登録されている研究者 444人(研究テーマ426件)

音声・音楽をターゲットとした信号処理・情報処理

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 音を中心としたさまざまな情報処理の研究を行っています。音声認識関連では、これまでに、音声認識の高精度化、音声によるロボットとの対話システムなどの研究を行ってきました。特に対話システムでは、手軽に作成できて柔軟な対話システムの開発、画像も併用したマルチモーダル対話システムなどを研究しています。また、これを応用し、外国語のスピーキング教育のための学習支援システムの技術を開発してきています。音声以外の一般音認識として、環境内での異常音の検出の研究を行っています。音声・音楽の符号化関連の研究としては、電話音声やMP3符号化音声への情報埋め込みの研究、またこれらの音信号をインターネットでストリーミング配信する時のパケットロス耐性を向上させる研究、補助情報を用いて音楽信号の操作を行う研究などを行ってきています。音楽情報処理の研究としては、ハミング音声を使った音楽情報検索の研究や、カラオケをターゲットとした歌声の自動評価の研究などを行っています。これらに限らず、信号時系列(音信号、センサーデータなど)や記号系列(自然言語、シンボル系列)のモデル化、認識、圧縮、データマイニングなどの技術を持っています。これらの技術を必要とする企業に対して、技術指導および共同研究を行う用意があります。
実用化イメージ

研究者

大学院工学研究科

伊藤 彰則  

Akinori Ito

便中の腸内細菌で腎癌を診断できる!

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概要

腎癌診断マーカー
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T22-355.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 腎癌の診断においては、有効な血液マーカーがなく、超音波、CT、MRI などの画像診断が採用されています。これらの診断は健康診断などにおいて必須項目でないことが多く、自発的な検査が必要ですが、腎癌は自覚症状が出にくいため、発見が遅れるという問題があります。本発明では腎癌患者の便から腎癌に特異的な属を特定したことに基づく、新規腎癌マーカーに関するものです。
実用化イメージ

以下のような社会実装への応用が想定されます。
・便検査キット
・マイクロバイオーム解析によるがん診断

研究者

大学院医学系研究科

伊藤 明宏  

Akihiro Ito

newコミュニティー・シェッドの効果検証と社会実装

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概要

壮年期・高齢期の人々の孤独・孤立を未然に防ぐことを目的に、「コミュニティー・シェッド(以下、シェッド)」を日本に導入し、効果を科学的に検証するプロジェクトを進めています。シェッドは、高齢男性のための居場所「メンズ・シェッド」としてオーストラリアで始まり、現在はイギリス・アイルランド・カナダ・アメリカなど多くの国に広まっています(全世界で3,000か所以上、10万人超が活動)。他のメンバーと肩を並べ自由に活動を行う中で、生きがい・やりがい・友人が見つかる居場所です。

従来技術との比較

日本では、退職後の高齢男性の孤立が深刻化しており、新しい役割や生きがいを見出す場が不足しています。我々のプロジェクトはSIAH(社会的アイデンティティアプローチ)やSocial Cureの知見に基づき、社会的アイデンティティ(帰属意識)の再構築を重視しています。従来技術が解決できなかった「所属」や「つながり」、「主体性の再獲得(エンパワメント)」に働きかける点で、シェッドは独自の価値を有します。

特徴・独自性
  • 熊本県水上村の「寄部屋(よろうや)」や札幌市西区の「ポッケコタン」などの事例から、孤独感の軽減、身体的健康感・認知機能の改善、社会的つながりの拡大等の効果が確認されつつあります。肩を並べての共同作業(Shoulder to Shoulder)は自然な形で関係性構築を促し、参加者に新たな生きがい・やりがい・社会的つながり・所属感をもたらします。英国では、医者が患者に地域コミュニティとの社会的つながりを処方する「社会的処方」が知られており、シェッドが重要な役割を果たしています。
実用化イメージ

退職を契機とした社会的ネットワークの喪失は、健康・死亡リスクを高める要因です(Steffens et al., 2016)。コミュニティー・シェッドは、「Shoulder to Shoulder(肩を並べて)」の活動を通じて、退職後の男性を中心に新たな繋がりや役割を生み出し、孤独・孤立を予防する仕組みです。企業との連携では、健康経営・地域共生・ウェルビーイング推進といった分野での共同実証やサービス開発が期待されます。例えば、企業OBのセカンドキャリア支援、健康寿命延伸を目指したプログラム開発、地域CSR活動との統合等の応用可能性があります。こうした協働を通じて、社会的課題の解決と企業価値の向上を両立する新しいモデルを提示することが可能です。

