東北大学 研究シーズ集

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C

CAE

次世代設計理論・多目的設計探査−設計空間の見える化−

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特徴・独自性

我々のグループでは「多目的設計探査(MODE)」と名付けて、多目的最適化によるトレードオフ情報の提示により、設計空間の構造を俯瞰的に「可視化」する新しい設計手法を研究している。設計図は形を「可視化」するものだが、本手法は機能の「可視化」を試みるものである。「可視化」=「設計空間の見える化」により機能のトレードオフや設計変数の影響を見て取ることができるようになり、設計における意思決定に大いに役立つと期待される。優れた設計をするためには、CAE(Computer AidedEngineering)技術を利用した「見える化」の一層の活用が重要である。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

流体解析、構造解析などの特定分野でCAE 技術の活用が可能。

流体科学研究所 流動創成研究部門 航空宇宙流体工学研究分野
大林 茂 教授 工学博士
OBAYASHI Shigeru Professor

cerebral infarction

新規脳梗塞急性期治療薬(TMS-007)の開発

特徴・独自性

現在、脳梗塞に対し唯一承認を受けている血栓溶解剤はalteplaseであるが、出血性梗塞の副作用などから、適応は厳密に制限され脳梗塞全体の5%程度にとどまっている。
TMS-007 は新しいプラスミノーゲンモジュレーター活性を有する低分子化合物で、血栓溶解作用のみならず、脳保護作用を併せ持つ。サルを含む複数種の脳梗塞動物モデルにおいてalteplase に勝る有効性が検証されている。我々は、TMS-007 の開発を進めている ティムスならびに東京農工大学と共同で開発を行い、早期に臨床試験段階まで育て上げ、製薬企業にライセンスを行うことを目的とする。

病院
冨永 悌二 教授 医学博士
TOMINAGA Teiji Professor

Co alloy

析出強化型Co基超耐熱合金

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特徴・独自性

これまで、Co基合金は高温材料として利用できる金属間化合物γ’相が存在しないため、高温強度がNi 基合金に比べて低い問題がありました。我々は、新しい金属間化合物相Co3(Al、W) γ’相を発見し、γ/γ’型Co-Al-W 基鋳造及び鍛造合金で優れた高温強度が得られています。1100℃以上の超高温用としてはIr-Al-W 合金があります。また、Co 基合金は耐摩耗性に優れる特徴を有しています。例えば、摩擦攪拌接合(FSW)ツールとして優れた特性を示し、従来、FSWが困難であった鉄鋼材料やチタン合金などの接合に対しても高いパフォーマンスを確認しています。各種、高温部材、耐摩耗部材、FSW への適用に向けた共同研究を希望します。

大学院工学研究科・工学部 金属フロンティア工学専攻 創形創質プロセス学講座 計算材料構成学分野
大森 俊洋 准教授 工学博士
OMORI Toshihiro Associate Professor

CO2フリー

超臨界法で合成された金属酸化物ナノ粒子を用いた炭化水素の低温改質反応

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特徴・独自性

超臨界水を反応場とする有機修飾ナノ粒子の合成技術を利用することで、サイズ、結晶面が制御された、様々な金属酸化物ナノ粒子の合成に成功している。低温域での酸素貯蔵/放出能力が非常に高く、有意な速度で酸化的炭化水素の改質反応が進行する。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

バイオマス廃棄物・重質油やメタンの低温改質反応。将来的には廃棄物・プラスチックのCO2フリー完全リサイクルをはじめとした低炭素社会構築につながる技術として期待される。

材料科学高等研究所 ソフトマテリアル
阿尻 雅文 教授 工学博士
ADSCHIRI Tadafumi Professor

Coating

コーティング及び界面修飾に関する分子動力学アプローチ

特徴・独自性

固・液の親和性や濡れ、熱抵抗、分子吸着等のメカニズムを解明し、コーティングや表面修飾などの技術によりこれを制御するための基礎研究を、分子動力学シミュレーションを主な手法として進めている。
熱・物質輸送や界面エネルギー等の理論をバックグラウンドとして、フォトレジストのスピンコーティングからSAM(自己組織化単分子膜)や各種官能基による親水性・疎水性処理まで様々なスケールの膜流動・界面現象を対象としている。また、主に液体を対象として、その熱流体物性値を決定する分子スケールメカニズムや、所望の熱流体物性値を実現するための分子構造に関する研究を行っている。これらの研究に関して興味のある企業との共同研究や学術指導を行う用意がある。

