東北大学 研究シーズ集

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登録されている研究者 367人(研究テーマ418件)

金属ナノ粒子を用いた抗原虫薬の開発 アミノ酸被膜による効果の増強

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特徴・独自性

金属ナノ粒子は、一般的な大きさの金属個体とは異なる物理的、化学的特性を持つ。これらの特性は金属ナノ粒子の比表面積が極めて大きいことに起因する。また、その量子サイズによって特有の物性を示す。
さらに、金属ナノ粒子は微生物を殺滅する活性酸素種を産生する能力があり、膜透過性も持つ。
我々は、アミノ酸被膜金属ナノ粒子がトキソプラズマの増殖を抑制することを報告している。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

マラリアを始め、人類の脅威となっている原虫感染症の予防、治療、診断について、金属ナノ粒子を使った新しいツールを提供できる可能性がある。ナノテクノロジー分野、動物医療を含めた医薬品分野等において活用の可能性がある。

大学院農学研究科・農学部 資源生物科学専攻 動物生産科学講座 動物環境システム学分野
加藤 健太郎 教授 博士(獣医学)
KATO Kentaro Professor

圏外でも通信可能な“スマホdeリレー”

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特徴・独自性

爆発的に普及したスマートフォンですが、そのWiFiを活用すれば、携帯電話がつながらなくても、隣の人はもちろん、周囲のスマートフォンにデータをリレーしてもらうことで遠くの人とも情報を交換することが可能になります。現在研究開発を進めている省電力技術やセキュリティ技術が確立すれば、電池残量を気にする必要もなく、他人にデータを見られる心配もなく、通信することが可能になります。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

災害等の緊急時の情報発信、商店街等での広告・クーポン配布、イベント会場等での少人数グループ内情報交換、団体旅行・登山等でのトランシーバ的な利用、新興国等での通信サービスなどへの応用が期待できます。

大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 応用情報技術論講座 情報通信技術論分野
加藤 寧 教授 工学博士
KATO Nei Professor

インターネットビデオが持つ指紋のような固有パターン

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特徴・独自性

最新の研究により、インターネット上を流れるビデオストリームには、各ビデオ固有の特徴が存在することが明らかになってきました。シーン変化の多少といったビデオ映像そのものの特徴や、エンコード方式の違い等により、リアルタイムビデオ配信ではネットワークを流れるデータ列に各ビデオ固有のパターンが現れます。ネットワークの中間点においてデータの中身を見ることなくビデオを特定できる技術として注目を集めています。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

ビデオを視聴しているユーザのプライバシー等を侵害することなく、違法ユーザによる有料ビデオの横流しや秘密TV 会議映像の企業外への流出の防止、あるいはビデオコンテンツの流通調査などでの利用が期待できます。

大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 応用情報技術論講座 情報通信技術論分野
加藤 寧 教授 工学博士
KATO Nei Professor

卑金属・半金属およびその合金によるオープンセル型ナノポーラス材料の開発

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特徴・独自性

ナノポーラス金属は、緻密材に比べて桁違いに大きい表面積を有し、次世代高機能材料として応用が期待されている。その主な作製法として知られる水溶液による脱成分法は、微細・均一な多孔質構造の形成を可能にするが、その形成原理は腐食であり、標準電極電位の高い貴金属において多孔質材料の作製が可能であるが、卑金属では酸化されてしまう。本部門では金属溶湯による簡便な脱成分技術を新たに考案した。この技術によれば、貴・卑に依存せず純金属や合金を多孔質化することが可能で、かつ、無酸素脱成分工程であるために酸化も生じない。従って、これまで作製が困難であった数々の卑金属(Ti、 Ni、 Cr、 Mo、 Fe、Co 等)・半金属元素およびそれらの合金において、オープンセル型ナノポーラス金属材料の開発に成功した。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

新規電極、触媒、フィルター等に実用が期待できるほか、Niなどの毒性元素を含有する生体金属材料表面からこれを除去する技術としても利用でき、関連企業・団体との共同研究・開発を強く希望する。

