登録されている研究者 431人(研究テーマ419件)

精密ものづくり計測に関する研究

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 精密加工品の形状および精密機械の運動を必要な精度で計測するという精密ものづくり計測の研究に取り組んでいます。独自の計測原理に基づいて、グレーティングなどの微細格子と波動光学系を組み合わせることによって、超精密ものづくり計測の基本道具となる高精度かつコンパクトな多軸変位、角度センサを実現させています。各種超精密およびマイクロ加工品の形状を高速高精度に測定する実用的なシステムの開発も行っています。
実用化イメージ

多軸変位、角度センサは半導体および電子部品製造・検査装置、超精密加工機、超精密測定機の運動計測に活用され、また、形状測定システムは超精密加工分野で利用されることを期待して、産業界との共同研究を希望します。

研究者

大学院工学研究科

高 偉  

I Ko

半導体における電子スピン波を活用した多重情報処理基盤の確立

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 電子スピンが回転しながら空間伝搬するスピンの「波」を新たな情報担体に利用する学理構築と半導体産業の更なる発展に向けた次世代情報処理基盤を目指します。半導体の電子スピン波は長い寿命と優れた制御性を兼ね備え、光情報通信とも相性が良い特徴を有します。よって、半導体素子のスケーラビリティと融合させることで、既存技術の延長線上にない方法で、膨大な情報量を伝送・処理できる固体スピン波情報プラットフォームを構築します。
実用化イメージ

企業とこれまでに共同研究を実施し、特許11件・論文9件として纏めてきました。高感度センサや不揮発メモリ・半導体関連企業との共同研究と共に、将来的にはベンチャー企業を立ち上げたいと考えていますので、様々なステークホルダーの皆様と積極的な協働を進めていければと考えています。

研究者

大学院工学研究科

好田 誠  

Makoto Koda

半導体を活用した次世代情報処理基盤の創生

前の画像
次の画像
概要

<研究内容>
半導体において、電子のスピンを高度に制御・活用し初めて可能になる新機能や素子応用に関する研究を進めています。特に外部磁場や磁性体を必要とせず、半導体だけを用いてスピンを自由に操る原理を生み出し(右図上段)、既存半導体産業と極めて整合性の良いスピン機能の確立を目指しています。さらに、電子スピンが回転しながら空間伝搬するスピンの「波」を新たな情報担体に利用した新概念演算や量子情報に資する基礎学理の構築を目指します。本研究では半導体における電子スピン波を情報担体に活用する研究を進めますが、最終的には光偏波・電子スピン波・マグノンを活用することで情報基盤全体で波動性を持った情報担体を操作できる基盤を構築していきたいと考えています。
<代表的な共同研究・競争的資金等の課題>
波動性情報担体を用いた固体多重情報基盤の創出(代表者:好田誠)JST戦略的創造研究推進事業,2022年12月-2027年3月.電子スピン波を用いた革新的情報処理・伝送の創生(代表者:好田誠)科研費基盤研究(A)2021年4月-2026年3月.

従来技術との比較

特徴・独自性
実用化イメージ

研究者

大学院工学研究科

好田 誠  

Makoto Koda

マグノンデバイスの開発と放射光を利用したスピン波観測技術の構築

概要

現在の電子デバイスは電子の移動を利用しているためジュール熱が発生し小型化・高速化が困難になるという課題があります。これを解決するためスピン波を利用するデバイスの研究開発を行っています。スピン波には、長距離伝搬が可能、絶縁体中でも伝搬が可能という利点があります。スピン波の観測のため、X線磁気円二色性によるスピン波の空間的分布を観測する技術を構築しています。

従来技術との比較

ジュール損失がない超低消費電力の次世代デバイスの実現を目指しています。高輝度の光源を有するナノテラスを用いることで、100 nm以下の高い分解能での観測が可能になることが期待できます。

特徴・独自性
  • スピン波(マグノン)伝搬を利用した、ジュール損失がゼロであるデバイスの研究を行っています。NanoTerasu の輝度が高い軟X 線を使うことで高分解能のスピン波観測の可能性があります。スピン波の波の性質を用いた高周波デバイスや新しい計算手法を展望します。
実用化イメージ

