- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 生産現場におけるロボット導入の障害は、完ぺきな環境整備とティーチィングです。ビジョンを援用して環境や作業手順を自動で認識できれば、ロボットの導入は飛躍的に容易になりますが、ビジョンシステムにおける事前の条件出し(キャリブレーション)の負担が大きいです。フィードバック制御を用いれば、目標画像(ロボットが行うべき作業の写真)と現在画像(カメラからリアルタイムに得られる画像)をキャリブレーションなしで一致させることができます。この技術をビジュアルサーボといいます。
- 実用化イメージ
-
ビジュアルサーボの導入でカメラの配置が自由になり、キャリブレーションレスになり、ビジョンシステム導入の障害を容易に解決可能です。
研究者
大学院情報科学研究科
橋本 浩一
Koichi Hashimoto
|
- 概要
挿入型人工心筋システム https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T08-115.html
- 従来技術との比較
重症心不全治療のためには人工心臓等の治療があるが血栓のリスクがある。人工心筋システムは、心臓を外からアシストするので血栓のリスクがない新しい治療機器である
- 特徴・独自性
-
- 急激に進行する重症な心不全に対する救命手段として、薬剤加療、大動脈バルーンポンプや人工心臓の装着、心臓移植などが挙げられるが、いずれも大きな課題が残っています(薬剤抵抗、血栓形成、大掛かりな開胸手術、ドナー不足など)。そこで本発明では、新たな救命手段として緊急の現場でも装着が容易な新規人工心筋を提供します。本発明は、緊急時に左四肋間や左五肋間の小切開部から挿入できる人工心筋です。
- 実用化イメージ
-
以下のような社会実装への応用が期待されます。
<効果> ● 小切開部から挿入するため、救命救急時に簡単に利用できます。
<応用例> ● 心筋収縮支援デバイス
研究者
加齢医学研究所
山家 智之
Tomoyuki Yambe
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- ダイカストの特性上、実機でデータの取得は困難です。そこでダイカストプロセスに関する数値解析的アプローチが注目されており、数値解析から得た情報を鋳造方案に落とし込むことで試作回数を減らし、製品開発までのリードタイム・コストを削減することが期待されています。本研究では、高圧ダイカストプロセスにおける自由表面を伴うMold 内部アルミニウム溶湯の凝固現象を伴う混相流動解析を実施しました。
- 実用化イメージ
-
自動車業界、自動車サプライヤー、鋳造産業への応用が期待されます。本解析手法により、先端ダイカストにおける金型内部状態を精度よく再現し、解析結果をもとに鋳巣発生の原因を特定することが可能となります。
研究者
流体科学研究所
石本 淳
Jun Ishimoto
|
- 特徴・独自性
-
- 近年の巨大地震により大きな被害を受けた建築物、もしくは被害が軽微であっても高層建築物ではインフラの復旧に時間を要するなど、様々な被害が生じた。地震により建築物は、1階の柱脚部で損傷しさらには1階柱頭でも損傷することで、層崩壊を生じ、倒壊に至る。そこで、本研究では、新しい柱脚機構を開発するとともに、想定外の巨大地震に対しても建築物に冗長性を持たせ、無被害にするシステムを開発する。
- 実用化イメージ
-
開発するシステムは、通常のRC柱を下部に、上部に鉄骨柱を配置し、その接合部をピン接合することで1 階柱の損傷を防ぐものであり、施工性も良く、コストを抑えることができる。
研究者
大学院工学研究科
木村 祥裕
Yoshihiro Kimura
|
- 概要
振動発電、アクチュエータ、位置センサ等に磁歪現象が利用されていますが、巨大磁歪材料の磁歪発現機構は解明されていません。そのため、単結晶を作製して磁歪の符号・大きさ、電子状態について結晶方位依存性を測定して磁歪の発現機構を研究しています。電子状態は放射光を用いて共鳴非弾性X線散乱(RIXS)とX線磁気円二色性(XMCD)で測定しています。
- 従来技術との比較
巨大磁歪材料の磁歪発現機構は解明されておらず、電子状態直接観測と結び付けた研究はありません。
- 特徴・独自性
-
- このシーズは、下記の特徴を持ちます。
- ・Fe-Ga 系巨大磁歪材料のブリッジマン法等による単結晶試料の作製。
- ・放射光を用いた磁性材料の電子状態の直接的な測定。
- ・磁歪特性と電子状態の結晶方位依存性の測定から巨大磁歪の発現機構の解明。
- ・磁歪の発現機構に基づく材料探索と結晶方位等の組織制御。
- ・輸送特性(電気抵抗や磁気抵抗)の異方性と電子状態との関連付け。
- 実用化イメージ
-
巨大磁歪の発現起源を理解して結晶方位等の組織を制御することで、磁歪デバイスの高性能化が期待できます。
