登録されている研究テーマ 416件

多層膜光学素子の開発とテイラーメイドX線光学素子の開拓

概要

X線は進行方向を変える(レンズを作る)ことが難しく、ミラーで反射させることで集光させます。このとき、一層の厚さが数nmの極薄多層膜を曲面に沿って精密に膜厚制御されたミラーを用いると、直入射で高反射率が得られます。この原理を用いることで、実験室の光源でも明るく解像度の高い軟X線顕微鏡が実現できます。

従来技術との比較

軟X線の反射波長は多層膜の層厚と入射角に依存します。結像ミラーでは曲面に沿って入射角が変わるため、精密な層厚制御なしでは反射する軟X線の波長が変わり、明るい顕微鏡が実現できません。

特徴・独自性
  • 速度可変シャッター機構を使ったイオンビームスパッタリング成膜による精密膜厚分布制御成膜法
  • 4枚の直入射ミラーで反射波長を一致させた実験室光源を用いた軟X線顕微鏡
  • 精密膜厚分布制御成膜法により、基板面内で反射波長が連続的に変化する硬X線ポリクロメーターの実現(放射光施設内の白色ビームラインでの応用)
実用化イメージ

収差が小さく明るい軟X線顕微鏡を実現できます。生物細胞の内部構造の観察や軟X線露光装置に用いるマスクの検査等の用途への適用が期待されます。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター

羽多野 忠  

Tadashi Hatano

バイオマスエネルギー

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 生ごみや糞尿のメタン発酵によるバイオマスエネルギー生産は一般的になりつつありますが、農作物生産過程で出る茎葉などの非食用部分や難分解な食品系ごみからメタンガスと回収する技術として、牛の胃液を活用したルーメン・メタン発酵の研究をしています。特に、従来前処理・後処理と2相処理が必要であったものを1相処理でもできるように工夫しています。様々な原料のメタンガス生産促進について調査しています。
実用化イメージ

農業系廃棄物が出るような企業や、メタン発酵を既に行なっている企業、有機性廃棄物を資源循環したいと考えている企業が良いと考えます。自社で排出されるごみを有効利用することでCO2削減に貢献したい企業などを希望します。

研究者

大学院農学研究科

多田 千佳  

Chika Tada

脱炭素をドライブさせる、エネルギーデザインの理論と実践

概要

脱炭素ドライブに欠かせない機能は、エネルギーデータ解析、高精度の空間解像度と時間解像度を併せ持つエネルギーのカーナビだ。空間解像度が高まれば、電気⾃動⾞の充放電や、地域間エネルギー融通が円滑に進む。時間解像度の高い分刻みのエネルギーデータが加われば、変動する再⽣可能エネルギーの出⼒と需要家を合理的かつ最適に組合せる。データ解析、システムデザイン、運⽤面から、カーボンニュートラル社会を牽引する。

従来技術との比較

日本初の地域エネルギー需給データベースを開発し、全国市区町村のエネルギー現況の分析結果をもとにして、持続可能かつレジリエンな地域エネルギーのインフラ配置と運用を詳細にデザインできる。

特徴・独自性
  • 米国でのフルブライトスカラーとしての研究経験と、欧州での社会実装の事例に熟知しています。
  • 膨大な地域エネルギー需給データベースに基づくデータ駆動型イノベーションの研究手法を持っています。
  • 社会課題を解決する社会起業家として、地域フィールドワークを重視しています。
実用化イメージ

理論を実践へ。新しいまちづくりの持続可能なエネルギーシステム構築を支援しています。地域社会の背景を含み置きつつ、住民の意見に耳を傾けて、今日的課題に即した議論へと導きます。地球規模で考え、地域社会のなかで行動します。

研究者

大学院工学研究科

中田 俊彦  

Toshihiko Nakata

多文化共生と人権教育

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 本研究は、留学生と国内学生が集まる国際共修授業において、人権を柱にクラスを運営し、普遍的な概念である人権を取り上げて教育実践し、調査研究を行う点に独自性があります。具体的には、普遍的ではありますが地域性、個別具体的な側面のある人権について、多様なバックグラウンドを持つ学生が共に学ぶとき、人権が切り口となり、参加者の多様性が生かされて、参加者間に関係性が構築され、学びの深まりにつながるかを探求しています。
実用化イメージ