広く応用が期待されるスピンデバイスにおけるスピン波観測技術を提供することで実用化を支援するとともに、磁性絶縁体を利用したマグノンデバイスによる電子デバイスの超低消費電力化の実現を目指しています。

研究者

国際放射光イノベーション・スマート研究センター

河野 竜平  

Ryuhei Kohno

光学情報検知装置及び顕微鏡システム

前の画像
次の画像
概要

光学情報検知装置及び顕微鏡システム
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T15-198.html

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 走査型レーザー顕微鏡は集光したレーザー光を試料上で走査し、試料からの反射・散乱光や蛍光を計測することで、試料の微細構造や蛍光プローブの局在を可視化します。従来の走査型レーザー顕微鏡は、顕微鏡の光軸に直交する面(観察面)の2D 画像の高速取得が可能な一方で、三次元観察のためには観察面を光軸方向に機械的に移動しながら逐次画像取得を行う必要があり、リアルタイムでの三次元画像の取得が困難でした。
  • 本発明では、検出信号に対する波面制御を原理として、観察試料の光軸方向に沿った空間情報を受光面での空間的な位置情報として検知することを可能にしました。本発明によって、光学系や検知対象物を光軸方向への移動無しに、レーザー集光スポットの二次元走査のみで対象の深さ情報を一挙に取得する、高速な、リアルタイム三次元イメージングを可能にします。
実用化イメージ

以下のような産業における社会実装が想定されます。
・三次元画像の高速取得が求められる分野
・生命機能解析等の生物分野・生体分野や医療分野
・微細な機能性素材の開発が進められている金属、化学等の産業分野

研究者

多元物質科学研究所

小澤 祐市  

Yuichi Kozawa

口腔内設置型生体モニター・治療装置

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 高齢者や闘病生活時の全身状態を健康管理センターで集中的にモニタリングし、必要に応じて遠隔操作によって薬剤投与などの治療行為を行う健康支援システムを提供します。本システムは、口腔内設置の床義歯またはマウスピースに各種生体センサーや体姿勢や運動を検出する活動センサー、データを無線方式で管理センターに送受信する通信機、管理センターからの指令に基づいて作動する薬剤投与機構などから構成されます。
実用化イメージ

義歯等に組み込むために違和感なく導入でき、入院中の患者の健康管理から一人暮らしの高齢者の健康支援までを支援する機器です。これからの高齢社会に必須の機器となります。

研究者

大学院歯学研究科

小関 健由  

Takeyoshi Koseki

生物活性の探索をアウトソーシングしませんか - ウイルス・腫瘍・細菌を中心に -

前の画像
次の画像
概要

感染症予防には感染対策、ワクチンもありますが、それらをすり抜けて感染してしまうこともあります。また時間とともに免疫低下も起こりえます。その治療薬を開発しています。

従来技術との比較

主たるウイルス感染症をカバーしています。感染性微生物と用いてスクリーニングします。P3施設が利用できます。

特徴・独自性
  • 当研究室では様々な生物活性探索アッセイ方法を確立しています。その成果として日本たばこ産業と共同開発した抗HIV 剤、「エルビテグラビル」が臨床応用されています。他にも、新規の作用機序を有する逆転写酵素阻害剤(EFdA)や抗ガン剤(S-FMAU)を開発してきました。具体的には、1)抗ウイルス剤や抗菌剤などの活性評価、2)抗腫瘍活性の測定、3)新たなスクリーニング法の確立などを行います。
実用化イメージ

新たなターゲットに対するhigh through-put screening 確立の受託も可能ですので個別にご相談ください。P3実験施設を必要とする共同開発や他の微生物を含めた学術指導にも応じます。

研究者

災害科学国際研究所

児玉 栄一  

Eiichi Kodama

新型コロナウイルス治療薬・消毒薬の評価

前の画像
次の画像
概要

感染性新型コロナウイルスを用いて消毒薬や治療薬の開発をします。

従来技術との比較

P3施設において、いろいろな新型コロナウイルス株を試すことが可能です。タンパク構造解析が可能です。

特徴・独自性
  • 感染性を有する新型コロナウイルスを使用し、新型コロナウイルスに対する新規治療薬候補の評価や開発、併せて消毒剤の評価なども行っております。さらに、作用機序や耐性機序に踏み込むことも可能です。ほかにも、インフルエンザウイルスから薬剤耐性菌までの同時評価が必要な場合はご相談ください。これまでに、国内外製薬企業、関連企業との共同研究で、臨床薬の基礎開発から臨床応用までの経験があります。
実用化イメージ