研究者

大学院教育学研究科

伊藤 文人  

Ayahito Ito

各種環境に対応した大深度地殻応力計測技術

特徴・独自性
  • CO2の地中貯留、深海底面下にあるメタンハイドレート層からのメタンガス生産、地熱エネルギー抽出などのフロンティア地殻工学、さらには、原子力発電所の耐震設計等への応用を目的として、対象地層に作用する地殻応力を孔井を使って定量的に評価するための方法を開発している。これによれば、地表面ないし海表面からキロメートル級の深度、高温環境さらには固結のみならず未固結岩体への適用が可能である。特にBABHYと名付けた方式については、800 mという実用深度での適用実験に成功した。また、この業績に対して、国内岩の力学連合会論文賞、米国岩石力学協会論文賞などを受賞した。これらの技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。
実用化イメージ

研究者

流体科学研究所

伊藤 高敏  

Takatoshi Ito

サイクロトロン加速器技術の開発と応用研究

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • サイクロトロン加速器に関連した技術開発および様々なイオンビームや中性子ビームを用いた基礎・応用研究を行っています。具体的には1) イオン源開発(特に重イオン源)、2)イオン光学設計(ビーム輸送技術)、3)加速器関連の装置制御技術開発、4) 高周波共振器の開発、5) イオン・ガンマ線・中性子等の放射線測定、6) イオンビーム・中性子ビームによる放射線耐性試験などです。
実用化イメージ

耐放射線に強い材料や回路を設計するための、陽子からXe に至るまでの重イオンビーム・中性子ビームなど多彩な量子ビームを用いた放射線耐性試験や、高速中性子ビームによるイメージング技術を開発しています。

研究者

先端量子ビーム科学研究センター

伊藤 正俊  

Masatoshi Itoh

バイオ燃料生産に適したイネの開発研究

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • セルラーゼ遺伝子を用いたバイオ燃料生産に適したイネの開発研究を行っています。収穫前にセルラーゼを高発現させ細胞壁の部分分解を行えば、収穫後の稲わらの糖化性が向上するのではないかと考えました。まず、セルラーゼを恒常的に高発現するイネを作成したところ、稲わらの糖化性は向上しましたが、形態異常や不稔が観察されました。そこで、老化時期特異的にセルラーゼを高発現させたところ、形態や稔性は正常で稲わらの糖化性が向上しました。
実用化イメージ

未利用稲わらをバイオマスとして有効利用できます。この技術は他の植物に応用可能です。また、改良されている前処理や糖化・発酵微生物と組み合せることによりさらにバイオ燃料生産の効率化が図れます。

研究者

大学院農学研究科

伊藤 幸博  

Yukihiro Ito

イネを用いた有用タンパク質の超低コスト生産

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概要

多剤耐性菌の蔓延が公衆衛生上の脅威となっている。国内の抗生物質の半量は家畜に使用されており、畜産業での抗生物質の使用量の削減が急務となっている。私たちは、耐性菌が出にくい抗菌タンパク質、抗菌ペプチドを畜産業でも利用可能な価格で生産する手法の開発を行っている。特に、イネを用いて植物工場の電気コストを大幅に削減できる暗所での生産と精製コストを削減できる振盪培養細胞を用いた生産を目指している。

従来技術との比較

有用タンパク質は動物細胞や微生物を用いて生産されているが、生産コストが高いことが問題となっている。私たちは、食経験から安全性が担保されているイネを用いて、有用タンパク質を超低コストで生産する手法の開発を行っている。

特徴・独自性
  • 暗所でイネの種子を発芽、生育させることにより植物工場の電気コストを大幅に削減することができます。光合成タンパク質が抑制されるため、目的タンパク質の生産量が増加します。融合タンパク質として生産し、タンパク質抽出後に自動的に融合部位を切断することにより、イネの生育に負の影響を与えるペプチドも生産可能です。全てのタンパク質生産に応用可能です。
実用化イメージ

有用タンパク質遺伝子を持つイネの種子を照明施設なしの植物工場(もやし工場)で発芽、生育させ、芽生え(イネもやし)からタンパク質を抽出、精製します。振盪培養細胞から細胞外に分泌し、培養上清を用います。

研究者

大学院農学研究科

伊藤 幸博  

Yukihiro Ito

ビッグデータの意味解析を可能にする自然言語処理技術

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特徴・独自性
  • 膨大な言語データを意味的に解析し必要な情報・知識を抽出する技術、抽出した情報・知識を分類・比較・要約する技術、それらを可能にする世界最速の仮説推論技術など、先進的な自然言語処理技術を研究開発しています。また、これら基盤技術をウェブやソーシャルメディアなどのビッグデータに適用し、大規模な情報・知識マイニングや信頼性の検証支援、耐災害情報処理などに応用する実践的研究も展開しています。
実用化イメージ

