチックやバイオマスの付加価値の高い化学物質への転換を目的に、熱分解および湿式プロセスで種々の高分子廃棄物リサイクルの研究をしています。例えば、PETの脱カルボキシル化により、高収率でベンゼンを得ることに成功しました。また、難熱性プラスチックやPVCの脱ハロゲン化プロセスを開発し、炭化水素だけでなくあらゆる元素の化学原料化を検討しています。プラスチックとバイオマス等との共熱分解プロセスや、湿式脱ハロゲンプロセスにより、基礎化学原料への転換効率を向上させ、またハロゲンの循環プロセスについて研究をしています。また、これらの技術を用いて、金属・プラスチック複合物から金属とプラスチックを効果的にリサイクルする化学プロセスを構築しています。
実用化イメージ

廃棄物のリサイクルプロセスの開発に付随して起こる諸問題を解決するための方法を提供することができます。

研究者

大学院環境科学研究科

吉岡 敏明  

Toshiaki Yoshioka

溶融塩を用いた高温素材プロセッシング

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特徴・独自性
  • 室温で固体のイオン結晶を加熱し、高温で溶融した液体を「溶融塩」と呼ぶ。金属アルミニウムは溶融塩中での電気分解で製造されており、産業界では大量に使用されている。その溶融塩を反応媒体として利用し、レアアース、チタン、シリコン、リチウム等、化学的に活性なレアメタルの製錬、リサイクル、表面改質法を研究している。日本でも実施可能な高付加価値製品の製造技術として、溶融塩技術を変貌させることを目指す。
実用化イメージ

業界としては、非鉄金属製錬、リサイクル、表面処理に従事する業界。用途としては、活性金属(合金)製造、廃棄物処理、耐酸化性コーティング等。

研究者

大学院工学研究科

竹田 修  

Osamu Takeda