阻害剤や消毒剤などの開発・評価において、目的の微生物だけでなく、同一施設で、条件をそろえて幅広く対応でき、効果の比較が容易です。野生型だけでなく、変異型にも対応可能です。

研究者

災害科学国際研究所

児玉 栄一  

Eiichi Kodama

リンパ節内薬剤投与における溶媒粘度特性の明確化とその免疫応答への影響

前の画像
次の画像
概要

転移リンパ節に対する全身化学療法の奏効率は低い。本発明はリンパ節に直接薬剤を投与する方法(リンパ行性薬物送達法)における溶媒特性、特に粘度の最適値を提示するものである。2024年、岩手医科大学附属病院 頭頸部腫瘍センターにおいて リンパ節転移に対する特定臨床研究(jRCTs021230040) が開始された。

従来技術との比較

転移リンパ節に対する全身化学療法では、転移リンパ節に対する薬物送達量が少ない。リンパ節内の腫瘍増殖にともなう内圧増加や腫瘍巣の形成にともなう微小血管の消失によるものである。本発明ではリンパ節に薬剤を直接投与するリンパ行性薬物送達法での溶媒の最適な粘度域を明らかにした。

特徴・独自性
  • リンパ節内薬剤投与法により、リンパ節転移治療に必要な抗がん剤の量は全身投与の1/1000 ~ 1/100と極めて少量で済みます。そのため、副作用はほぼ無視できるレベルです。また、抗がん剤をリンパ節内に直接投与することで抗腫瘍免疫が活性化することが確認されており、この効果は投与薬剤の溶媒粘度に依存します。溶媒粘度の調整により、薬剤の滞留時間や拡散特性が向上し、免疫チェックポイント阻害剤との併用による相乗効果が期待されます。さらに、超音波画像ガイド下での精確なリンパ節内投与が可能であり、溶媒粘度に関する技術は国際特許を取得済みです。
実用化イメージ

本技術は、以下のような適応に向けた実用化が期待されます。
1 .頭頸部がん・乳がんの所属リンパ節治療および予防的治療
 ・早期段階でのリンパ節転移制御・外科手術の補助療法
2 .高齢者や基礎疾患を持つ患者に対する低侵襲治療・体力的負担を抑えた安全な治療選択肢
 ・既存治療との併用による治療成績向上
3 .免疫チェックポイント阻害剤との併用による抗腫瘍免疫の強化
 ・免疫応答の増強による治療効果向上
 ・低用量での有効性確保による副作用リスクの軽減
4 .ドラッグリポジショニングおよびジェネリック医薬品の開発
 ・既存薬の新たな適応開発によるコスト削減
 ・新たな治療オプションの提供
5 .新規リンパ行性薬剤投与システムの開発
 ・効率的な薬剤送達技術の確立
 ・患者負担を軽減する革新的デバイスの設計
 
本技術は、薬剤の溶媒粘度を調整することで、がん治療における新たな選択肢を提供し、より効果的かつ低侵襲な治療法の確立に貢献します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

膠原病の遺伝的素因を有するリコン ビナント近交系マウスの開発

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • MRL/lpr マウスとC3H/lpr マウスを祖先に開発された8系統のリコンビナント近交系(RI) マウス群を提供します。これらは膠原病の遺伝的素因を多様に有する、世界唯一の疾患モデル群です。RI マウスは、MRL/lpr マウス由来の自己免疫疾患(腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎、自己抗体産生)に関連する疾患感受性遺伝子を持ちますが、通常は重篤な膠原病を発症せず、長期生存が可能です。しかし、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬、抗がん剤の投与、または感染などの環境因子によって、新たな致死的あるいは重篤な病変が発症することが確認されています。さらに、全てのRI マウスはエクソーム解析が可能であり、膠原病の病因解明、新規標的分子の同定、新薬の非臨床試験に有用な疾患モデルとなります。
実用化イメージ