言語意味解析に基づく高度なテキストマイニングによる市場動向調査や技術動向調査、隠れたニーズやリスクの発見、社内文書の構造化・組織化による知識管理支援、対話システムなど、多様な分野・業種との連携が可能です。

研究者

言語AI研究センター

乾 健太郎  

Kentaro Inui

極低放射能環境での高感度放射線計測

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • ニュートリノ科学研究センターでは、温湿度・振動などの点で非常に安定した地下1000m の空間に、1200立方メートルの有機シンチレータを主体とした装置を構築し、自然界と比べて1兆倍も放射線の少ない極低放射能環境を実現しています。そこでは、超高感度での放射線計測、特にニュートリノ観測を実施しているほか、極低放射能を実現するための純化装置や高機能な放射線測定装置の開発も行っています。
実用化イメージ

極低放射能環境は希な現象の研究に適しているほか、微量放射能測定環境や放射線の生物進化への影響調査などへの活用が考えられます。また、ニュートリノ観測技術の原子炉モニターへの応用や、高感度放射線測定技術の医療への応用の可能性も考えられます。

研究者

ニュートリノ科学研究センター

井上 邦雄  

Kunio Inoue

超臨界流体の物性に立脚した抽出分離、洗浄

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 超臨界流体に関する基礎的な物性として、高温高圧下での密度、粘度の測定と推算、高温での水素結合特性についての研究を行っています。また、それらを利用した応用技術として、天然物の分離・精製、クリーニング洗浄、不純物除去による高純度化、機能性付与などの利用技術についての研究を実施しています。
実用化イメージ

洗浄技術:精密機械部品、光学部品など。天然物分離:食品、サプリメント、香料。ポリマー可塑化:機能性樹脂、電子部品材料など。

研究者

未来科学技術共同研究センター

猪股 宏  

Hiroshi Inomata

超臨界二酸化炭素による洗浄ならびにクリーニング

概要

高圧のCO2の浸透力と溶解力ならびに高膨張性を利用した、本質的なドライクリーニング、洗浄・再生技術

従来技術との比較

本質的なドライ・乾式の洗浄で、ナノ空間への浸透性も高い。また無酸素状態での洗浄か可能。

特徴・独自性
  • 超臨界状態のCO2を溶媒とした洗浄プロセス、液体状態の有機溶媒を利用しない本質的なドライクリーニング、洗浄技術です。液体溶媒を用いず、処理後は減圧にて溶媒残留がないことから乾燥工程が不要で省エネルギーであり、かつ毛管応力による構造体の収縮も抑制できます。加えて、微細構造物に対する洗浄、除去再生が可能で、現在高性能フィルターの再生技術は、実用化されています。
実用化イメージ

精密機器。フィルターを利用する空調機器や精密機械メーカーや管工事関係事業が対象となるでしょう。クリーニングや洗浄の逆プロセスである染色やインプラグネーション(含浸)も可能となります。対象溶質を選定すれば、機能性材料の創成につながる技術になります。また、文化財の保存も、乾燥や保存剤含浸という点と、収縮抑制という観点から、本技術の適用・利活用が可能となります。

研究者

未来科学技術共同研究センター

猪股 宏  

Hiroshi Inomata

迷光強度を1/1000以下にできる分光器

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概要

迷光強度を1/1000以下にできる分光器
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T21-068.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  •  分光器を用いて分光する場合、入力光の1次反射光のほか、0次反射光、2次回折光、その他の分光器内に生じる散乱光などの影響により、広い波長範囲に渡る種々の迷光が発生します。特に、レーザのような強い光を光源として用いて、試料からの弱い信号光を検出するような測定では、迷光の影響により信号光の検出が難しくなります。
  •  分光器の迷光を低減させるため、誘電体膜を用いたカットフィルタや、モノクロメータを直列に接続したダブルモノクロメータ型分光器などが開発されています。しかし、これらの方法を用いた場合、広い波長範囲に渡る迷光を一度に除去できないことが課題として挙げられていました。
  •  本発明は、広い波長範囲(例えば近紫外~近赤外)の迷光を除去できる機構を備えた分光器に関するものです。図に、本発明を用いた超伝導体からの高調波の観測結果を示します。超伝導体の高調波のうち、3 次高調波(2.1eV = 590 nm 付近)はどのような分光器を用いてもはっきりと観測できますが、5 次高調波(3.5 eV = 354nm 付近)は本発明を用いることにより、従来の方法とくらべ2 桁半(数百倍)~ 3 桁半(数千倍)もノイズレベルを減ずることができます。
実用化イメージ