金属材料研究所 非平衡物質工学研究部門
加藤 秀実 教授 工学博士
KATO Hidemi Professor

腫瘍特異的モノクローナル抗体の開発

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特徴・独自性

近年、抗体医薬の開発が活発であるが、既存の抗体医薬品は正常組織にも発現するタンパク質に対する抗体であり、副作用が問題になる。この問題を解決するため、腫瘍細胞の特異的糖タンパク質、糖鎖、変異型タンパク質などの分子標的に対する特異的モノクローナル抗体を効率的に産生する技術を開発した。この技術により開発した抗体は腫瘍特異的であるため、副作用を低減した抗体医薬の開発を促進させることができる。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

腫瘍マーカーや抗体医薬の開発を飛躍的に加速させる。

未来科学技術共同研究センター 開発研究部 抗体創薬プロジェクト
加藤 幸成 教授 博士(薬学)
KATO Yukinari Professor

心臓・血管系動態の高精度超音波計測

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特徴・独自性

心臓・動脈に照射し反射した超音波の解析で、従来のエコー装置で検出できない、対象物の振動や変形をミクロンオーダで数百Hz帯域(肉眼では捉えられない速い成分)まで高精度計測する方法を開発(図1)。心臓壁の動きの高精度計測でポンプ機能を司る壁伸縮特性評価、収縮のもととなる心筋興奮伝播の可視化、心臓弁開閉時に発生する微小振動伝播可視化(図2)、脈圧に伴う動脈壁厚み変化計測による壁硬さ評価(図3)が可能。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

超音波計測は非侵襲であり、医療のみならず、健康維持の様々な計測にも展開可能です。超音波計測部分はアナログですが、主な処理はディジタル信号です。

大学院工学研究科・工学部 電子工学専攻 電子制御工学講座
金井 浩 教授 工学博士
KANAI Hiroshi Professor

超音波による安全で画期的な循環器診断

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特徴・独自性

体表から送信した超音波の位相を巧妙に用い,収縮弛緩や血圧変化に伴って心筋や動脈壁で1心拍内に生じる数ミクロンの僅かな厚み変化を高精度に計測し,心筋機能や動脈壁硬さを層別に評価できる手法を世界に先駆け開発した。さらに,心臓収縮初期に興奮の電気伝導に伴い心筋に微小な応答が生じ心臓壁を伝搬する現象を初めて見出した。また虚血後の数秒間の僅かな時間に,その興奮の伝導速度が約50%低下することも見出した。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

病変内部組成を体表から同定できる生体マイクロスコープを実現し,心筋梗塞等の急性冠症候群の安全で画期的な診断手法が期待でき,医療費の適正化にも貢献できる。

大学院工学研究科
金井 浩 教授 工学博士
KANAI Hiroshi Professor

ナノスケール超微細構造を利用した超小型・高機能光デバイスの開発

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特徴・独自性

ナノ構造と光の相互作用から生じる新規光学現象を利用した超小型・高機能光デバイスの研究を行っています。また、ナノ光学素子を実用化する上で顕在している問題を克服する新たな製作技術の開発も行っています。
《主な研究テーマ》
■ 可動メタマテリアルによる光の動的制御
■ 微細周期構造を利用したカラーフィルタ
■ 表面原子自己拡散を利用した超平坦化技術
■ 超低損失シリコンナノフォトニクスの基礎研究

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

革新的光制御・センサデバイスの実現と社会実装を目指しています。「ナノフォトニクス、メタマテリアル、生物模倣光学」と「微細加工、光MEMS」の融合による光操作の未来技術と応用展開について研究しています。

大学院工学研究科・工学部 ロボティクス専攻 ナノシステム講座 情報ナノシステム学分野
金森 義明 教授 博士(工学)
KANAMORI Yoshiaki Professor