この疾患モデルを活用することで、以下の応用が期待されます。
1 .膠原病の病因解明と新規標的分子の同定
 ・遺伝的・免疫的要因の詳細解析
 ・診断・治療法開発のための鍵分子発見
2.新規薬剤の副作用評価
 ・環境因子や治療薬による副作用の解析
 ・薬剤の有効性・安全性評価
3 .免疫関連薬剤の有害事象の診断・治療・予防法開発
・免疫チェックポイント阻害剤による副作用の早期発見・予防
・有害事象の管理方法開発
4 .ドラッグリポジショニング及びジェ
ネリック薬の開発
・既存薬の新適応症探索
・コスト削減を実現するジェネリック薬開発

本疾患モデル群は、膠原病研究から新規治療法開発、薬剤の安全性評価に至るまで、幅広い分野で応用可能です。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

重度の自己免疫性関節炎、血管炎、唾液腺炎を自然発症する疾患 モデルマウス、McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスの開発

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • McH/Mo-lpr/lpr-RA1マウスは、MRL/lprマウスとC3H/lpr マウスを基に樹立されたリコンビナントコンジェニックマウスであり、自己免疫疾患研究における重要な疾患モデルです。本マウスは、関節リウマチに類似した関節炎、シェーグレン症候群に特徴的な唾液腺炎、結節性多発動脈炎にみられる血管炎に似た病変を自然発症します。MRL/lpr マウスと異なり、リンパ節腫脹や重篤な腎炎を発症せず、繁殖が容易で、長期の薬剤投与実験や病態評価が可能です。
実用化イメージ

本モデルを活用することで、以下の実用化が期待されます。
1.膠原病の病因解明
 ・ 関節リウマチ、シェーグレン症候群、結節性多発動脈炎の遺伝的
 ・免疫学的要因の解析
 ・診断・治療法の開発に向けた標的分子の同定
2.新規薬剤の副作用評価
 ・膠原病治療薬の副作用を事前に評価
 ・新規治療薬の有効性と安全性を高精度に検証
3.免疫関連薬剤の有害事象研究
 ・免疫チェックポイント阻害剤の副作用の早期発見および予防法の確立
 ・免疫関連副作用の管理法と治療法の開発
4.ドラッグリポジショニングおよびジェネリック薬開発
 ・既存薬の新たな適応症を探索し、治療選択肢を拡大
 ・低コストのジェネリック薬の開発

本モデルは、膠原病研究、新薬開発、免疫関連薬剤の副作用研究に貢献し、治療法の革新を促進します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

リンパ節転移リスクをリンパ節の内圧の変化から評価する

前の画像
次の画像
概要

リンパ節転移リスク評価方法
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken/T13-196.pdf

従来技術との比較

がん細胞のリンパ節への転移の有無は、患者の生存率に大きく影響を与える。転移後の致死率が高いことから、早期にリンパ節転移リスクを評価できることが望ましい。しかし、従来の方法(超音波、CT、MRI、PETなど)では、最大短径10mm以下の微小転移巣を同定することは困難であり、早期にリンパ節転移リスクを評価することは困難であった。

特徴・独自性
  • リンパ節転移は多くのがんで見られるものの、現行のCT、MRI、PET、超音波などでは10mm 以下の小さな転移リンパ節の検出が困難です。私たちは、ヒトと同等の大きさのリンパ節を持つリンパ節転移モデルマウスを独自開発し、これを用いた研究で、小さなリンパ節転移の早期段階においてリンパ節内圧が増大することを発見しました。臨床試験でも、転移リンパ節の内圧が正常リンパ節より高いことが確認され、これにより転移の早期発見が可能となります。
実用化イメージ

本技術の応用により、以下の実用化が期待されます。
1 .転移リンパ節の検出を可能にする圧力計測機器の開発
 ・小さなリンパ節転移を高精度で検出
 ・非侵襲的かつ迅速な診断ツールの提供
2 .転移リンパ節の早期診断および治療効果の評価システムの開発
 ・早期転移を検出し、治療進行をリアルタイム評価
 ・治療効果を迅速に判断し、最適な治療を提供
3 .リンパ行性薬剤送達のための新しい薬剤注入機器の開発
 ・精密かつ効果的なリンパ節内注入を実現
 ・がん治療における薬剤送達効率の向上
4 .新規画像解析機器の性能評価および改良
 ・転移リンパ節を検出する新たな画像解析技術の開発
 ・画像診断の精度向上と早期診断の確立