流体科学研究所 ナノ流動研究部門 分子熱流動研究分野
小原 拓 教授 工学博士
OHARA Taku Professor

Cognitive Intervention

脳機能および精神的健康感の維持向上法開発研究

特徴・独自性

スマート・エイジング国際共同研究センター(通称SAIRC)は、国際的な研究拠点として、超高齢社会における新たな統合的加齢科学分野を切り開き、世界を先導するスマート・エイジング研究を通じて、持続可能型高度成熟社会の形成に寄与するため、文系・理系に拘らない架橋融合的研究、国際共同研究、産学連携研究などを展開します。
脳機能イメージング及び実験心理学的手法を核としながら、心を豊かに穏やかに加齢するための方法論的研究を、脳を直接研究対象とした脳科学研究、認知機能向上法開発のための認知心理学研究、認知症予防、メンタルヘルスを対象とした医学的研究、こころや死生観までを対象とした哲学・心理学研究・倫理学研究などを融合して推進します。
スマート・エイジング研究に関する共同研究を募集しますし、学術指導も積極的に行います。

加齢医学研究所 脳科学研究部門 応用脳科学研究分野
川島 隆太 教授 医学博士
KAWASHIMA Ryuta Professor

crystal growth

外場印加により固液界面のエネルギー状態を制御した新しい結晶成長

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特徴・独自性

我々は、結晶成長過程における界面現象と育成された結晶の特性の関係を明らかにするといった立場から、主として融液からのバルク結晶の成長に取り組んでいます。特に、界面に電場を印加することにより結晶と融液の間に電気二重層という極薄領域を形成しナノメータスケールで結晶育成を制御しています。電場印加による具体的な結晶作製研究例として、
1. 融液と結晶のエネルギー関係を制御し、従来育成が不可能とされていた高温圧電センサー用ランガサイト型結晶の開発。
2. 結晶化が困難なタンパク質の核形成を電場印加により容易に実現。
3. シリコン結晶成長において界面の不安定性を制御し、理想的な構造を持つシリコン結晶の開発。
このように21 世紀高度情報化社会に必要な、光学、圧電、磁性等の分野で有用な新結晶や、あるいは、従来育成が困難とされていた結晶の創製の分野で有意義な共同研究ができるものと考えます。

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 持続可能な社会に資する結晶材料・応用デバイスの開発
宇田 聡 教授 Ph.D.
UDA Satoshi Professor

生体組織内のタンパク質等多成分拡散現象に関する研究

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特徴・独自性

物質拡散係数の高精度測定は、諸々の熱物性値測定の中でも極めて困難であり、特にタンパク質においては物質自体が稀有であること、および分子数が大きいため拡散現象が非常に遅いことなど、多くの点から困難とされてきた。これに対し、当研究分野では最新画像処理技術を用いることにより、少量のタンパク質試料で微小非定常拡散領域を高精度に測定する方法を開発した。既存の光学系に位相シフト技術を組み込むことで、解像度がλ /100 程度の精度を実現し、拡散場内のわずかな濃度変化も検知できるシステムを測定系を構築した。生体組織内に代表されるような極限環境下では複数の物質が同時に物質移動する多成分系拡散現象がおきている。本測定法では同時に複数の物質の拡散係数を測定できる特徴を有しており、この測定法を用いることで多成分拡散現象を定量的に評価できる。この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を強く希望する。

流体科学研究所 複雑流動研究部門 伝熱制御研究分野
小宮 敦樹 教授 工学博士
KOMIYA Atsuki Professor

D

DDS

金属ナノ粒子を用いた抗原虫薬の開発 アミノ酸被膜による効果の増強

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特徴・独自性

金属ナノ粒子は、一般的な大きさの金属個体とは異なる物理的、化学的特性を持つ。これらの特性は金属ナノ粒子の比表面積が極めて大きいことに起因する。また、その量子サイズによって特有の物性を示す。
さらに、金属ナノ粒子は微生物を殺滅する活性酸素種を産生する能力があり、膜透過性も持つ。
我々は、アミノ酸被膜金属ナノ粒子がトキソプラズマの増殖を抑制することを報告している。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

