- 特徴・独自性
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- 我々の日常生活や社会の中で蓄積されたデータを活用することで、生活・社会・サービス産業等における実際の問題解決による新しい社会的価値の創出を志向しています。主にベイズモデルを利用した統計的モデリングによって、各々の事例に適した問題解決の実践を行っています。同様に、機械学習やデータマイニングの手法を主とした、汎用的なデータ活用システムの開発も行っています。その過程を通して、ビッグデータ分析手法やセンサ信号処理法の高度化も目指しています。
- 実用化イメージ
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データ分析手法の高度化やデータ活用の実践に関して共同研究や学術指導の枠組みで知見・ノウハウの提供ができます。社会やサービス産業の問題に限らず、医学・工学・情報科学分野の問題解決に関する共同研究や、データ活用を基盤とした製造業のサービス化に関する共同研究も行っています。
研究者
大学院経済学研究科
石垣 司
Tsukasa Ishigaki
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- 特徴・独自性
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- 従来の液相における材料合成では、溶媒に溶解する原料を大前提としているために、材料選択性が限られるだけでなく、洗浄・廃棄物など様々な問題があります。原料が溶媒に溶解しない物質であれば、原料選択性の広がりによりプロセッシングの枠が格段に広がります。例えば、金属原子と酸素原子で構成された安価な酸化物が原料に利用できれば、環境負荷とコストの低減できる可能性があります。従来にない新しいプロセッシングにより、新しい材料を作成してきました。
- 実用化イメージ
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ナノ粒子関連材料の低コスト・高環境性・高スループット材料プロセッシングの開発で、これまでに多くの産学官連携(JST、 NEDO)を推進してきました。
研究者
大学院工学研究科
林 大和
Yamato Hayashi
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- 特徴・独自性
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- 相変化材料を用いた不揮発性相変化メモリ(PCRAM) が注目されている。現在、Ge-Sb-Te 系材料がPCRAMに使われているが、融点が高いためデータ書込み消費電力が高く、結晶化温度が低いため耐熱性に劣るという問題がある。我々は、融点が低く、かつ耐熱性に優れるGe-Cu-Te 系等の新規相変化材料の開発を行っており( 図1、2 )、材料の相変化機構や消費電力、データ書換え速度等の性能を検証している。
- 実用化イメージ
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新規相変化材料は不揮発性メモリへの適用が想定されますが、この技術を活用したい、また興味がある企業や団体との共同研究を希望しております。
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 注射やカテーテルを用いた経皮的針穿刺は、患者体内の疾患を低侵襲的に診断・治療する方法として現場で行われている。一方、穿刺対象である臓器や腫瘍は体内で完全に固定されておらず、針の動きと共に移動する(穿刺抵抗が高い)ため正確に穿刺することが困難であった。本発明は、穿刺抵抗が高い臓器や主要に対して小さな穿刺力で穿刺できる装置として、複数の溝を設けた針に微細な2軸の振動を付与する穿刺装置を提供する。
- 効果
- ・穿刺する際に振動を印加することで穿刺抵抗を低減できる
- ・瞬発穿刺によって体内で動いてしまう臓器の変異や回転を減らせる。
- 実用化イメージ
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・内視鏡用穿刺装置 ・内視鏡用穿刺装置 ・ロボット支援手術用穿刺装置
研究者
大学院工学研究科
菊地 謙次
Kenji Kikuchi
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- 特徴・独自性
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- 一般的に使用されているステンレス鋼および従来のCoCr合金などの生体用金属材料は、生体骨より10倍もの高いヤング率を示し、インプラントによる骨の萎縮現象が問題視されている。β-Ti合金は比較的に低いヤング率を示すが、耐摩耗性が低い。本新規CoCr系合金は、低ヤング率と高耐摩耗性の両立を初めて実現した。さらに、耐食性が優れ、17%以上の超弾性歪みも示すことから、次世代生体材料として有望である。
- 実用化イメージ
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生体骨と同程度の低いヤング率、高い耐食性と耐摩耗性および優れた超弾性特性の 4 拍子そろった本 CoCr 系生体材料は、人工関節、ボーンプレート、脊髄固定器具やステントなどへの応用が期待される。
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- 特徴・独自性
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- 光波と電波の融合域:テラヘルツ波帯での室温動作が可能な集積型電子デバイスおよび回路システムの創出に関する以下の研究開発を行っています。
- 1. 半導体二次元プラズモン共鳴を利用した集積型テラヘルツ機能デバイス・回路の開発
- 2. 新原理グラフェン・テラヘルツレーザートランジスタの開発