本技術は、圧力計測技術とリンパ節内圧の変化に基づく評価法を活用し、がん診断・治療に新たなアプローチを提供します。これにより、がんの早期発見と最適な治療選択が可能となり、診断・治療の革新に貢献します。

研究者

大学院医工学研究科

小玉 哲也  

Tetsuya Kodama

スピン制御レーザー

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • Qスイッチという光学デバイスは、高安定・高出力で知られる固体レーザーのパワーを著しく増大することができます。現在は、電気光学効果あるいは音響光学効果を用いたQ スイッチが主流ですが、磁気光学効果を用いても、Q スイッチができることを、我々は見出しました。実際に、磁気光学材料を使って、Qスイッチを作製し、「スピン制御レーザー」という名前で、デバイス化しています。
実用化イメージ

膜型のQスイッチは、他にありません。磁性膜を使うことで初めて実現されました。固体レーザーのパワーを飛躍的に増大できるものであり、現在のハイパワーなレーザーを、小型化できるデバイスと言えます。

研究者

電気通信研究所

後藤 太一  

Taichi Goto

新規磁性ガーネット膜の開発

概要

磁性ガーネットの作製を行っています。磁性ガーネットは、磁性を持ったガーネット構造を持った材料のことを指します。磁性ガーネットの中でも、特に、YIG(イットリウム鉄ガーネット)のYサイトを、CeやBiといった希土類材料で置換し、磁気光学効果を増大した材料を作製しています。作製方法は、イオンビームスパッタ法を用いており、緻密な膜の作製が可能です。エピタキシャルな膜作製が可能です。

従来技術との比較

エピタキシャルに磁性ガーネットを作製するには、900度程度に、基板加熱を行いながら、成膜を行う必要があるため、専用の装置を必要とします。

特徴・独自性
  • 磁性ガーネット膜の作製が可能です。磁性ガーネットは、YIG(yttrium iron garnet, Y3Fe5O12)を基本組成とし、このYのサイトに、他の元素を置換することで、磁気光学効果が大きくなったり、高周波(スピン波)の応答が変わったりします。私は、このYサイトに、Ce、Bi、Dy、などの希土類を置換することで、大きな磁気光学効果を持つ材料を作製しています。これを用いたデバイス応用についても取り組んでいます。
  • さらに、磁気異方性を制御することが、デバイス応用上重要となりますが、これを、イオンビームスパッタ法の場合は、成膜中に、調整することが可能になるため、応用上有利です。さらに、磁気ドメインをもつ膜にしたり、磁気光学効果を大きくしたりすることが可能で、デバイスに合わせた材料の設計と作製と試作が可能です。
実用化イメージ

・磁性ガーネットを利用したデバイスプロトタイプの性能を向上し、実用化製品の開発研究。
・磁性ガーネットを利用した磁気光学あるいはスピン波に関する基礎的な共同研究。

研究者

電気通信研究所

後藤 太一  

Taichi Goto

異分野融合による糖尿病への低侵襲細胞療法の確立

前の画像
次の画像
概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 膵島移植は、重症糖尿病に対する理想的な低侵襲細胞治療法です。本プロジェクトにおいては膵島移植を雛形とし、分野および産学の枠を超えた先端技術の組織横断的融合を試みる事により、東北大学にトランスレーショナルリサーチの成功例として細胞工学治療の拠点を形成することを目的としています。本プロジェクトによる技術革新が、細胞療法を機軸とする新しい医療産業の活性化に大きく貢献するものと確信しています。
実用化イメージ

新規細胞分離用酵素剤や埋め込み型細胞デバイスの開発をはじめ、いくつかのシーズは既に国内大手企業と効果的な産学連携体制が構築されていますが、医療用動物の作製や再生医療に欠かせない新規皮下細胞移植法の実用化に関して連携できる企業を模索中です。