|
- 概要
難治性神経変性疾患の代表で、治療法開発が希求されているALSに対して世界初の組換えHGF蛋白質の脊髄腔内投与による第I相試験を東北大学病院で実施。これをふまえ、2016~2022年ALSに対する有効性と安全性を確認する第II相試験(医師主導治験)を同院と大阪大学附属病院にて実施、終了した。主要評価項目に関して統計学的有意差はなかったが現在、終了後の追加解析を実施中。また、同一製剤を用いた脊髄損傷に対する臨床開発も進行中。
- 従来技術との比較
世界初の組換えHGF蛋白質の脊髄腔内投与製剤、中枢神経系に効率的かつ選択的に送達可能な「脊髄腔内」反復投与を実現する医療機器(皮下ポートと脊髄腔内留置カテーテルキット)と同時開発
- 特徴・独自性
-
- ALSは難治性神経変性疾患の代表であり、脳・脳幹・脊髄運動ニューロンの系統的変性による全身の進行性筋萎縮と筋力低下が主徴です。呼吸筋障害による致死的疾患でありながら3 ~ 4剤の進行抑制薬承認にとどまるのが現状です。東北大学神経内科では、世界初のラットALS モデルを開発しました(Nagai M, et al. 2001)。HGF 蛋白質の脊髄腔内持続投与による進行抑制効果を同モデルで確認しました。第Ⅰ相・第Ⅱ相試験(治験)を終了し、追加解析による有効性を検証中です。
- 実用化イメージ
-
クリングルファーマ㈱、慶應義塾大学(岡野栄之教授、中村雅也教授)、旭川医科大学(船越洋教授)と協働し本剤の医薬品化を目指しています。ALS 第Ⅰ相・第Ⅱ相試験、脊髄損傷の第Ⅲ相試験をほぼ終了しました。製薬企業と連携予定です。
研究者
大学院医学系研究科
青木 正志
Masashi Aoki
|
- 概要
コイ科魚類の中で抗体の多様性が最も大きい金魚(スイホウガン)を活用することで、哺乳動物では取得困難な抗体をハイスループット(HTP)に作製することができる。すなわち、免疫後の水泡液から全RNAを精製し、次世代シークエンサーを用いたRNA-seqを行うことで免疫グロブリン(Ig)重鎖および軽鎖の両遺伝子の塩基配列を網羅的に取得するとともに、試験管内で一本鎖抗体を作製することに成功した。
- 従来技術との比較
従来の特異的抗体の取得ではマウスなどの実験哺乳動物を用いるのが一般的であったが、ヒトGPCRなどに対する抗体は免疫寛容が起こって、しばしば取得が困難であった。金魚(スイホウガン)は少量の抗原タンパク質で、数週間で免疫が完了する。また、水泡液を何回採取しても、再び水泡液量が元に戻るとともに、水泡液内の抗体濃度は何度採取しても一定量であったことから、1個体で継続的な抗体作製が可能である。
- 特徴・独自性
-
- 金魚(スイホウガン)は眼下にリンパ液を含有する水泡を有する愛玩魚であり、実験魚としては用いられてきませんでした。キンギョIg 遺伝子は他のコイ科魚類(ゼブラフィッシュやコイなど)と比較して、可変領域のアミノ酸配列の多様性が大きく、哺乳動物には見られないユニークな一本鎖抗体を作製することができます。
- 実用化イメージ
-
CAR-T 細胞療法に用いられるscFv(single-chain variablefragment)を簡便に作製できることから、テーラーメイドなscFv を提供するプラットフォームを提供できます。
研究者
グリーン未来創造機構
田丸 浩
Yutaka Tamaru
|
- 特徴・独自性
-
- 金属マイクロ・ナノ材料が持つ優れた物理的諸特性を有効に活用して新しい機能を創出するために、電流により発生するジュール熱を利用した極微細材料の溶接、切断手法を開発しています(図1)。2 本の極細線の先端同士を接触させた状態である範囲内の一定直流電流を付与することで、細線接触部を自発的に溶融、凝固させ、同部を溶接できることを見出しました。また当該手法を駆使して極微細材料のマニピュレーションも可能です。
- 実用化イメージ
-
素材としての金属極細線から新たな機能を創出できます(図2)。また極微細材料の物理的諸特性を評価する独自の試験技術も開発しており(図3)、これら技術を活用した産学連携が可能です。
研究者
大学院工学研究科
燈明 泰成
Hironori Tohmyoh
|
- 概要
カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、MXene などの低次元強化相を金属複合材料の強化材として活用する。界面反応を意図的に制御することで、低次元強化相特有の特性を引き出す方法を明確化し、有効な荷重伝達を実現することで、優れた機械特性、導電率、熱伝導率を同時に向上させる。更に、新規な複合粉末の製造方法の確立並びに3Dプリンターを活用した高機能金属(Al、Cu、Ag、Ti など)を開発する。
- 従来技術との比較