- 3. グラフェンプラズモンを利用した室温テラヘルツ増幅・検出素子とそれらのBeyond 5G高速テラヘルツ無線通信応用
- 実用化イメージ
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これら世界最先端の超ブロードバンドデバイス・回路技術は、次世代 6G, 7G 超高速無線通信や安心・安全のための新たなイメージング・分光計測システムのキーデバイスとして期待されています。
研究者
電気通信研究所
尾辻 泰一
Taiichi Otsuji
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- 概要
本研究は次世代通信や自動運転等で使われているテラヘルツ波の特性を利用して廃プラスチックの材質を識別することによって、既存のプラスチックリサイクル技術を改善するだけではなく、再生プラスチックの品質評価にも適用でき、高品質の再生プラスチックの安定的な生産が期待できる。容器包装や自動車リサイクルなどにおける多様な課題解決のための装置開発(小型・大型)が容易であり、脱炭素と循環経済社会の実現に貢献できる。
- 従来技術との比較
従来の廃プラスチック識別・選別技術は、比重選別や近赤外線を用いた装置が多い。特に近赤外線の選別技術は膨大なデータが蓄積されており、廃プラスチックリサイクル工場の主な選別技術である。しかし、近赤外線選別装置は黒色プラの識別が容易ではなく、添加剤の有無や劣化の度合いを判断することが難しい。本技術はテラヘルツ波の透過率と吸収率の特性を計測・評価するため、黒色プラ、添加剤有無、劣化程度の判別ができる。
- 特徴・独自性
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- 近年、脱炭素をはじめ、漂着ごみやマイクロプラスチックのような海洋汚染問題、プラスチック廃棄物資源の海外輸出問題、レジ袋やストローなどの使い捨て容器の増加、コロナ禍の影響による容器包装廃棄物の急増など、世界各国で廃プラ問題に注目している。特に、持続可能な開発目標 (SDGs: Sustainable Development Goals) の達成や循環経済(Circular Economy)の実現が求められている中、廃プラスチック材質の高度な識別と再資源化のニーズが高まっている。
- 東北大学・芝浦工大・静岡大学の研究グループは「プラスチック製容器包装廃棄物の高度選別装置の事業化」に関する研究を行ってきたが、テラヘルツ波の特性を利用して既存の識別装置では識別が難しかった、黒色プラ、添加剤や難燃剤などが含まれている混合プラを識別することができた。また、紫外線や長期使用による劣化の度合いを把握できることも確認している。さらに、今後、需要が急増することが予想される、容器包装、自動車、家電系の廃プラだけではなく、バイオプラスチックを見分ける手法としても有効であることがわかった。
- これらの識別技術は、2022年に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」によって発生する廃プラを適切に選別することに応用することができ、廃プラスチック資源の再資源化による高品質の再生資源の確保に大きく貢献できる。
- 本研究グループは、分野横断研究を行っており、社会工学・資源循環(劉庭秀教授)、光工学(芝浦工大 田邊匡生教授・静岡大学 佐々木哲生教授)、情報科学・ビッグデータ分析(大窪和明准教授)、データ収集及び分析・国際協力(眞子岳特任講師)、社会実験・行動経済学(劉 暁玥助教)などを専門とする研究者が、国内外における社会・経済・環境問題のニーズを吸い上げて、それぞれの課題解決と持続可能な社会形成に向けて幅広い視点で取り組んでいる。国内外の民間企業だけではなく、行政及び研究機関、市民団体などとのコラボーレーションとネットワークづくりも期待している。
- 実用化イメージ
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国内外における容器包装リサイクル、自動車リサイクル、家電及び家電リサイクルなどのプロセスから発生する廃プラスチックの識別・選別装置開発、再生プラスチックの生産及び品質評価などに応用できる。
研究者
大学院国際文化研究科
劉 庭秀
Jeongsoo Yu
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- 特徴・独自性
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- 物質の中ではいろいろな種類の電子が様々に運動しており、それが物質の性質を決めている。当研究室は、高速電子線を励起源とするコンプトン散乱を用いて物質内電子のエネルギーと運動量を測定する新しい分光計測法を開発し、反応性や機能性など物質が持つ多様な性質の起源の解明を目指している。
- 主な研究内容:
- (1) 分子座標系電子運動量分光の開発による分子軌道の運動量空間イメージング
- (2) 多次元同時計測分光の開発による電子・分子衝突の立体ダイナミクスの研究
- (3) 時間分解電子運動量分光の開発による過渡的な物質内電子運動の変化の可視化
- この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。また、本研究に関して興味のある企業へ学術指導を行う用意がある。
- 実用化イメージ
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研究者
多元物質科学研究所
髙橋 正彦
Masahiko Takahashi
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- 概要
次世代輸送システム・エネルギープラントの合理的管理・高信頼化のため,構造材料の劣化・損傷に対するセンシング,およびモニタリング技術に関する研究を行っています.特に高い信頼性が求められる金属材料、複合材料の電磁非破壊試験による材質評価法と劣化診断法を開発しています.CFRPの炭素繊維の密度・配向評価、金属材料(磁性材料)の残留応力評価、などを定量的かつ高精度に評価することを目指し研究を行っています.