マラリアを始め、人類の脅威となっている原虫感染症の予防、治療、診断について、金属ナノ粒子を使った新しいツールを提供できる可能性がある。ナノテクノロジー分野、動物医療を含めた医薬品分野等において活用の可能性がある。

大学院農学研究科・農学部 資源生物科学専攻 動物生産科学講座 動物環境システム学分野
加藤 健太郎 教授 博士(獣医学)
KATO Kentaro Professor

dental alloy

歯科用抗菌性チタン合金の可能性

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特徴・独自性

従来の歯科材料開発は生体適合性や機械的性質に重きが置かれてきたが、抗菌性も重要と考えられる。特に歯科インプラントのように生体内外にまたがって用いられる場合に、術後の予後を大きく向上できると思われる。本研究では、チタンの機械加工性と機械的性質の向上を目的として開発したTi-Ag 合金について、歯科用抗菌性チタン合金の可能性を探った。その結果、Ti-Ag合金は、㈰表面へのバイオフィルムの付着を抑制することで、抗菌性を示した。㈪擬似体液中で表面に自然にリン酸カルシウムを形成し、骨伝導能良好と考えられた。㈫純チタンと同等の耐食性を示した。以上のことから、Ti-Ag合金は、生体にやさしく細菌付着に抵抗する新材料として歯科のみならず医学全般に大きく貢献すると期待される。本研究に関して興味のある企業や団体と共同研究を希望する。

大学院歯学研究科・歯学部 歯科学専攻 リハビリテーション歯学講座 歯科生体材料学分野
高橋 正敏 助教 博士(歯学)
TAKAHASHI Masatoshi Assistant Professor

Design Optimization

次世代設計理論・多目的設計探査−設計空間の見える化−

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特徴・独自性

我々のグループでは「多目的設計探査(MODE)」と名付けて、多目的最適化によるトレードオフ情報の提示により、設計空間の構造を俯瞰的に「可視化」する新しい設計手法を研究している。設計図は形を「可視化」するものだが、本手法は機能の「可視化」を試みるものである。「可視化」=「設計空間の見える化」により機能のトレードオフや設計変数の影響を見て取ることができるようになり、設計における意思決定に大いに役立つと期待される。優れた設計をするためには、CAE(Computer AidedEngineering)技術を利用した「見える化」の一層の活用が重要である。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

流体解析、構造解析などの特定分野でCAE 技術の活用が可能。

流体科学研究所 流動創成研究部門 航空宇宙流体工学研究分野
大林 茂 教授 工学博士
OBAYASHI Shigeru Professor

Developmental Cognitive Neuroscience

脳機能および精神的健康感の維持向上法開発研究

特徴・独自性

スマート・エイジング国際共同研究センター(通称SAIRC)は、国際的な研究拠点として、超高齢社会における新たな統合的加齢科学分野を切り開き、世界を先導するスマート・エイジング研究を通じて、持続可能型高度成熟社会の形成に寄与するため、文系・理系に拘らない架橋融合的研究、国際共同研究、産学連携研究などを展開します。
脳機能イメージング及び実験心理学的手法を核としながら、心を豊かに穏やかに加齢するための方法論的研究を、脳を直接研究対象とした脳科学研究、認知機能向上法開発のための認知心理学研究、認知症予防、メンタルヘルスを対象とした医学的研究、こころや死生観までを対象とした哲学・心理学研究・倫理学研究などを融合して推進します。
スマート・エイジング研究に関する共同研究を募集しますし、学術指導も積極的に行います。

加齢医学研究所 脳科学研究部門 応用脳科学研究分野
川島 隆太 教授 医学博士
KAWASHIMA Ryuta Professor

DMRV

遠位型ミオパチーに対する治療法の開発

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特徴・独自性

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV) は、体幹から離れた部位の筋肉から萎縮していく極めて稀な疾患である。本疾患患者ではGNE という酵素の遺伝子に変異がありN-アセチルノイラミン酸の合成が十分にできない。国立精神・神経医療研究センター疾病研究第一部において、DMRVのモデルマウスを作製し、発症前からN-アセチルノイラミン酸を投与し、運動能力や筋病理像などが正常マウスと同程度に推移することを明らかにした。
N-アセチルノイラミン酸を摂取することにより、DMRV患者において病態の改善又は進行抑制が期待できると考えている。N- アセチルノイラミン酸は、生理的に存在する物質であり、生体内でも合成され、食物としても摂取されている(図)。またN- アセチルノイラミン酸は過去に去痰剤として開発しようされ非臨床試験成績や少ない投与量ではあるが臨床試験成績が公表されている。これらの情報を参考資料とした上で、毒性試験を実施し、現在、第㈵相臨床試験を実施中である。本研究に関して興味のある企業への学術指導をすることが可能である。