多文化共生・人権に関わる活動を行っている団体との連携が可能であると考え、連携したいと思っています。本研究の成果は、教室内にとどまらず、地域、国、世界で生かされる知識、技能、態度の育成を目指しています。

研究者

高度教養教育・学生支援機構

髙松 美能  

Mino Takamatsu

男性の更年期障害を改善する食品成分

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 近年、加齢や過度のストレスによる加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群が注目されています。LOH 症候群は男性ホルモンの合成量が減少することで発症し、筋肉機能、性機能の低下だけでなく鬱などの精神的症状も招きます。食品成分による男性ホルモン増強作用をスクリーニングする系を精巣由来細胞を用いて確立し、ビタミン、サプリメント、食経験のある植物抽出物などが増強活性を持つことを明らかにしました。
実用化イメージ

上記の成分や新たに選抜した成分を高含有する食品にLOH 症候群の予防・改善効果が期待され、「中高年にやる気を与える食品」の開発につなげています。

研究者

大学院農学研究科

白川 仁  

Hitoshi Shirakawa

タンパク質の変性領域を化学標識する手法

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概要

タンパク質変性の可視化プローブ
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T21-051.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  •  タンパク質変性を可視化するために従来では、タンパク質の変性領域に結合し、蛍光の輝度が上昇する化学プローブが開発されています。しかし、従来の蛍光プローブとタンパク質変性領域の間の結合は可逆的です。よって、タンパク質混在系においては、どのようなタンパク質の変性を感知して蛍光の輝度が上昇しているのかを紐づけすることが困難でした。
  •  新たに発明した蛍光プローブは、従来の変性タンパク質プローブとは一線を画し、タンパク質の変性部位、凝集部位と直接共有結合を形成するという特徴を有しています。また、反応前は無蛍光性の分子であり、凝集タンパク質と共有結合を形成した時にのみ、蛍光性を発するという特徴を有しています。これまでに変性の検出感度の異なる約30 種類のプローブを開発しています。また、プローブ分子が結合した変性・凝集タンパク質、およびそのペプチド断片は濃縮できる工夫がされており、プローブと反応したタンパク質だけを質量分析することが可能です。
実用化イメージ

以下のような社会実装への応用が想定されます。
・診断薬(神経変性疾患、人工授精の変形卵子の抽出等)
・食品(冷凍食品、代替食品のタンパク質変性検査等)
・化粧品(品質検査)

研究者

高等研究機構学際科学フロンティア研究所

佐藤 伸一  

Shinichi Sato

タンパク質デザインをシーズとした未踏ナノ材開拓とバイオテクノロジーの異分野展開

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • ドメイン単位とした蛋白質の構造情報と進化工学を利用して、ボトムアップに目的構造・機能を持つ蛋白質分子をデザインする技術構築を行い、蛋白質研究を真の「工学」へ脱皮させることを目指しています。これまでに、無機材料を室温合成できる蛋白質や無機材料表面を識別し接着できる蛋白質の創生やナノ材と酵素タンパク質のハイブリッド化技術による高機能セルラーゼの開発などに成功しています。
実用化イメージ

バイオセンサー、バイオプローブ、固相基質を対象にした高機能ハイブリッド酵素。

研究者

大学院工学研究科

梅津 光央  

Mitsuo Umetsu

地形横断面の自動抽出および縦断的可視化プログラム

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概要

地形横断面の自動抽出および縦断的可視化プログラム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T20-504_S20-074.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 地形を把握する手段として、UAVによる写真測量から得られた点群データを処理し、オルソモザイク画像や、鳥瞰図、三次元モデルなどの作成が行われています。しかし、河川や道路、水路、海岸線等の曲線状地形においては、これらの作成したモデルがそのまま曲線状に表示されるため、曲線状地形やその周辺地域の全体像の把握が困難です。本技術は、曲線状地形を視覚的に把握しやすくすることができる手法、およびプログラムを提供します。具体的には、以下の特徴を有しております。
  • ◆三次元点群から断面を自動抽出
  • ◆曲線状地形を直線的に配列することで、全体像を見やすく表示
  • ◆複数時期の地形の変化を比較可能
  • ◆対象地形の横断面・縦断面の標高を取得
  • ◆季節ごとの周辺環境(植生など)の変化を表示
実用化イメージ

