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酸化チタン

毒性のある遷移金属を含まないカラフルな酸化チタン顔料

概要

ニ酸化チタン着色粒子
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T19-849.pdf

従来技術との比較

遷移金属化合物は多彩な色を示すことで知られている。これまで、遷移金属イオンのドープにより、白色の酸化チタンを着色させることは可能であるものの、遷移金属に由来する生体毒性を回避することが難しい。

特徴・独自性
  • 本発明では、遷移金属を含まず、白色、黄色、赤色、グレー、緑色、紫色、黒色、肌色等、様々な色を有する酸化チタン無機顔料を実現した。
実用化イメージ

生体毒性が課題となる化粧品分野等での酸化チタン顔料の新規応用が期待される。

研究者

多元物質科学研究所

Yin Shu  

Yin Shu

チタンの抗菌・抗ウイルス化表面処理

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概要

熱酸化やスパッタリング法によりチタン・チタン合金表面上に可視光応答型光触媒活性酸化チタン膜を作製する。酸化チタンの光触媒活性の酸化分解能により、可視光照射のみでチタン製インプラントや構造物表面に付着した細菌やウイルスを死滅させることができる。

従来技術との比較

熱酸化やスパッタリング法といった比較的簡便で基板形状を問わないプロセスにより、チタン表面に軽元素や貴金属を含有した可視光応答型光触媒活性酸化チタン膜を作製する技術を有する。

特徴・独自性
  • 感染症はガンとともに人類の健康に対するリスクであり、感染症に強い社会の構築が求められています。新型コロナウイルス感染症は2023年に5類感染症移行したものの、今後も未知の野生生物由来のコロナウイルスによる新興感染症が継続する可能性は極めて高いと思われます。感染経路の一つである接触感染の抑制に対しては材料の寄与が可能です。材料表面の抗菌・抗ウイルス化の方策として薬剤耐性菌発生の心配がなく、人体への悪影響も少ないTiO2の光触媒活性が有力です。抗菌・抗ウイルス性は蛍光灯など日常の生活環境下において発現することが要求されるので、TiO2には紫外光に加えて可視光応答が必須となります。当グループではスパッタリング法やチタンの熱酸化を利用して作製した可視光応答型TiO2膜の抗菌性や抗ウイルス性を評価してきました。図1に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質受容体結合ドメインを有する融合タンパク質をTiO2膜表面に播種した後に種々の条件で可視光を照射した際に残存する融合タンパク質量を示します。横軸は可視光照射条件で、縦軸が融合タンパク質の質量になります。破線が播種した融合タンパク質量で、グレーのバーで示す暗所保持では、ほとんど初期の播種量に等しい融合タンパク質量が残存しているのに対し、黄色の可視光照射下では有意に減少しています。これは、融合タンパク質が可視光照射により不活化されていることを意味します。
実用化イメージ

教育・公共施設の机やパソコン、住宅のドアノブ、手摺り、スイッチ、移動体のつり革やシート、病院や老人施設の受付、ロビーやトイレなどで使用される材料表面に抗ウイルス機能を付与することができれば、材料工学からの接触感染抑制に対する有効な寄与となります。

研究者

大学院工学研究科

成島 尚之  

Takayuki Narushima

酸化的ストレス

遠位型ミオパチーに対する治療法の開発

概要

遠位型ミオパチーの一種であるGNEミオパチーは、体幹から離れた部位から筋肉が萎縮、変性し次第に体の自由が奪われていく希少疾病で、指定難病の一つです。本疾患患者ではGNEという酵素の遺伝子に変異がありアセノイラミン酸などシアル酸合成ができません。国立精神・神経医療研究センター疾病研究第一部においてモデルマウスを作製し、アセノイラミン酸の経口投与の予防効果が得られました。

従来技術との比較

2010~2011年に、世界で初めて医師主導治験として第Ⅰ相試験を実施し、安全性を確立した。医師主導第II/III相試験、延長試験、有効性確認試験を経て、2024年3月にノーベルファーマ社が商品名アセノベル®として製造販売承認を取得しました。今後は本シーズで培ったレジストリやプロトコル作成のノウハウを活かして他のシアル酸補充やウイルスベクター、酸化的ストレスを標的とした治療開発が進むことが期待されます。