大学院医学系研究科・医学部 医科学専攻 神経・感覚器病態学講座 神経内科学分野
青木 正志 教授 医学博士
AOKI Masashi Professor

DNAメチル化

体外受精(出生)児のインプリント異常症診断システムの開発

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特徴・独自性

生殖補助医療(ART) は、不妊症患者に重要な治療法であり、年々増加している。しかし、一方でインプリンティング異常症の増加が指摘されている。これは、ARTにおいてインプリントが獲得される時期の配偶子を操作するため、インプリント責任領域にDNAメチル化が獲得あるいは維持できなかったことにより発症すると考えられている。本研究開発では、ART出生児の臍帯血を用い、インプリンティング異常症に関連する複数の遺伝子群のメチル化の有無について、PCR-Luminex 法を用いた測定系を構築する。現在、ヒト精子の質的機能解析法として応用している。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

従来法より簡便、迅速、安価に検査が可能となるため、容易に臨床現場へ導入が可能である。本システムは、ART出生児のインプリンティング異常症の予防、早期診断として有用かつ重要な検査となるだけでなく、ART操作の安全性評価にもなる。がんや生活習慣病などのメチル化に起因する疾患の診断、予防、治療効果などの判定にも応用可能な技術である。PTC 出願を実施した。

大学院医学系研究科・医学部 共通施設 環境遺伝医学総合研究センター 情報遺伝学分野
有馬 隆博 教授 医学博士
ARIMA Takahiro Professor

DNA分析

水産生物における遺伝的多様性モニタリングシステムの構築

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特徴・独自性

遺伝的多様性の維持は、水圏生物の持続的利用や保全を図る上で重要なポイントです。本研究は、DNA分析と集団遺伝学的な解析を主なツールとして、1)自然集団の遺伝的構造や系統地理を明らかにして保全方策を提言し、2)栽培漁業の対象となっている魚介類について、放流種苗の遺伝的特徴や海域での種苗の生残率または再生産への寄与度を明らかにすることによって、より良い放流方法の確立に貢献することを目指しています。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

海洋や河川・湖沼の生態系の現況調査においては、種数や個体数だけではなく遺伝的多様性についてもモニタリングしておくことの重要性が認識されつつあります。主に分析手法や解析方法についての学術指導や共同研究を行う準備があります。

大学院農学研究科・農学部 附属複合生態フィールド教育研究センター 複合水域生産システム部
池田 実 教授 博士(農学)
IKEDA Minoru Professor

drug design

実践的かつ経営的処方を支援する薬品決定支援システムおよびプログラムの開発

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特徴・独自性

糖尿病における実地医療現場で実践的かつ経営的処方術を実施するための薬剤決定支援システムおよび薬剤決定支援プログラムを発明した(特許第4176438号)。
我が国の保健医療現場における医師の処方は1 剤205 円以内の6 剤投薬と規定されている。この制限を越えた投薬を施行した場合には薬価請求額の10% が減額されるしくみになっている。但し、服用法が同じで、かつ205 円以内に収まる複数の薬剤は1 剤とみなされ、6剤を越えた処方がなされても6 剤以下の処方と扱われる。
一方、我が国の高齢化社会では加齢に伴い糖尿病患者が増加している。糖尿病合併症を含めその治療薬を1 人の内科医が処方すると容易に6 剤投薬を超えてしまう。そこで医療経営的にジェネリック(後発品)の使用が不可欠となる。しかし、医師が先発品と後発品の医薬情報を薬価まで熟知し瞬時に処方を行うことは極めて難しい。本発明は主に糖尿病診療における内科医の処方技術を実践的かつ経営的に改善するものである。
本発明(特許)を活用して事業化を企てる企業または出資者・開発支援者を求めている。
ソフトウエアのサンプルあり。

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 戦略的食品バイオ未来産業拠点の構築
野々垣 勝則 教授 医学博士
NONOGAKI Katsunori Professor