野菜や果物のおいしさや健康機能性の科学的評価とその利用

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特徴・独自性

当研究室では、トマトやリンゴなどの野菜や果物の生産や流通に活かすため、糖やビタミンなどの有用成分の研究を行っています。そのため、野菜や果物の栽培や貯蔵における環境や技術が品質に及ぼす影響を科学的手法によって明らかにすることができます。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

科学的なエビデンスを得るための実験方法を提案し、成分分析等を実施し、栽培、輸送、保存の方法や、品種の違い等が品質に与える影響を評価することができます。野菜や果物の生産から消費に至る幅広い業界との連携が可能です。

大学院農学研究科・農学部 資源生物科学専攻 植物生産科学講座 園芸学分野
金山 喜則 教授
KANAYAMA Yoshinori Professor

イオン制御プラズマによるナノ・メディカル・アグリ応用技術開発

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特徴・独自性

人の手で触ることのできるような非平衡(低温)プラズマ中のイオン、電子、活性種(ラジカル)を制御して生成する技術(イオン制御プラズマ)を開発・活用することで、ナノエレクトロニクス分野ではナノ粒子・ナノカーボン・生体分子の複合物質を創製でき、医療分野では極めて低侵襲で細胞内に薬剤(抗がん剤)や治療用遺伝子を高効率で導入することができ、さらに農業分野では農薬に代わって殺菌を行うことができる。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

イオン制御プラズマを、人に優しい低侵襲・高効率の遺伝子・薬剤導入装置、自然に優しい農薬不使用栽培システム、地球に優しい高効率電池電極材料創製等に応用する研究を行っている。プラズマの新たなナノ・メディカル・アグリ応用技術を産業界で活用したい企業や団体との共同研究を希望する。

大学院工学研究科・工学部 電子工学専攻 物性工学講座 プラズマ理工学分野
金子 俊郎 教授 博士(工学)
KANEKO Toshiro Professor

生体用モーションキャプチャシステムの開発

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特徴・独自性

生体に関する様々な運動を非接触かつ非侵襲的に計測することが可能な生体用モーションキャプチャシステムの開発を行っています。口腔内など遮蔽された空間でも利用可能な磁気式システムでは、最新の磁気工学技術によるLC 共振型磁気マーカを利用し、外部からの磁場印加によるシステムのワイヤレス化を実現しました。さらに光学式システムでは小型軽量の赤外線反射マーカを利用し、250ヘルツにて50 箇所までリアルタイムでの同期的計測が可能なシステムの開発に成功しています。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

本システムでは生体に関する様々な動作解析が可能で、非接触かつ非侵襲的な動作解析を必要とする診断・医療機器などへの応用が可能です。条件に合わせてシステムを特化することもできるので、本システムを活用したい企業や団体との共同研究を希望します。

大学院歯学研究科・歯学部 歯科学専攻 歯学イノベーションリエゾンセンター 異分野融合部門
金高 弘恭 准教授 博士(歯学)
KANETAKA Hiroyasu Associate Professor

地球環境保全に貢献する粉体工学の創成

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特徴・独自性

粉体は私たちの生活に欠かすことのできない固体の存在形態であり、食品や化粧品、薬品、セラミックス、鉱工業等、様々な産業分野で用いられている。粉体を原料とする製品の性質や特性はその化学組成だけではなく、材料中の粒子充填構造にも大きく依存するため、粉砕や混合などの粉体プロセスを制御することが必要である。本研究室では、粉体プロセスを自在に精緻に制御するためのツールとしてのシミュレーション法の創成を行っている。本シミュレーションによって、粉体プロセスを最適化することにより、省エネルギー化や省資源化を図っている。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

シミュレーションを活用した粉砕、混合、充填などの粉体プロセスの解析・高効率化とメカノケミカル効果を積極的に活用した都市鉱山からの金属リサイクルやバイオマスからの創エネルギーに関する研究を展開している。