特徴・独自性
  • 以下のような特徴・独自性を持ちます。
  • ・2010 ~ 2011年に、世界で初めて医師主導治験として第Ⅰ相試験を実施し、安全性を確立しました。医師主導第Ⅱ / Ⅲ相試験、延長試験、有効性確認試験を経ました。
  • ・2024年3月にノーベルファーマ社が商品名アセノベル® として製造販売承認を取得しました。
  • ・ウルトラオーファンドラッグとして期待されます。
実用化イメージ

今後は本シーズで培ったレジストリやプロトコル作成のノウハウを活かして他のシアル酸補充やウイルスベクター、酸化的ストレスを標的とした治療開発が進むことが期待されます。

研究者

大学院医学系研究科

青木 正志  

Masashi Aoki

酸化物

放射光による原子スケールの構造測定

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概要

主に放射光の回折を用いて、高い精度で構造観測を行います。エピタキシャル薄膜や固液界面など,計測技術が確立していない測定対象を見るのが特徴です。

従来技術との比較

大強度の放射光と,情報科学を併用することで,標準的なX線構造解析の手法が適用できない物質の構造を明らかにします。

特徴・独自性
  • 周期性が完全でない物・表面や界面の構造解析を行う。
  • 有機半導体の表面構造緩和
  • 酸化物の界面構造
  • ある程度平滑な表面(AFMで見える程度,ステップ表面)があれば、その表面近傍の構造を非破壊・非接触で0.01nmの精度で決める事が可能
実用化イメージ

固液界面でのプロセスの進行過程を見るような応用が考えられます。 図1:測定セットアップ,図2:20ms露光でのX線反射率測定による固液界面構造観測例

研究者

大学院理学研究科

若林 裕助  

Yusuke Wakabayashi

多元系酸化物ナノ粒子からなる高活性触媒開発

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概要

多種の金属元素からなる多元系酸化物は、近年触媒材料として注目される材料である。当研究グループでは最近、多種の金属元素からなる多元系酸化物ナノ粒子の合成法を確立した。得られた触媒は、高活性な電気化学触媒(電極触媒)材料、あるいは物質・エネルギー変換反応を進行させる触媒として機能することが期待できる。

従来技術との比較

従来研究では、多元素酸化物のナノ粒子化は困難であったが、本研究では粒子径の制御された単分散ナノ粒子の合成に成功した。

特徴・独自性
  • 従来法では合成できなかった多元系酸化物ナノ粒子が合成できる
  • 目的とする反応に応じて、様々な金属元素・組成を有するナノ粒子を設計可能
  • 従来触媒では達成できなかった活性・安定性を有すると期待できる
実用化イメージ

高効率な電気化学的物質・エネルギー変換反応、選択的な物質変換(バイオマス等)反応を実現する触媒材料として、環境・エネルギー問題に貢献できると期待できる。

研究者

多元物質科学研究所

岩瀬 和至  

Kazuyuki Iwase

酸化物エレクトロニクス

酸化物エレクトロニクス材料の創製

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概要

金属酸化物等の無機電子材料の物質デザイン・物性創製・薄膜作製

従来技術との比較

準安定相化合物の物質デザインや薄膜作製も行います。

特徴・独自性
  • 金属酸化物等の機能性無機材料の創製と物性・機能開発を行う研究に取り組んでいます。パルスレーザー堆積法やスパッタ法を用いた薄膜作製やバルク合成、そして新合成ルートの開発を行っています。最近は、電気伝導性をもつ希土類酸化物、透明導電性をもつ室温強磁性体、金属水素化物等の無機材料を扱っています。へテロエピタキシーにも取り組んでいます。
実用化イメージ