DTN

圏外でも通信可能な“スマホdeリレー”

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特徴・独自性

爆発的に普及したスマートフォンですが、そのWiFiを活用すれば、携帯電話がつながらなくても、隣の人はもちろん、周囲のスマートフォンにデータをリレーしてもらうことで遠くの人とも情報を交換することが可能になります。現在研究開発を進めている省電力技術やセキュリティ技術が確立すれば、電池残量を気にする必要もなく、他人にデータを見られる心配もなく、通信することが可能になります。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

災害等の緊急時の情報発信、商店街等での広告・クーポン配布、イベント会場等での少人数グループ内情報交換、団体旅行・登山等でのトランシーバ的な利用、新興国等での通信サービスなどへの応用が期待できます。

大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 応用情報技術論講座 情報通信技術論分野
加藤 寧 教授 工学博士
KATO Nei Professor

E

e-voting

日本における民主主義のデジタル化

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特徴・独自性

世界的なパンデミックによって、非接触による選挙の実施を世界の民主主義国は迫られている。有力な方法と考えられているのはインターネット投票であるが、日本では導入するできる可能性はほぼない。同様に、感染リスク低減のためにオンラインによる議会の実現が急務であるのにもかかわらず、実現に乗り出す議会は少数派である。本研究では、民主主義のデジタル化を妨げる要因を明らかにし、社会実装の可能性を追求する。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

この研究は選挙管理委員会や地方議会といった民主主義制度を支える組織の改革に貢献できる。また電子端末を開発しそれを実装したいと考えるベンダーに対し知見を提供できる。

大学院情報科学研究科 人間社会情報科学専攻 社会政治情報学講座 政治情報学分野
河村 和徳 准教授 博士(情報科学)
KAWAMURA Kazunori Associate Professor

ecological environment

江戸博物学の成果から動植物分布・環境の変遷を探る

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特徴・独自性

動植物の命名記載の学としての博物学が隆盛を極めた18世紀から19 世紀初頭に、欧米以外では唯一、日本が独自の博物学を発達させ、広く動植物の情報を収集整理していた。その成果を現代に役立てる研究である。即ち、江戸博物学の膨大な文献と明治期以降の資料を合わせて、ファウナとフローラの変遷を読み解くに足る資料を抽出し、現在の分類学の見地から再整理し、我が国と周辺地域におけるその変遷を極力具体的に明らかにしようとしている。
例えば鳥では、旧ロシア帝国のシベリア開発と日本による千島開発の試みが行われた時期に、我が国のガン類の渡来状況が一変していることが通時的に把握できる。環境の人為的改変や気候の変動が生じる前後の自然環境の変化を歴史的に極力客観的に記述することは、保全すべき、あるいは再構築すべき環境の姿を描き出す一助となる。本研究に関して興味のある企業へ学術指導を行う用意がある。

大学院国際文化研究科 国際文化研究専攻 国際日本研究講座
鈴木 道男 教授 博士(国際文化)
SUZUKI Michio Professor

electron correlation

分子性有機物質の新電子物性開拓

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特徴・独自性

有機分子の集積によって構成されている分子性伝導体を中心に研究を進めています。分子で構成されている有機物質の特徴は“やわらかい”ことです。この特長から、近年、有機ELデバイスなどの軽量で“曲がる”エレクトロニクス材料として注目されています。当研究室では、このような分子性有機物質の基礎的物性( 金属- 超伝導- 絶縁体) の解明、新物性の開拓を目指しています。
分子性有機物質は、無機物質と比べて“やわらかく”大きく広がった分子軌道や電荷の分布、また分子自身の持つ構造自由度などのために、電荷- スピン- 分子格子- 分子内結合の間にゆるやかで大きな自由度を有しています。このナノ分子サイズの“やわらかい”複合的自由度と強く関係している超伝導から絶縁体までの多彩な電子状態がバルクな物性として現れます。このような分子性物質の特長をフルに活かして、電子物性物理の重要で興味ある問題にチャレンジしています。 このような研究に興味のある企業への学術指導を行なう用意があります。

大学院理学研究科・理学部 物理学専攻 金属物理学講座(協力講座) 超伝導物理分野
佐々木 孝彦 教授 工学博士
SASAKI Takahiko Professor