研究者

大学院医学系研究科

後藤 昌史  

Masafumi Goto

下痢性貝毒の新規微量検出法の開発

概要

従来技術との比較

特徴・独自性
  • 下痢性貝毒であるオカダ酸(OA)が高結合性を示すタンパク質OABP2の効率的調達が可能となり、凍結融解後もOABP2がOA に対する結合性を保持することが明らかとなりました。下痢性貝毒は日本の養殖業を脅かす食中毒の一種で事前検査により未然に防がれていますが、動物愛護の観点から現行の急性毒性検査に替わる代替法の開発が望まれています。本研究ではOABP2を用いた新規OA定量法を開発し、簡便かつ迅速な下痢性貝毒検出法として販売化を目指しています。
実用化イメージ

アフィニティーカラム法やラテラルフロー法をご専門にされる企業や団体と産学連携を進めたいです。

研究者

大学院農学研究科

此木 敬一  

Keiichi Konoki

指定難病を治療する薬剤候補の探索

概要

電気生理学的手法と効率的かつ段階的なスクリーニング法を組み合わせたハイスループット電位依存性ナトリウムチャネル(Voltage-gated sodium channels, Nav)阻害剤スクリーニング法を確立した。本事業では化合物ライブラリーや生物材料を提供して頂き、神経障害性疼痛や各種心臓病等を治療するNav阻害剤を探索する。

従来技術との比較

Navの挙動観察用に開発されたハイスループット系はNav電流を直接、観測していないため、偽陽性反応が生じる欠点をもつ。本事業ではNav電流を直接、観測でき、Nav阻害作用の有無を正確に評価できる電気生理学的手法に対してハイスループット性を保持させた革新的な戦略を適用する。そのため、見い出された物質そのものが薬剤候補となると考えている。

特徴・独自性
  • 電気生理学的手法は0.01秒程度の超短時間で開閉し、1細胞あたり僅か10-9分の1アンペア(1 nA)程度の電位依存ナトリウムチャネル(Nav)透過電流を観測する戦略です。高い専門性を必要とする電気生理学的手法は阻害作用の有無を正確に評価でき、薬剤候補を探索する手段として独自性が高い手法です。本手法に、4段階で構成される効率的かつ段階的なスクリーニング法を組み合わせます。化合物ライブラリーをグループに分けて実施する第1段階、陽性グループ中の化合物を連続投与する第2段階では、複数のNav サブタイプを安定発現し、ハイスループット性に秀でたNeuro2A 細胞を用います。続いて、単一Nav サブタイプを発現させたHEK293T 細胞に単一化合物を投与する第3段階、電気生理学的に[静止―活性化―不活性化]状態にある各Navを抽出し、単一化合物によりいずれの状態が阻害されるかを調べる第4段階を経て完了します。この特徴的な最終段階は作用機序解明を実現する生理活性測定戦略と位置付けられます。
実用化イメージ

先天性筋無力症候群、非ジストロフィー性ミオトニー症候群、ドラべ症候群など患者数が少なく収益を得られにくい指定難病や心臓疾患の治療に貢献します。

研究者

大学院農学研究科

此木 敬一  

Keiichi Konoki

高圧ガスタービン環境における燃焼評価と気流噴射弁の技術開発

前の画像
次の画像
特徴・独自性
  • 燃焼は、温度、濃度、速度、高速化学反応といった多次元のダイナミックスが複合した複雑な過程です。当研究室は、高圧ガスタービン環境を実現できる世界的にも希な高圧燃焼試験装置を有し、高温高圧下の燃焼実験ならびにレーザー分光計測に独自性があります。航空宇宙推進系のみならず各種高圧化学反応炉の設計技術と安全評価技術、新燃料の燃焼技術、さらには高圧下の液体微粒化技術の研究開発にも取り組んでいます。
実用化イメージ

航空宇宙、自動車、電力、工業炉、化学プラント業界における、多様な燃料に対するガスタービン燃焼と評価、高圧噴霧生成と制御、高圧下のレーザー燃焼診断、化学反応炉の安全設計等に関する連携が可能です。

研究者

流体科学研究所

小林 秀昭  

Hideaki Kobayashi