新規導電性酸化物を活用する酸化物エレクトロニクスや、透明強磁性体や新規強磁性体を用いた酸化物スピントロニクスの分野での共同研究。

研究者

大学院理学研究科

福村 知昭  

Tomoteru Fukumura

酸化物結晶

新規機能性結晶、シンチレータ、圧電単結晶の開発とデバイス化

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特徴・独自性
  • 放射線や光、熱、圧力等の外部からのエネルギーと結晶との相互作用に興味を持ち、㈰化学と物理の両面からの材料設計、㈪合成プロセスの開発、㈫相互作用の評価と理解、の3 つの切り口から先駆的な機能性結晶の研究を進めています。研究室内で異分野融合を行っており、要素技術の上流から下流までを垂直統合する体制で取り組んでいます。優れた特性を持つ結晶に関しては、そのデバイス化、実機搭載にも主体的に関わる点も特徴です。
実用化イメージ

シンチレータは、核医学、セキュリティ、核融合、資源探査、宇宙物理等、に用いる放射線検出器に応用されます。高発光量、高速応答、長波長発光、高エネルギー分解能、高温域での安定性など、ユーザーのニーズに合わせた材料設計が可能です。また、ランガサイト型圧電結晶は室温近傍の温度特性と低インピーダンスである特性を利用して、振動子、発振器、音叉等への応用も考えられております。また、高温域での特性に注目し、特に、自動車の燃焼圧センサー等への応用も検討されております。

研究者

金属材料研究所

吉川 彰  

Akira Yoshikawa

酸化物材料

NanoTerasuを用いた電子輸送現象可視化による機能性電子材料の革新

概要

結晶を原子層レベルまで薄くすると表面近傍に新奇な電子状態が発現し、量子的な効果が顕著に現れ、結晶単体では見られない高移動度電子やスピン偏極電子、金属絶縁体転移の発現など新奇な物性を示すことが多くあります。こうした特異物性を極薄膜や表面で実現し、制御・解明する研究を行っています。高輝度かつ高エネルギー分解能の放射光を駆使することで、新奇な物理現象を正確に捉えることが可能です。

従来技術との比較

放射光源を利用した表面解析の手法は、実験室光源と比較してより多くの情報を得る・より微細な試料の測定を行うことが可能です。

特徴・独自性
  • 世界最高性能を有するNanoTerasuとこれまで開発してきたin-situ ARPESマイクロ多端子電子輸送測定システムや計算科学を融合し、電子の運動を正確に記述し新たなナノ材料探索を実施
  • Nanoterasuを用いたin-situ ARPES手法(角度分解光電子分光(Angle-Resolved Photoemission Spectroscopy : ARPES))による、成膜環境下で物質の表面状態の詳細な解析が可能
  • 放射光施設での測定に資する原子層レベルの極薄膜試料の作成が可能
実用化イメージ

放射光を用い新奇低次元物性の解明や光電子分光・多端子計測を合わせた革新的電子輸送現象解明手法開発による機能性表面・極薄膜探索を行っています。電子挙動の理解は革新的な半導体や加工技術の進歩に繋がります。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター

湯川 龍  

Ryu Yukawa

酸化物スピントロニクス

酸化物エレクトロニクス材料の創製

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概要

金属酸化物等の無機電子材料の物質デザイン・物性創製・薄膜作製

従来技術との比較

準安定相化合物の物質デザインや薄膜作製も行います。

特徴・独自性
  • 金属酸化物等の機能性無機材料の創製と物性・機能開発を行う研究に取り組んでいます。パルスレーザー堆積法やスパッタ法を用いた薄膜作製やバルク合成、そして新合成ルートの開発を行っています。最近は、電気伝導性をもつ希土類酸化物、透明導電性をもつ室温強磁性体、金属水素化物等の無機材料を扱っています。へテロエピタキシーにも取り組んでいます。
実用化イメージ

新規導電性酸化物を活用する酸化物エレクトロニクスや、透明強磁性体や新規強磁性体を用いた酸化物スピントロニクスの分野での共同研究。

研究者

大学院理学研究科

福村 知昭  

Tomoteru Fukumura

酸化物ナノ粒子

固体イオニクス材料のエネルギー変換・貯蔵・利用技術への応用

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 固体イオニクスを中心として高度なエネルギー変換を実現するための機能性材料の開発を行っている。燃料電池や蓄電池の高性能化のためには、高いイオン伝導度と化学的安定性を有するイオン導電体や混合導電体が必要とされ、これら材料を酸化物の欠陥化学や熱力学に基づき探索し、デバイスに応用している。これまでに酸素分離膜型水素製造システムや全固体リチウム電池を開発している。
実用化イメージ

