RNAグアニン結合性蛍光色素


更新:2025/06/11
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概要

RNAグアニン結合性蛍光色素
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T22-031.html

特徴・独自性

 本発明では、RNA に対する選択性と結合力に優れる、新規蛍光色素を提案するものです。RNA 結合性低分子探索法として、蛍光指示薬競合置換アッセイ(FID 法;RNA と結合し蛍光が大きく変化する蛍光指示薬を用いて、対象化合物との競合置換により、ハイスループットでRNA 結合性を評価する方法)が知られています。
 既存のRNA 検出プローブのほとんどは平面 性構造のインターカレータ―であり、ヒット化合物を見逃さないためには結合様式の多様化が求められます。
 そこで発明者らは、水素結合認識型 の新規プローブとしてTO-Gclampを設計しました。TO-G-clamp を用いて、大腸癌で治療標的になり得ると考えられているpre-mir-221 に対するFID アッセイを実施し、市販の蛍光指示薬ではヒットしなかった化合物の探索に成功しました。本蛍光色素の利用により、RNA 標的低分子探索・設計の発展が期待されます。また、TO-G-clamp のRNA に強く結合して蛍光を発する性質を利用して、固定化細胞のRNA 染色にも成功しました。

実用化イメージ

以下のような社会実装を目指して、研究を進めています。
・RNA 検出試薬(細胞内/外)
・蛍光指示薬競合置換(FID)アッセイによる、RNA 結合性低分子化合物スクリーニング
・RNA をターゲットとする疾患検査、診断

キーワード

研究者

多元物質科学研究所

鬼塚 和光 准教授 
博士(薬学)(九州大学)/修士(薬学)(九州大学)

Kazumitsu Onizuka, Associate Professor