適切な界面反応が界面結合を大幅に改善できることを示し、従来の考え方とは異なる発見であった。従来のボールミリングやアトマイズ法などの方法とは異なり、新しい複合粉末の作製手法が開発された。3Dプリンター中の急速凝固を活用することで、状態図上では溶解が困難と予想される大量のナノ炭素や酸化物を強制的に固溶させ、高機能金属材料として実現することが可能となる。
- 特徴・独自性
-
- ナノカーボンやナノバブルを活用し、ヘテロ凝集させナノセラミックス/金属粉末を製造するプロセスを提案する。複合材料開発のためのハイスループット手法を確立し、機械学習を用いて強化相の添加、界面組織、および物理・機械的特性の関係を予測するモデルを構築する。金属とセラミックスの優れた機械的・物理的特性を組み合わせることで、多機能部品の実現が可能となる。
- 実用化イメージ
-
金属およびセラミックス基複合粉末の作製が可能である。導電体の軽量化や送電ロスの低減に加え、銅資源問題への対応が期待できる。高強度かつ高抗菌性を有する生体用金属材料の積層造形を目指す。
研究者
大学院工学研究科
周 偉偉
Weiwei Zhou
|
- 特徴・独自性
-
- ナノ材料の特異な物性を工業材料に応用するには、目的とする物性を最大限に発揮する組成のみで材料を構成する技術、粒界や欠陥部位等を極力低減し耐腐食性等を向上させる技術、表面特性を発現可能とするための表面の単原子分子レベルでの制御技術、等が必要である。我々は、原料液中の金属錯体構造や状態を計算と機器分析で制御し、還元析出時の反応速度を制御することで構造や組成が均質な合金ナノ粒子を合成する技術、金属ナノ材料実用化の障害を除去する技術、等の研究開発を行っている。
- 実用化イメージ
-
触媒化学等を含む化学工業や電子産業等、ナノ材料の表面物性が大きく影響する産業界に対して、材料の表面及び状態制御に関する連携が可能と考えている。
研究者
大学院環境科学研究科
高橋 英志
Hideyuki Takahashi
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 金属ナノ粒子は、一般的な大きさの金属個体とは異なる物理的、化学的特性を持ちます。これらの特性は金属ナノ粒子の比表面積が極めて大きいことに起因します。また、その量子サイズによって特有の物性を示します。さらに、金属ナノ粒子は微生物を殺滅する活性酸素種を産生する能力があり、膜透過性も持ちます。我々は、アミノ酸被膜金属ナノ粒子がトキソプラズマの増殖を抑制することを報告しています。
- 実用化イメージ
-
マラリアを始め、人類の脅威となっている原虫感染症の予防、治療、診断について、金属ナノ粒子を使った新しいツールを提供できる可能性があります。ナノテクノロジー分野、動物医療を含めた医薬品分野等において活用の可能性があります。
研究者
大学院農学研究科
加藤 健太郎
Kentaro Kato
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- ナノポーラス金属は、次世代高機能材料として応用が期待されています。その主な作製法として知られる水溶液による脱成分法は、微細・均一な多孔質構造の形成を可能にします。しかし、その形成原理は腐食であり、標準電極電位の高い貴金属において多孔質材料の作製が可能ですが、卑金属では酸化されてしまいます。本部門では金属溶湯による簡便な脱成分技術を新たに考案しました。この技術によれば、貴・卑に依存せず純金属や合金を多孔質化することが可能です。これまで作製が困難であった数々の卑金属(Ti、Ni、Cr、Mo、Fe、Co 等)・半金属元素(炭素Si)およびそれらの合金において、オープンセル型ナノポーラス金属材料の開発に成功しました。また、この技術は、鉄とマグネシウム、チタンとマグネシウム等の相分離する金属同士の強固な異材接合にも応用できることが分かりました。
- 実用化イメージ
-
新規電極、触媒、フィルター等に実用が期待できるほか、Ni などの毒性元素を含有する生体金属材料表面からこれを除去する技術としても利用できます。また、マルチマテリアルを実現する鉄鋼・マグネシウム合金間接合やチタン合金・マグネシウム合金間接合を可能にします。関連企業・団体との共同研究・開発を強く希望します。
研究者
金属材料研究所
加藤 秀実
Hidemi Kato
|
- 概要
- 従来技術との比較
- 特徴・独自性
-
- 金ナノ粒子を使用した検査薬の担持物質として、これまではタンパク質(レクチン等)や単純な有機化合物が使用されてきました。一方、生理活性天然物は医農薬指向で研究されてきましたが、多様な作用機構を応用すれば検査薬に使用可能と考えられます。これらの性質を組み合わせることで新奇センサー物質の創成が可能と予想されます。
- 実用化イメージ
-
生理活性天然物の活性発現機構に着目することで、従来技術(抗体等)では検出が難しかった物質(低分子化合物・金属イオン等)の検出が可能になると期待できます。
研究者
大学院農学研究科
榎本 賢
Masaru Enomoto
|