ナノバブル:生命科学とサステナブル農業への応用展開
更新:2024/07/18
- 概要
ナノバブル技術には従来の洗浄と異なる革新的な機能が期待できる。純水に微量の無機イオンを加えることで、長期間安定したナノバブルの製造に成功した。ナノセルとも呼ぶことができる10nmレベルの微粒子であり、界面活性剤などが必要なく安定的に分散している。表面に数nm以下の凹凸構造があり、ナノ特有の機能が期待できる。安全性に優れており、医療やバイオ、農業分野など広範な技術領域で応用できる可能性がある。
- 従来技術との比較
従来のファインバブルはシャワー洗浄等で注目されているが、具体的機能は未だ不明。東北大学は10nmレベルのナノバブルの製造と測定に成功。単なる洗浄効果を凌駕し、生体や植物に対する広範な機能を有する。
- 特徴・独自性
-
- 10nmレベルのナノ粒子(量子ドット)的な存在である
- 分散剤を必要とせずに長期に安定している(凝集しない)
- 生体や植物に対して安全でありながら特異な機能を発揮する
- 実用化イメージ
-
未知な領域で新たな機能を発揮させて欲しい。医療・バイオ分野等、素材として取り扱う企業との共同研究を希望。水としての利用が可能であり、他の薬剤との相乗効果を希望する場合、本技術が有効と思われる。
- キーワード
研究者
未来科学技術共同研究センター
開発研究部
クリーンルーム整備共用化の推進と半導体製造技術・センサ技術の開発
高橋 正好 特任教授(研究)
工学修士(九州大学)/博士(工学)(九州大学)
Takahashi Masayoshi, Specially Appointed Professor(Research)
物理化学を専門として、微小な泡(気液界面)を介して「水」の持つ機能を引き出すための技術開発に取り組んでいる。