以下のような社会実装への応用が想定されます。
・地形の管理・測量
・地図の作成

研究者

災害科学国際研究所

佐藤 翔輔  

Shosuke Sato

チタンの抗菌・抗ウイルス化表面処理

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概要

熱酸化やスパッタリング法によりチタン・チタン合金表面上に可視光応答型光触媒活性酸化チタン膜を作製する。酸化チタンの光触媒活性の酸化分解能により、可視光照射のみでチタン製インプラントや構造物表面に付着した細菌やウイルスを死滅させることができる。

従来技術との比較

熱酸化やスパッタリング法といった比較的簡便で基板形状を問わないプロセスにより、チタン表面に軽元素や貴金属を含有した可視光応答型光触媒活性酸化チタン膜を作製する技術を有する。

特徴・独自性
  • 感染症はガンとともに人類の健康に対するリスクであり、感染症に強い社会の構築が求められています。新型コロナウイルス感染症は2023年に5類感染症移行したものの、今後も未知の野生生物由来のコロナウイルスによる新興感染症が継続する可能性は極めて高いと思われます。感染経路の一つである接触感染の抑制に対しては材料の寄与が可能です。材料表面の抗菌・抗ウイルス化の方策として薬剤耐性菌発生の心配がなく、人体への悪影響も少ないTiO2の光触媒活性が有力です。抗菌・抗ウイルス性は蛍光灯など日常の生活環境下において発現することが要求されるので、TiO2には紫外光に加えて可視光応答が必須となります。当グループではスパッタリング法やチタンの熱酸化を利用して作製した可視光応答型TiO2膜の抗菌性や抗ウイルス性を評価してきました。図1に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質受容体結合ドメインを有する融合タンパク質をTiO2膜表面に播種した後に種々の条件で可視光を照射した際に残存する融合タンパク質量を示します。横軸は可視光照射条件で、縦軸が融合タンパク質の質量になります。破線が播種した融合タンパク質量で、グレーのバーで示す暗所保持では、ほとんど初期の播種量に等しい融合タンパク質量が残存しているのに対し、黄色の可視光照射下では有意に減少しています。これは、融合タンパク質が可視光照射により不活化されていることを意味します。
実用化イメージ

教育・公共施設の机やパソコン、住宅のドアノブ、手摺り、スイッチ、移動体のつり革やシート、病院や老人施設の受付、ロビーやトイレなどで使用される材料表面に抗ウイルス機能を付与することができれば、材料工学からの接触感染抑制に対する有効な寄与となります。

研究者

大学院工学研究科

成島 尚之  

Takayuki Narushima

父親の精子検体を検査することで、子供の自閉症スペクトラム発症率を予測できる。

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概要

自閉症スペクトラムマーカー:
精子のヒストン修飾を測定することにより、次世代の神経発達症リスクを予測することが可能となりうる。
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T14-105.pdf

従来技術との比較

子どもの発達障害発症に関して、もっとも高いリスクは両親の加齢と早産であることが知られており、両親のうち父親の加齢の方が母親よりもリスクが高いことも繰り返し疫学的に報告されている。従来、精子の検査は、顕微鏡下で、精子数、形態、運動性をチェックするのみであり、分子レベルでの検査は行われていない。本発明はエピジェネティックな分子マーカーに着目する画期的な方法である。

特徴・独自性
  • 急激な少子化の一方、発達障害は増加の一途を辿っています。
  • 父加齢の継世代的影響として、可塑性のあるエピジェネティック分子に着目しています。
  • 精子検査は非侵襲的に行うことができます。
  • 精子ドナー等のクォリティチェックとして適しています。
実用化イメージ

本発明の精子のヒストン修飾や、関連するエピジェネティック因子(DNA メチル化、マイクロRNA)を組み合わせて、精子のパネル検査を行うことにより、精度の高い精子のクォリティ検査を行うことが可能となります。

研究者

大学院医学系研究科

大隅 典子  

Noriko Osumi

窒化物をより均一にコーティングすることが可能

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概要

窒化物コーティングの形成方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T18-275.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  •  従来開発されている窒化物コーティング方法として、CVD法(化学的蒸着)やPVD法(物理的蒸着)などが知られている。しかし、真空装備による圧力調整や雰囲気置換を行う必要があるため、製造工程が複雑に なり、作業が効率的でないという問題があった。そこで、大気中において基材表面に窒化物をコーティングする技術の開発が行われているが、コーティングにムラが生じるという課題がある。
  •  本発明によって、簡単な工程かつ容易な操作で、窒化物をより均一にコーティングすることができる窒化物コーティングの形成方法を提供することが可能になった。本発明は、コーティング過程と窒化過程とを入れ換え、 既に存在している窒化物に、マイクロ波を利用してコーティングするものである。コーティングがマイクロ波の照射で済む上、従来法で必要であった圧力調整や雰囲気置換が不要なため、大気中で実施可能となる。これ によって、簡単な工程かつ容易な操作で、基材の表面に窒化物コーティングを均一に形成することができる。
実用化イメージ

