放射光による原子スケールの構造測定
更新:2025/07/28
- 概要
主に放射光の回折を用いて、高い精度で構造観測を行います。エピタキシャル薄膜や固液界面など,計測技術が確立していない測定対象を見るのが特徴です。
- 従来技術との比較
大強度の放射光と,情報科学を併用することで,標準的なX線構造解析の手法が適用できない物質の構造を明らかにします。
- 特徴・独自性
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周期性が完全でない物・表面や界面の構造解析が可能です。
過去の実績としては有機半導体の表面構造緩和の観測、酸化物の界面構造解析を多く行っています。ある程度平滑な表面(AFM で見える程度、ステップ表面)があれば、その表面近傍の構造を非破壊・非接触で0.01nm の精度で決める事が可能です。 - 実用化イメージ
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固液界面でのプロセスの進行過程を見るような応用が考えられます。
図1: 測定セットアップ、図2:20ms露光でのX 線反射率測定による固液界面構造観測例
空間分解能と時間分解能はトレードオフの関係にありますが、この例は時間分解能を20ms まで上げる事を目指し、代わりに空間分解能はナノメートル程度まで悪くしています。 - キーワード
研究者
大学院理学研究科
若林 裕助 教授
修士(理学)(慶應義塾大学)/博士(理学)(慶應義塾大学)
Yusuke Wakabayashi, Professor