常時微振動から地震動までの水平振動を完全に排除可能な磁気浮上型超電導免震システム
更新:2024/01/22
- 概要
- 従来技術との比較
従来の免震装置では、微小振動から震度4程度までの地震動や長周期地震動に対して免震効果を得るのが難しかったが、本装置では、免震対象物を浮上支承させるため任意の水平振動に対して振動伝達を排除可能となる
- 特徴・独自性
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- 磁気浮上型免震装置の免震原理は、現用の免震装置とは全く異なり、現用の免震装置が、主に支承部材と減衰部材で構成されており、地震時の上部構造への振動エネルギー伝達を少しでも抑制するとともに、伝達したエネルギーを速やかに吸収することで建物を地震から守る、というものであるのに対し、磁気浮上型免震装置は、建物を浮上させて基礎と建物を完全に絶縁し、振動エネルギーを上部構造に全く伝達しないことにより建物を守る、というものである。
- 現用の免震装置は、地震動により建物が共振しないように、建物の固有振動数を地震動の振動数よりも小さくすることにより、地震動による振動伝達を低減化するとともに、伝達した振動エネルギーをどの様に減衰させるかがポイントとなっているのに対して、磁気浮上型免震装置は、建物への振動エネルギー伝達を完全に除去することにより免震効果を得ることができ、建物の固有振動数や地震動の振動数に関係なく、水平方向振動については振動伝達を完全に排除可能となるため、常時微振動から近年問題視されている長周期振動を含めた地震動まで振動を伝達させない絶対免震が可能となる。
- 磁気浮上免震装置は、超電導体固有の“無制御安定浮上が可能”という性質を利用することにより初めて実現できるもので、世界のオンリーワン技術であり、建物だけでなく、精密機械・機器などにも適用可能である。
- 実用化イメージ
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地震時でも継続的な治療が必要となる病院、地震時の安全性確認のためにラインを停止することにより大きな損害が生じる工場、地震動だけでなく常時微振動についても振動伝達を抑制する必要のある精密機械・機器
- キーワード
研究者
大学院工学研究科
電気エネルギーシステム専攻
電気エネルギーシステム工学講座(応用電気エネルギーシステム分野)
津田 理 教授
博士(工学)(早稲田大学)/修士(工学)(早稲田大学)
Makoto Tsuda, Professor