・生体用・歯科用インプラント部材の製造

研究者

大学院工学研究科

福島 潤  

Jun Fukushima

地表面の状況を高精度に抽出できます

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概要

ドローン等を利用して得られる高さ情報を用いて、植生等の地表面の利用状況を容易に把握することができる地表面合成画像作成方法を提供する。

従来技術との比較

・合成画像は、RGBの3チャンネル画像として得られるため汎用性が高い。
・フリーの画像処理ソフトウェアの利用が可能

特徴・独自性
  • このシーズは、下記の特徴を持ちます。
  • ・RGB 画像と高さ情報を合成します。
  • ・簡便な手順で実行可能です。
  • ・一般的な深層学習のプログラムの使用が可能です。
実用化イメージ

下記のような社会実装が想定されます。
・植生(屋敷林や公園の樹木や植栽)の把握、維持管理
・災害調査(倒木など)
・建物や太陽光パネル等の人工物調査

研究者

大学院農学研究科

米澤 千夏  

Chinatsu Yonezawa

中性子散乱による巨視的量子現象の探索と解明

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特徴・独自性
  • 中性子散乱は他の散乱手法(X散乱や電子線散乱)に比較して、1) Li、 H 等の軽元素による散乱が大きい、2) 磁気散乱を通して物質中の電子スピンを検出可能、3) 弾性散乱(回折)に加えて室温程度の低エネルギー励起の測定が可能という特徴があります。我々は中性子散乱法を用いて、多体電子系における巨視的量子現象、なかでも量子フラストレートスピン系における巨視的非磁性基底状態や磁気揺らぎが媒介する非従来型の超伝導現象の探索とその解明を目的に研究を進めています。
実用化イメージ

上で述べたように、中性子散乱は磁気構造およびスピンダイナミクス、さらに結晶中の軽元素位置やその運動を調べるのに適した手段です。従って、このような情報が必要な材料研究には極めて有用であると考えられます。

研究者

多元物質科学研究所

佐藤 卓  

Taku J Sato

超音波による安全で画期的な循環器診断

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 体表から送信した超音波の位相を巧妙に用い、収縮弛緩や血圧変化に伴って心筋や動脈壁で1心拍内に生じる数ミクロンの僅かな厚み変化を高精度に計測し、心筋機能や動脈壁硬さを層別に評価できる手法を世界に先駆け開発しました。さらに、心臓収縮初期に興奮の電気伝導に伴い心筋に微小な応答が生じ心臓壁を伝搬する現象を初めて見出しました。また虚血後の数秒間の僅かな時間に、その興奮の伝導速度が約50%低下することも見出しました。
実用化イメージ

病変内部組成を体表から同定できる生体マイクロスコープを実現し、心筋梗塞等の急性冠症候群の安全で画期的な診断手法が期待でき、医療費の適正化にも貢献できます。

研究者

大学院工学研究科

金井 浩  

Hiroshi Kanai

聴覚・多感覚音空間情報の収音・操作・合成技術の開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 3次元音空間における人間の様々な聴覚特性の解明と、その知見に基づいた3次元音空間の高精度収音・再生技術の開発、および、そのシステム実現に取り組んでいます。3次元音空間収音・再生技術は次世代マルチメディアコミュニケーション基盤技術の一つとして重要であり、各種音響実験を行うための無響室や、全周囲から耳までの音響伝達特性を測るための多目的防音シールド室など、この研究を高い次元で行うために必要な実験設備を有しています。
実用化イメージ

高臨場感情報通信・放送分野や各種アミューズメント等、音、特に3次元音空間に関する様々な内容での連携が可能です。また、ユニバーサルコミュニケーションを指向した聴覚・多感覚コミュニケーションシステムの開発といった観点での連携も想定できます。