酸化物イオン・電子混合導電体は小型水素製造システムや燃料電池の電極材料、酸素吸蔵放出材料、純酸素の工業的利用と関連が深く、リチウム伝導体は発火の危険性のない全固体電池への応用が期待される。

研究者

大学院工学研究科

髙村 仁  

Hitoshi Takamura

酸化物半導体

電子デバイスの高性能・高信頼化のための配線材料と形成プロセスの開発

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特徴・独自性
  • 半導体デバイスからなる電子製品は、半導体自体はもとより、半導体に接続する金属配線があって製品として動作する。金属配線に求められる課題は、半導体材料との良好な電気的コンタクト、相互拡散の防止、良好な密着性、および配線材料の低電気抵抗、耐腐食性、プロセス耐性などがある。本研究室では、種々のデバイスのニーズにあった配線材料の開発ならびにコストパフォーマンスを追求したプロセス技術を開発することによって、高性能かつ高信頼性の先端デバイス開発に貢献している。
実用化イメージ

Si半導体多層配線において拡散バリア層を自己形成するCu合金配線、IGZO 酸化物半導体に対して熱反応によるキャリアドーピングを行えるCu 合金配線、SiC パワー半導体に対して優れた熱・機械的信頼性と良好なコンタクト特性を示すNb 合金配線、タッチパネル用途などのITO透明導電膜に対するCu 合金配線、太陽電池におけるCu ペースト配線、などがある。

研究者

未来科学技術共同研究センター

小池 淳一  

Junichi Koike

創・省エネルギー無機材料の創製

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特徴・独自性
  • 新しい材料の登場は、我々が予想もしない波及効果を生み出す力を秘めています。私たちの研究グループでは、化学結合や電子構造の理解に基づく材料設計、固体中のイオン移動を利用した材料創製プロセス、固相、液相、気相法など各種のプロセスを基盤技術として、エネルギー製造や省エネルギーを成し遂げる新材料を提供すべく、材料の設計から、製造プロセスの開発、プロトタイプ素子の作製までをカバーした研究を展開しています。
実用化イメージ

現在は、太陽電池、燃料電池を主なターゲットとし、酸化物半導体、プロトン伝導性電解質・電極材料などの研究を実施しています。新しい無機材料の創製技術の適用範囲は、これらに限定的されるものではありません。

研究者

多元物質科学研究所

小俣 孝久  

Takahisa Omata

三国志演義

日本における中国通俗文化の研究

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 日本に於ける中国文化受容の研究を一つの柱として研究しています。日本では、『西遊記』や『水滸傳』『三国志演義』など多彩な中国小説が受容されています。特に中国通俗小説における日本語への翻訳の事例に注目し、異国の文化が日本人に理解され、日本人になじみやすい文化として消化されていったのかその動態を詳しく研究しております。また中国から伝来した文物が、日本では異なる受け入れられ方をした事例など様々な文化受容についても検討しております。
実用化イメージ

中国文化と日本の関係や、例えば『西遊記』のように本来は玄奘三蔵の偉人伝として作られた作品が、江戸時代には波瀾万丈の異国物語として解釈されました。そして、明治時代以降になると孫悟空・猪八戒・沙悟浄というキャラクターに注目した娯楽作品へと改変が行われます。そして戦後に手塚治虫によって痛快無比な漫画化・アニメ化が行われ、日本ではサブカルチャーを語る上で重要な媒体となりました。その日本で育てられたサブカル的西遊記が、今後は本場の中国に逆輸入されております。この種のサブカル文化における日本の役割などで、産学連携の可能性が想定されます。

