病原因子を標的とした新規抗菌剤の開発を目指したスクリーニング系の開発
更新:2020-06-16
特徴・独自性
ペニシリンの発見以来、各種抗菌剤が発見され重篤な細菌感染症は制御しうる病となった。しかし近年、多剤耐性能を有する各種病原細菌が出現し大きな社会問題となっている。これら細菌感染症の脅威に対抗するためには、新規抗菌剤の継続的な研究開発が必須であり社会的にも強く求められている。既存の抗菌剤の多くは細菌の生存に必須の代謝過程をターゲットとしており新規抗菌剤が登場しても耐性菌は必ず出現するためこの耐性菌問題を避けて通ることはできない。一方、病原細菌が宿主に感染する際に必要な病原因子は細菌の生存に必ずしも必要ではないため、その阻害剤に対する耐性菌の出現頻度は低いと考えられ新規抗菌剤のターゲットとして関心が集まっている。我々はこのような病原因子のなかで新規なタンパク質分泌系であるTat系と鉄代謝系に注目し、それらを標的とする新しいスクリーニング系を開発し、これらの病原因子に対する阻害剤の探索を試みている。この技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。研究者
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関連情報
(2) Tat Pathway-Mediated Translocation of the Sec-pathway Substrate , OprM, an Outer Membrane Subunit of the Resistance-Nodulation-Division Xenobiotic Extrusion Pumps, in Pseudomonas aeruginosa. Chemotherapy, 59, 2013, 129-137.
(3) Development of a Novel Antimicrobial Screening System Targeting the Pyoverdine-Mediated Iron Acquisition System and Xenobiotic Efflux Pumps. Molecules 20, 2015, 7790-7806.
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