多元物質科学研究所 附属金属資源プロセス研究センター 機能性粉体プロセス研究分野
加納 純也 教授 博士(工学)
KANO Junya Professor

⾻再⽣治療の新たな展開

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特徴・独自性

2019年に製品化された⾻再⽣材料であるリン酸オクタカルシウム・コラーゲン複合体(OCP/Col:Bonarc)は、既存⾻代替材料の⾻再⽣能を凌駕し、操作性や費用対効果に優れる。最近、それらにテリパラチド(TPTD:骨粗鬆症治療用副甲状腺ホルモン製剤)を添加すること、あるいはOCP/Colの製造過程を改良することで、対応困難であった難治性⾻⽋損や骨造成への適応拡大の可能性が示唆されている。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

⾻再⽣材料として整形外科、脳神経外科領域等の様々な⾻⽋損修復への応⽤展開や海外展開を⽬指すとともに、コンビネーションプロダクトを用いた難治性⾻⽋損や緊急⼿術時への応⽤が期待される。

大学院医工学研究科 医工学専攻 生体再生医工学講座 骨再生医工学分野
鎌倉 慎治 教授 歯学博士
KAMAKURA Shinji Professor

子育て支援

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特徴・独自性

子どもとかかわる保護者、保育者自身の「大人のキャリア発達」を研究テーマとしています。家族システム論、保育環境論をベースに、子どもとかかわる大人の感情制御、環境設定などについて文化・社会、時代・歴史的背景を踏まえて研究を進めています。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

特に乳幼児を中心とした子育て家族にかかわる、保育、子育て支援関係者あるいは、子育て家族にかかわる教育、福祉、司法、医療、産業領域におけるコンサルテーション。

大学院教育学研究科・教育学部 総合教育科学専攻 教育心理学講座 教育心理学分野
神谷 哲司 准教授 博士(教育学)
KAMIYA Tetsuji Associate Professor

脳機能および精神的健康感の維持向上法開発研究

特徴・独自性

スマート・エイジング国際共同研究センター(通称SAIRC)は、国際的な研究拠点として、超高齢社会における新たな統合的加齢科学分野を切り開き、世界を先導するスマート・エイジング研究を通じて、持続可能型高度成熟社会の形成に寄与するため、文系・理系に拘らない架橋融合的研究、国際共同研究、産学連携研究などを展開します。
脳機能イメージング及び実験心理学的手法を核としながら、心を豊かに穏やかに加齢するための方法論的研究を、脳を直接研究対象とした脳科学研究、認知機能向上法開発のための認知心理学研究、認知症予防、メンタルヘルスを対象とした医学的研究、こころや死生観までを対象とした哲学・心理学研究・倫理学研究などを融合して推進します。
スマート・エイジング研究に関する共同研究を募集しますし、学術指導も積極的に行います。

加齢医学研究所 脳科学研究部門 応用脳科学研究分野
川島 隆太 教授 医学博士
KAWASHIMA Ryuta Professor

スマート・エイジング実践法の開発

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特徴・独自性

健康長寿社会の実現をめざし、個人が多様で複雑な社会の中で、脳と心の健康を維持・向上させ、発達・加齢の各段階で健やか、且つ、穏やかな心を保つことを可能とする、様々な技術開発を、脳機能イメージング研究、認知科学、心理学などの基礎研究の知識と技術を応用して行います。健康な社会生活を送っている人たちが、より幸せな人生を歩むことができることを目的としていることが最大の特徴です。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

生活の質向上、認知機能維持・向上、ストレス軽減、コミュニケーションスキル向上などを可能とするシステム開発を目指すため、医療・福祉、教育、情報・通信、生活に関する製造業全般との産学連携を想定しています。

加齢医学研究所 脳科学研究部門 応用脳科学研究分野
川島 隆太 教授 医学博士
KAWASHIMA Ryuta Professor

遺伝子検査ツールの開発研究

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特徴・独自性

我々の研究はPOCTとして実用可能な遺伝子検査ツールの開発である。これまでに開発したSTH法は、検査対象遺伝子をタグDNA に読み替え、そのタグDNAとの反応で特定ラインが青色に変化する試験紙:PASを用いて検査する極めて簡単な遺伝子検査法である。現在様々な用途での活用が検討され、豚肉混入検査キット、食中毒菌検査キット等幾つかの検査キットが実用化されてきている。今後我々は、ニーズの大きな各種感染菌の検査キット開発に注力して行きたい。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