研究者

大学院国際文化研究科

勝山 稔  

Minoru Katsuyama

3次元

未来の生活を豊かにするインタラクティブコンテンツ

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特徴・独自性
  • 様々コンテンツ、それを見たり使ったりする人々、そしてこれらを取り巻く空間を含めて考え、これらの間のさまざまな関係に注目して、人々の作業を効率的にしたりコミュニケーションを円滑にしたりするインタラクションの手法を提案しています。
  • 例: 非言語情報通信、3 次元モーションセンシング、コンテンツのインタラクティブで柔軟な表示、ドローンの利活用技術、クロスモーダルインタフェース、バーチャルリアリティ
実用化イメージ

我々の技術や知見を世の中の多くの方々に使っていただき、生活を便利にしたり、快適にしたりすることにつながれば嬉しいです。そのために、いろいろな分野の方と一緒に連携させていただきたいと思います。

研究者

電気通信研究所

北村 喜文  

Yoshifumi Kitamura

三次元アトムプローブ

ナノスケールの構造と組成不均一性を利用した鉄鋼材料の組織制御

概要

安全性を確保しつつ、自動車の燃費改善または構造物の小型化を実現するため、最も多く使われている鉄鋼材料の高強度化が求められる。これまで合金組成や熱処理プロセス条件を変えることで材料全体の平均的な組織制御が行われてきたが、ナノスケールの組織制御が未成熟である。本研究では、これまでの実験調査で困難であったナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査し、高強度鋼組織制御の指針構築に取り組んだ。

従来技術との比較

従来では鉄鋼材料の組織制御は経験的な条件に基づくことが多いが、本研究では熱力学・速度論・結晶学などの知識に基づき鉄鋼材料におけるナノスケールの組成・構造不均一性の挙動を解明した。

特徴・独自性
  • 様々な先端技術を組み合わせた多面的解析手法で実験調査を行い、ナノスケールの構造・組成不均一性の生成挙動を調査した。
  • 実験結果をもとに、熱力学・速度論・結晶学などの観点で解析を行うことにより、その不均一性におよぼす諸因子の影響を解明した。
  • 実験解析に留まらず、熱力学データを活用してその挙動の再現、さらに予測ができるような理論計算も同時に実施した。
実用化イメージ

鉄鋼材料の高強度化に基づき、自動車をはじめとした輸送機器の軽量化または構造物の小型化が可能となり、素材製造や輸送分野のCO2削減の観点でカーボンニュートラルの実現への貢献が期待される。

研究者

金属材料研究所

張 咏杰  

Yongjie Zhang

3次元イメージング

光学情報検知装置及び顕微鏡システム

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概要

光学情報検知装置及び顕微鏡システム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T15-198.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 走査型レーザー顕微鏡は集光したレーザー光を試料上で走査し、試料からの反射・散乱光や蛍光を計測することで、試料の微細構造や蛍光プローブの局在を可視化します。従来の走査型レーザー顕微鏡は、顕微鏡の光軸に直交する面(観察面)の2D 画像の高速取得が可能な一方で、三次元観察のためには観察面を光軸方向に機械的に移動しながら逐次画像取得を行う必要があり、リアルタイムでの三次元画像の取得が困難でした。
  • 本発明では、検出信号に対する波面制御を原理として、観察試料の光軸方向に沿った空間情報を受光面での空間的な位置情報として検知することを可能にしました。本発明によって、光学系や検知対象物を光軸方向への移動無しに、レーザー集光スポットの二次元走査のみで対象の深さ情報を一挙に取得する、高速な、リアルタイム三次元イメージングを可能にします。
実用化イメージ

以下のような産業における社会実装が想定されます。
・三次元画像の高速取得が求められる分野
・生命機能解析等の生物分野・生体分野や医療分野
・微細な機能性素材の開発が進められている金属、化学等の産業分野

研究者

多元物質科学研究所

小澤 祐市  

Yuichi Kozawa

三次元運動

生体用モーションキャプチャシステムの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 生体に関する様々な運動を非接触かつ非侵襲的に計測することが可能な生体用モーションキャプチャシステムの開発を行っています。口腔内など遮蔽された空間でも利用可能な磁気式システムでは、最新の磁気工学技術によるLC 共振型磁気マーカを利用し、外部からの磁場印加によるシステムのワイヤレス化を実現しました。さらに光学式システムでは小型軽量の赤外線反射マーカを利用し、250ヘルツにて50箇所までリアルタイムでの同期的計測が可能なシステムの開発に成功しています。
実用化イメージ