- 従来技術との比較
モデリング、数値シミュレーションと非破壊試験を融合させることにより、材料の電磁特性を定量的に評価し、材料の劣化と損傷を推定する
- 特徴・独自性
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- 電磁特性に着目した材質と材料劣化・損傷の評価など。
- 実用化イメージ
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現在、鉄鋼材料の欠陥検出やCFRPの材質評価に関する共同研究を実施中。再使用ロケットエンジンの検査法としても検討が進められている。
研究者
流体科学研究所
内一 哲哉
Tetsuya Uchimoto
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- 特徴・独自性
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- 半導体デバイスからなる電子製品は、半導体自体はもとより、半導体に接続する金属配線があって製品として動作する。金属配線に求められる課題は、半導体材料との良好な電気的コンタクト、相互拡散の防止、良好な密着性、および配線材料の低電気抵抗、耐腐食性、プロセス耐性などがある。本研究室では、種々のデバイスのニーズにあった配線材料の開発ならびにコストパフォーマンスを追求したプロセス技術を開発することによって、高性能かつ高信頼性の先端デバイス開発に貢献している。
- 実用化イメージ
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Si半導体多層配線において拡散バリア層を自己形成するCu合金配線、IGZO 酸化物半導体に対して熱反応によるキャリアドーピングを行えるCu 合金配線、SiC パワー半導体に対して優れた熱・機械的信頼性と良好なコンタクト特性を示すNb 合金配線、タッチパネル用途などのITO透明導電膜に対するCu 合金配線、太陽電池におけるCu ペースト配線、などがある。
研究者
未来科学技術共同研究センター
小池 淳一
Junichi Koike
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- 特徴・独自性
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- 大量生産を中心とする金属製品の「もの作り」は海外へ流出し、日本が生き残ってゆくためには高付加価値の多品種少量生産やカスタムメイド生産に移行する必要があります。電子ビーム積層造形法は三次元CADデータに基づく電子ビーム走査により、金属粉末を選択的に溶融・凝固させた層を繰り返し積層させて三次元構造体を製作する新たなネットシェイプ加工技術です。金型レスのAdditivemanufacturing 技術として有望です。
- 実用化イメージ
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人工関節などの医療用機器のカスタム製造技術として。難加工性合金(チタン合金、マグネシウム合金など)からなる航空機・自動車部品などの製造に最適です。鋳造技術では不可能な素形材製造技術として期待されます。
研究者
未来科学技術共同研究センター
千葉 晶彦
Akihiko Chiba
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- 特徴・独自性
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- 局所的に逐次動作をするその特性から高速・低消費電力・高環境適応・低ノイズなど様々なメリットがある、従来のクロックを使用しない非同期式制御によるVLSIシステムを提案しています。要求応答に基づくハンドシェーク通信のオーバヘッドを、多値符号化により配線数削減および通信プロトコルの根本的改善を行い、さらに電流信号表現による高駆動転送によるチップ内・チップ間ネットワークの高速化を実現しています。
- 実用化イメージ
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本成果は、高速・低電力な大規模VLSI システムの実現において有用であり、これに関連するメニーコア、マルチモジュールNoC 分野において有意義な共同研究ができるものと考える。
研究者
電気通信研究所
羽生 貴弘
Takahiro Hanyu
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