以下のような社会実装への応用が期待されます。
・ラマン散乱分光
・分光蛍光測定
・高調波観測
・その他、レーザ光を試料に照射する方法を用いた種々の分光測定

研究者

大学院理学研究科

岩井 伸一郎  

Shinichiro Iwai

液体ロケットエンジン・ターボポンプに発生するキャビテーションの諸問題

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • キャビテーション現象は、液体を作動流体とする流体機械内部の低圧部において液相が気相へと相転移する現象であり、その非定常性や壊食性が流体機械の振動や騒音、性能低下、損傷などの原因となることで知られています。液体ロケットエンジンのターボポンプでは、メインポンプでのキャビテーションの発生を防ぐことを目的に、入口部にインデューサと呼ばれる軸流ポンプが取り付けられていますが、逆にインデューサではキャビテーションが不可避的に発生します。インデューサに発生するキャビテーションは、推進剤の脈動や回転非同期の軸振動の原因となる「キャビテーション不安定現象」を引き起こす場合があり、問題となります。これまで、独自に開発した気液二相均質媒体モデルを用いた数値解析により、単独翼に発生する非定常キャビテーション特性、翼列に発生するキャビテーションの破断特性、三枚周期翼列に発生するキャビテーション不安定現象の発生メカニズムの解明を行ってきました。さらに、翼にスリットを設けることによるキャビテーション不安定現象の抑制手法の開発を、数値解析を用いて行ってきました。数値解析で予測された最適なスリットを実機インデューサに適用し、JAXA 角田宇宙センターにおいて抑制効果の検証実験も行っています。現在、数値本解析手法を液体水素等の極低温流体系へと拡張し、極低温流体で顕在化することが知られている「キャビテーションの熱力学的抑制効果」の解析を行っています。その他、本研究は原子力発電プラント保全技術、海洋・沿岸安全技術、水質保全、医療分野への応用が可能です。この数値解析手法を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望します。
実用化イメージ

研究者

流体科学研究所

伊賀 由佳  

Yuka Iga

多元系酸化物ナノ粒子からなる高活性触媒開発

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概要

多種の金属元素からなる多元系酸化物は、近年触媒材料として注目される材料である。当研究グループでは最近、多種の金属元素からなる多元系酸化物ナノ粒子の合成法を確立した。得られた触媒は、高活性な電気化学触媒(電極触媒)材料、あるいは物質・エネルギー変換反応を進行させる触媒として機能することが期待できる。

従来技術との比較

従来研究では、多元素酸化物のナノ粒子化は困難であったが、本研究では粒子径の制御された単分散ナノ粒子の合成に成功した。

特徴・独自性
  • 従来法では合成できなかった多元系酸化物ナノ粒子が合成できます。
  • 目的とする反応に応じて、様々な金属元素・組成を有するナノ粒子の設計が可能です。
  • 従来触媒では達成できなかった活性・安定性が期待できます。
実用化イメージ

高効率な電気化学的物質・エネルギー変換反応、選択的な物質変換(バイオマス等)反応を実現する触媒材料として、環境・エネルギー問題への貢献が期待できます。

研究者

多元物質科学研究所

岩瀬 和至  

Kazuyuki Iwase

バイオ材料とナノテクノロジーに基づくセンサ・電子デバイスの開発

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概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • エレクトロニクス分野で培われてきた技術を応用して、健康で安全な社会を発展させ、私たちの生活の質を高めるようなデバイスの開発研究を進めています。例えば、半導体のセンサインターフェイスとしての特性を、薬物検出やスクリーニングアッセイなどの生化学・医療用途に利用する研究や、生きた細胞を使って神経回路を作り上げ、脳の機能解析を支援する新規技術の開発を進めています。
実用化イメージ

シリコンチップ上に形成した人工細胞膜にイオンチャネルタンパク質を埋め込むと、極限まで規定された環境下でその機能や薬理応答を調べることができます。この技術は、新薬候補化合物の高感度な迅速検出法につながります。

研究者

電気通信研究所

平野 愛弓  

Ayumi Hirano

応答挙動に基づくシングルチャンネルマルチガスセンシング材料の開発

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概要

本技術は、単一のセンサーチャンネルで複数のガスを識別可能な「応答―挙動選択性」型ガスセンサーの開発に関するものです。VO₂(M1)相をベースに、元素ドーピングによって電子構造を制御することで、アンモニア(NH₃)や硫化水素(H₂S)などのガスに対して異なる応答挙動(上向き/下向き)を示し、混合ガス中でも高精度な識別を実現します。室温で作動可能であり、ヘルスケア分野への応用が期待されています。