研究者

電気通信研究所

坂本 修一  

Shuichi Sakamoto

超小型(50kg級)人工衛星の研究・開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 大きさ50cm 立方、質量50kg 級の超小型人工衛星を大学の研究室で設計・開発しています。2009年1月に打上げられた東北大1号機衛星『雷神』を皮切りに、この15年間で15機以上の超小型人工衛星(CubeSatを含む)を開発し、軌道上運用を行っております。50kg 級衛星としては、世界最高性能のポインティング制御による高解像度の地上写真画像撮影、および多波長画像撮影技術を確立するなどの成果をあげています。研究室で開発した技術の社会実装として、株式会社ElevationSpace およびシスルナテクノロジーズ株式会社の2社の大学発スタートアップへと展開しています。
実用化イメージ

宇宙開発は国の専門機関が行うものという常識を破り、短期間・低価格で衛星を開発し、リモートセンシング、地球観測、宇宙探査等において新しい応用分野を開拓することに挑戦しています。また、衛星搭載機器の実装技術にも実績をあげており、産学連携の可能性を模索しています。

研究者

大学院工学研究科

吉田 和哉  

Kazuya Yoshida

超臨界水中での反応プロセス開発

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特徴・独自性
  • 当研究室では、超臨界水を反応場とする流通型反応プロセスの開発を行っている。高温高圧反応場では、水の物性が大きく変化し、水と油とガスが均一相を形成する。この状態では、水分子そのものが酸や塩基触媒として機能し、高速に反応が生じる。このような新規な反応場の利用には、プロセス開発をすすめながら反応場の相平衡、流動、反応速度論の理解に基づく、プロセスの設計基盤の確立が必要である。
実用化イメージ

超臨界水中でのナノ粒子連続合成プロセス、超臨界水・亜臨界水中でのバイオマスの前処理・可溶化プロセス、超臨界水中での重質油の改質プロセスの開発を行っている。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所

阿尻 雅文  

Tadafumi Ajiri

超臨界水熱合成法による有機・無機ハイブリッドナノ粒子合成

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 超臨界水を反応場とする有機修飾ナノ粒子の合成技術を発明しました。超臨界反応場では有機分子と金属塩水溶液が均一状態で反応し、水分子が酸/塩基触媒として働き、有機修飾金属塩ナノ粒子を合成できます。このハイブリッドナノ粒子は有機分子を表面に有するため、溶剤に高濃度分散させてナノフルイッド、ナノインクとしたり、高分子とハイブリッド化させて有機・無機材料の機能を併せ持つ材料を創成することができます。
実用化イメージ

窒化ホウ素の有機修飾ナノ粒子はポリマーに分散させて、高熱伝導材料として使用できます。また酸化チタン、酸化ジルコニウムの有機修飾ナノ粒子は、ポリマーなどに高濃度分散させることにより高屈折率レンズ製造に応用できます。また、高活性ナノ触媒としての利用も期待されます。現在、本技術に基づいて、超臨界ナノ材料技術開発コンソーシアム(参加企業およそ80社)が設立されており、産業への応用や国家プロジェクトの提案などを積極的に推進しています。

研究者

高等研究機構材料科学高等研究所

阿尻 雅文  

Tadafumi Ajiri

超臨界二酸化炭素による洗浄ならびにクリーニング

概要

高圧のCO2の浸透力と溶解力ならびに高膨張性を利用した、本質的なドライクリーニング、洗浄・再生技術

従来技術との比較

本質的なドライ・乾式の洗浄で、ナノ空間への浸透性も高い。また無酸素状態での洗浄か可能。

特徴・独自性
  • 超臨界状態のCO2を溶媒とした洗浄プロセス、液体状態の有機溶媒を利用しない本質的なドライクリーニング、洗浄技術です。液体溶媒を用いず、処理後は減圧にて溶媒残留がないことから乾燥工程が不要で省エネルギーであり、かつ毛管応力による構造体の収縮も抑制できます。加えて、微細構造物に対する洗浄、除去再生が可能で、現在高性能フィルターの再生技術は、実用化されています。
実用化イメージ

精密機器。フィルターを利用する空調機器や精密機械メーカーや管工事関係事業が対象となるでしょう。クリーニングや洗浄の逆プロセスである染色やインプラグネーション(含浸)も可能となります。対象溶質を選定すれば、機能性材料の創成につながる技術になります。また、文化財の保存も、乾燥や保存剤含浸という点と、収縮抑制という観点から、本技術の適用・利活用が可能となります。

研究者

未来科学技術共同研究センター

猪股 宏  

Hiroshi Inomata