本システムでは生体に関する様々な動作解析が可能で、非接触かつ非侵襲的な動作解析を必要とする診断・医療機器などへの応用が可能です。条件に合わせてシステムを特化することもできるので、本システムを活用したい企業や団体との共同研究を希望します。

研究者

大学院歯学研究科

金髙 弘恭  

Hiroyasu Kanetaka

3次元音空間

聴覚・多感覚音空間情報の収音・操作・合成技術の開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 3次元音空間における人間の様々な聴覚特性の解明と、その知見に基づいた3次元音空間の高精度収音・再生技術の開発、および、そのシステム実現に取り組んでいます。3次元音空間収音・再生技術は次世代マルチメディアコミュニケーション基盤技術の一つとして重要であり、各種音響実験を行うための無響室や、全周囲から耳までの音響伝達特性を測るための多目的防音シールド室など、この研究を高い次元で行うために必要な実験設備を有しています。
実用化イメージ

高臨場感情報通信・放送分野や各種アミューズメント等、音、特に3次元音空間に関する様々な内容での連携が可能です。また、ユニバーサルコミュニケーションを指向した聴覚・多感覚コミュニケーションシステムの開発といった観点での連携も想定できます。

研究者

電気通信研究所

坂本 修一  

Shuichi Sakamoto

三次元画像処理

歯槽骨形態の経時的な変化を定量化・可視化へ

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概要

三次元画像処理プログラム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T21-169.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  •  歯槽骨の吸収を引き起こす歯周炎は、成人のほとんどが罹患しており、進行すると歯を失う原因となります。近年は歯科用ConeBeamCTが普及し、歯槽骨の形態を3次元的に確認可能となっています。しかし、ほとんどの場合は視覚的に定性的な形態評価が行われるのみで、経時的に微細な形態変化を検出したり、その変化量を定量的に自動解析する方法はありませんでした。
  •  本発明は、任意の歯の歯根部分のみの形態情報を利用して精密な位置合わせを行うことで、その周囲骨形態変化の可視化と定量化を可能とするものです。
  •  図A は同一患者の撮影時期の異なる歯槽骨CT 画像ですが、2 年間で骨が吸収された部位(矢印)およびその吸収量を一目で確認することは困難です。本発明のプログラムを用いて十秒程度の半自動解析を実施することで、吸収された骨を赤く表示(図B)するとともに、骨吸収量(体積)を算出することが可能です。また、図C に示す様に、解析対象歯の歯根表面を、現在も骨に覆われている部位(緑)と、吸収により骨が失われた部位(赤)に色分け表示することも可能です。
実用化イメージ

下記のような社会実装が想定されます。
・歯科用Cone Beam CT 装置へ導入
・人工関節周りの骨吸収量を評価するCT、MRI 装置へ導入

研究者

大学院歯学研究科

山口 哲史  

Satoshi Yamaguchi

三次元計測

高速リアルタイムビジョンと低遅延映像ディスプレイ

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 産業応用において視覚処理・画像認識はますます重要な技術となっています。視覚は第一義的には姿・形をとらえる感覚ですが、それと同時に「動き」をとらえる感覚でもあります。当研究室では、動きをとらえるセンサとしてのビジョン技術という視点から、高フレームレートビジョンシステムとその応用や、LED光源、レーザ光源、プロジェクタ等の能動照明との連携、加速度センサ等の他のセンサとの情報融合などについて研究を進めています。さらに、独自開発の低遅延プロジェクタを高速カメラと組み合わせることにより、素早く動く物体表面上に映像がぴったりと貼りつくプロジェクションマッピングを実現しており、様々な応用を展開しています。
実用化イメージ

運動する対象の計測全般において、高フレームレートビジョンは強力なツールとなります。これらと低遅延ディスプレイ技術を組み合わせることで、高度な人工現実感・拡張現実感技術の実現に貢献します。

研究者

未踏スケールデータアナリティクスセンター

鏡 慎吾  

Shingo Kagami