- 概要
レーザーなどの光が物質に照射されると、物質中の原子や電子のダイナミクスが駆動されます。私たちは、このように駆動される原子・電子のダイナミクスを、量子力学に基づく微視的シミュレーションを用いて詳細に解析する研究を行っています。さらに、このシミュレーション手法を通じて、光が誘起する現象の背後にあるミクロな物理過程の解明にも取り組んでいます。
- 従来技術との比較
従来の物質科学計算では、密度汎関数理論に基づく静的な第一原理計算シミュレーションが広く用いられてきました。しかし、そのような静的手法では、光によって物質中に駆動されるダイナミクスを捉えることは容易ではありません。本研究手法は、物質のダイナミクスを扱うことのできる時間依存密度汎関数理論を用いることで、静的な記述を超え、光が駆動する非平衡現象・非線形現象・超高速現象を精密に解析することを可能にします。
- 特徴・独自性
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- ・光科学の第一原理計算
- ・光が駆動する原子-電子の非平衡ダイナミクスを時間領域で解析可能
- ・シミュレーション結果からミクロな物理過程を解明
- 実用化イメージ
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私たちは、光が駆動する非線形・非平衡な原子・電子のダイナミクスを精密に記述する理論計算手法を開発するとともに、光駆動現象を基盤とした新たな科学技術の創出を目指して研究を進めています。私たちの研究が、新たな科学技術の社会実装に貢献できれば幸いです。
研究者
大学院理学研究科
佐藤 駿丞
Shunsuke Sato
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 本研究では、レーザ照射を利用して材料表面に様々な機能を付与する手法の開発を行っています。特に、レーザを材料に照射した際に生じる現象を、シミュレーションおよび実験的な手法を用いて明らかにし、新しい機能性インターフェースの創成を行っています。
- 具体的には、高機能バイオインターフェースの創成を進めています。人工臓器や人工血管、あるいはバイオインプラントなどに利用される材料は、生体組織や細胞に対する高い親和性が求められます。そこで、本研究室では、レーザ照射による表面創成プロセスにより、「生体に優しい」表面づくりに取り組んでいます。本手法により、チタン系材料に対して生体に活性な機能を付与することに成功しています。このような機能を持つ材料を生体内に埋入すると、表面にハイドロキシアパタイト(骨や歯の主成分)が自然に析出します。本研究では、このような手法を駆使し、バイオ分野への新たなブレークスルーを目指しています。
- 実用化イメージ
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本研究の成果は、生体・医療用デバイスへの応用をはじめとして、幅広い分野への波及効果が期待できます。例えば、骨との固着性に格段に優れるインプラントを作製することが可能であり、人工関節や歯科インプラントなどへの応用が期待できます。
研究者
グリーン未来創造機構
水谷 正義
Masayoshi Mizutani
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- 概要
6 MGOe以上のBHmaxを示すレアアースフリー強磁性粒子粉末 https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T19-390_T19-706_T19-709.html
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 近年、ネオジムの国際相場が高騰しています。脱炭素化を国策として推進している中国において、風力発電用や電気自動車用のモーターとして需要が増大していることが原因とみられます。また、日本国内では経済安全保障の観点からの議論も活発であり、レアアースを含有しない磁性材料が強く求められるようになってきました。なかでも、鉄と窒素のみから成る安価なFe-N 系磁性材料への期待は大きいです。特に、結晶がbct 構造であり、大きな飽和磁化をもつことが予測されているα”-Fe16N2は高い注目を集めています。
- しかし、α”-Fe16N2 自体は、Fe-N系化合物をアニールした際に晶出する準安定化合物であり、バルク体として単離した報告はほとんどありません。数少ない報告例も、α”-Fe16N2 と安定相との共晶や、100℃環境で10 日間しか存在しないものなどであり、α”-Fe16N2 単相をバルクとして安定的に単離した例は存在しません。
- 本発明は、α”-Fe16N2 の安定単離粉末に関するものです。本磁性粉末は、フェライトやアルニコより大きな6MGOe(48kJ/m3)以上のBHmaxを示します。また、金属Fe を上回る221emu/g の飽和磁化値を示し、アルニコ磁石より大きくフェライト磁石と同程度の2kOe(160kA/m)以上の保磁力を示します。本磁性粉末により、レアアースフリーで、かつフェライト磁石やアルニコ磁石より優れた磁石特性が期待され、将来的には希土類系ボンド磁石の一部を代替する磁石材料として、様々な家電用・車載用モーター等への応用が期待できます。
- 実用化イメージ
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以下のような社会実装への応用が想定されます。 ・異方性磁石 ・圧粉磁石 ・ボンド磁石 ・その他、モーターなどネオジム磁石の代替磁石としての用途
研究者
大学院工学研究科
小川 智之
Tomoyuki Ogawa
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- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
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- 高容量・高出力・高安全性・低コストの次世代蓄電エネルギーデバイスであるポストリチウムイオン電池を実現するために、単原子層物質グラフェン、金属硫化物ナノシート、ナノ結晶活物質、ナノ粒子、ナノ多孔材料などの新しい機能材料の開拓とデバイス応用を研究します。全固体型リチウム二次電池、マグネシウム電池、燃料電池、大容量キャパシタ、ウェアラブル電池などの高性能電極材料・デバイス創製の精密化学プロセスを研究します。
- 実用化イメージ
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ポストリチウムイオン電池および革新的エネルギー材料開発を研究シーズとして素材産業、電池メーカー、電気自動車企業、スマートグリッドや再生可能エネルギー等の電力ビジネス企業との共同研究を積極的に推進します。
研究者
多元物質科学研究所
本間 格
Itaru Homma
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- 概要
無線送電技術であるレクテナを用いた赤外光の電力変換技術です。赤外光を電磁波としてアンテナで吸収して生じる交流電場をダイオードで整流することで電力へと変換します。アンテナの設計次第であらゆる波長の赤外光を電力変換できるため、中・遠赤外光が主体となる300℃以下の物体からの熱ふく射も電力変換可能です。
- 従来技術との比較
従来の熱発電技術とは全く異なる方法により電力変換を行います。熱ふく射を電力変換するため熱源と素子が接触する必要が無く、耐久性やデバイス設計自由度が高いです。電力変換可能な波長域は材料に依らずアンテナ設計次第で自由に制御することができます。
- 特徴・独自性
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- 赤外光の波動性に基づいた電力変換を行うため、材料物性に依らず感度波長を自由に制御できることが最大の特徴です。全ての有限温度物体は熱ふく射を放出するため、原理的にあらゆる温度域の熱源から電力を抽出することが可能となります。
- レクテナ発電はマイクロ波を用いた無線送電技術として既に確立されていますが、赤外光は電磁波の周波数が非常に高いため(1013Hz~)、高速応答するダイオードの開発とエネルギー損失のないデバイス化が課題です。
- 高速応答ダイオードとしては、金属ナノ粒子を用いたトンネルダイオード技術を新たに提案し、高性能化を達成しています。エネルギー損失のないデバイスとしては、空洞共振器構造に基づくデバイスを新たに提案し、可視~中赤外光の発電を実現しています。
- 実用化イメージ
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あらゆる環境で発電が可能であり薄膜化も可能であるため、自立型センサ等の電源応用が期待できます。
研究者
大学院工学研究科
清水 信
Makoto Shimizu
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