迷光強度を1/1000以下にできる分光器
更新:2025/07/04
- 概要
迷光強度を1/1000以下にできる分光器
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T21-068.html- 特徴・独自性
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分光器を用いて分光する場合、入力光の1次反射光のほか、0次反射光、2次回折光、その他の分光器内に生じる散乱光などの影響により、広い波長範囲に渡る種々の迷光が発生します。特に、レーザのような強い光を光源として用いて、試料からの弱い信号光を検出するような測定では、迷光の影響により信号光の検出が難しくなります。
分光器の迷光を低減させるため、誘電体膜を用いたカットフィルタや、モノクロメータを直列に接続したダブルモノクロメータ型分光器などが開発されています。しかし、これらの方法を用いた場合、広い波長範囲に渡る迷光を一度に除去できないことが課題として挙げられていました。
本発明は、広い波長範囲(例えば近紫外~近赤外)の迷光を除去できる機構を備えた分光器に関するものです。図に、本発明を用いた超伝導体からの高調波の観測結果を示します。超伝導体の高調波のうち、3 次高調波(2.1eV = 590 nm 付近)はどのような分光器を用いてもはっきりと観測できますが、5 次高調波(3.5 eV = 354nm 付近)は本発明を用いることにより、従来の方法とくらべ2 桁半(数百倍)~ 3 桁半(数千倍)もノイズレベルを減ずることができます。 - 実用化イメージ
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以下のような社会実装への応用が期待されます。
・ラマン散乱分光
・分光蛍光測定
・高調波観測
・その他、レーザ光を試料に照射する方法を用いた種々の分光測定 - キーワード