従来技術との比較

従来の半導体型ガスセンサーは「応答―強度選択性」に依存しており、類似した性質を持つガスの識別が困難でした。また、複数のガスを検出するには多チャンネル構成が必要で、デバイスの小型化や低消費電力化に課題がありました。本技術では、シングルチャンネルでマルチガス識別を可能にすることで、干渉を抑えつつ高い選択性を実現しています。

特徴・独自性
  • 「応答挙動―選択性」という新しいセンシング概念を提案し、ガス応答の方向性(正方向/逆方向)に基づいて識別を行います。理論計算により応答挙動を予測し、元素ドーピングによってその制御が可能である点が独自性です。さらに、フレキシブルなセンサーチップの製作が可能であり、ウェアラブルデバイスへの応用にも適しています。
実用化イメージ

排便・排尿を識別するスマートおむつや、呼気による健康状態のモニタリング、VOC検出などの用途が想定されています。今後は、MEMS技術やIoTとの連携により、デバイスのさらなる小型化や信号伝達の効率化を図りながら、実用化に向けた開発を進めてまいります。

研究者

多元物質科学研究所

Yin Shu  

Yin Shu

毒性のある遷移金属を含まないカラフルな酸化チタン顔料

概要

ニ酸化チタン着色粒子
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T19-849.pdf

従来技術との比較

遷移金属化合物は多彩な色を示すことで知られている。これまで、遷移金属イオンのドープにより、白色の酸化チタンを着色させることは可能であるものの、遷移金属に由来する生体毒性を回避することが難しい。

特徴・独自性
  • 本発明では、毒性のある他の遷移金属を含まず、白色、黄色、赤色、グレー、緑色、紫色、黒色、肌色など、様々な色を有する酸化チタン無機顔料を実現しました。
実用化イメージ

生体毒性が課題となる化粧品分野等での酸化チタン顔料の新規応用が期待できます。

研究者

多元物質科学研究所

Yin Shu  

Yin Shu

基板フリー型新規無機パール顔料の創製

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概要

本提案は、優れたパール効果を有する新規リン酸バナジウムベース板状粒子に関する提案です。溶液プロセスと水熱合成を使用し、約200μm 程度の大きな板状単結晶粒子を合成することができ、鮮やかな黄色や緑色などを発色し、液体中における流れ線、光学顕微鏡における虹状光沢が肉眼で確認でき、撮影角度による色変化も確認できます。従来型と異なる構造を有し、単一組成で構成される新規パール顔料としての利用価値が期待されます。

従来技術との比較

従来型パール顔料はマーカーの表面に酸化チタンなどをコーティングした構造であり、2-Stepで合成されることは一般的であり、組成は酸化チタンに限定されることはほとんどである。

特徴・独自性
  • 本提案は従来のコンポジット型ではなく、基板フリーな新規パール顔料である。単一組成、尚且つ層状構造を有し、大きな板状形態により、パール効果がより顕著となる。溶液プロセスで合成されるため、板状粒子サイズの制御も可能である。
実用化イメージ

化粧品・車用塗料・携帯外装装飾などへの応用が期待される。

研究者

多元物質科学研究所

Yin Shu  

Yin Shu

バイオスティミュラント(植物調節 剤・農薬)の探索

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概要

農薬の代替であるバイオスティミュラントの開発を行います。植物の活性を調節するイオン輸送体などを標的分子とする化合物を探索します。植物に、耐乾燥性、耐塩性、光合成機能の向上、成長調節機能の人為的な強化を目指しています。

従来技術との比較

化学、農薬、食品、資材業界の専門家の協力と連携によって、より高性能で田畑で効果のあるバイオスティミュラントや天然の農薬の基盤化合物を探索します。

特徴・独自性
  • 農薬の代替であるバイオスティミュラントの開発を行う.植物の活性を調節するイオン輸送体などを標的分子とする化合物を探索する.植物に,耐乾燥性,耐塩性,光合成機能の向上,成長調節機能の人為的な強化をめざす.
実用化イメージ

候補化合物を,化学,農薬,食品,資材業界の専門家の協力と連携によって,より高性能で田畑で効果のあるバイオスティミュラントや天然の農薬として発展させることができればと思っています.

研究者

大学院工学研究科

魚住 信之  

Nobuyuki Uozumi