最もニーズが高いと想定される用途は、結核/マラリア/デング熱/ジカ熱等の各種感染症の原因菌/ ウィルスの現場検査と考えられる。POCT 遺伝子検査に興味を持つ診断キットメーカー/ 検査キットメーカーとの産学連携を期待したい。

医工学研究科
川瀬 三雄 教授 工学博士
KAWASE Mitsuo Professor

セラミックスのイオン輸送を利用した燃料電池とエネルギー貯蔵

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特徴・独自性

イオン導電性セラミックスを用いて高温で動作する固体酸化物形燃料電池は、様々な燃料を高い効率で利用することができる発電システムです。当研究室では、さらなる高性能、低コスト、高信頼性を達成するために、材料の電気化学的・機械的挙動について、基礎的・多角的な研究を行っています。また、燃料電池の逆反応を用いて、再生可能エネルギーから得た電力を水素やメタンとして貯蔵する研究も行っています。

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

学内外の研究機関や企業・団体と協力しながら、燃料電池技術の商用化に向けて取り組んでいます。また、機能性材料のイオン輸送、界面反応、機械的特性の評価・解析技術を通して、新技術の開発にも貢献します。

大学院環境科学研究科 先進社会環境学専攻 エネルギー資源学講座 分散エネルギーシステム学分野
川田 達也 教授 博士(工学)
KAWADA Tatsuya Professor

ディジタル信号処理

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特徴・独自性

ディジタル信号処理の広範な基礎と理論的最適性を重視し、以下の研究を行っている。
画像・映像信号処理
画像・映像修復
適応ディジタル信号処理
ディジタルフィルタの最適設計
信号処理理論・線形システム理論・回路網理論
ディジタルシグナルプロセッサの応用

産学連携の可能性(想定される用途・業界)

産業分野における通信、計測、制御、回路設計における最適な信号処理手法の設計と効率的実現・実装に応用できるものである。

工学研究科 電子工学専攻
川又 政征 教授 工学博士
KAWAMATA Masayuki Professor

東日本大震災後の選挙に見る情報技術活用の課題と可能性

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特徴・独自性

被災地の選挙管理は、自治体職員の多くの被災もあり、また多くの住民が避難生活を余儀なくされたこともあってマンパワー不足であった。被災地の選管などからは、情報技術の活用に期待する声があがったが、一方でそれをクリアするには技術的・法律的な課題が少なくない。
ただ、ネット選挙の解禁だけではなく、有権者の本人認証システムの構築や投票機器の改善といった部分でも、情報技術を選挙の現場で活用できると思われる。ただ、情報技術の活用は容易でないのが現実である。2017 年度、我々の研究プロジェクトで全国市区選管事務局にアンケート調査(回収率97.7%)を実施したところ、約4割がセキュリティポリシーが厳しい関係から無線LAN 接続が不可能であり、約4 割が導入実績がないため利用が難しい状況があることが明らかになった。自治体内に、技術トラブルといったリスクをおそれ、情報技術の活用に二の足を踏ませる力学が働いている。情報技術を活用するための環境づくりも実は必要なのである。
加えて、選挙管理を含めた行政環境への情報技術の導入は、いわゆる最先端の技術よりも、「既存の、ある程度一般に普及した『信頼性の高い」技術』の方が容易のように見える。技術に対する信頼を高めるにはどうすべきか、検討しなければならない。
技術的な産学連携だけではなく、新しい技術を導入するための場づくりの共同研究も進めるべきと考えている。

大学院情報科学研究科 人間社会情報科学専攻 社会政治情報学講座 政治情報学分野
河村 和徳 准教授 博士(情報科学)
KAWAMURA Kazunori Associate Professor