高空孔率の均一な空孔を備えたMg2Si膜


更新:2025/07/01
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概要

電気伝導率はそのままに、熱伝導率を低減させたMg2Si熱電変換膜
https://www.t-technoarch.co.jp/data/anken_h/T20-338.html

特徴・独自性

廃熱から電気を取り出す熱電変換技術の開発が盛んに進められています。Mg2Siは、300°Cから500°Cの温度域での熱電変換効率に優れ、産業排熱の利用に適した熱電変換材料です。しかし、Mg2Siは熱伝導率が高いため熱リークが起こりやすく、変換効率はさほど高くならないことが課題です(下式参照)。Mg2Si粉末をペレット状に押し固めて多孔質体にすることで熱伝導率を低減させた報告もありますが、粒界の影響で電気伝導率も低下してしまうため、結果的に変換効率は大きくなりません。本発明は、上記課題を解決するMg2Si多孔質膜に関するものです。

実用化イメージ

Mg2Si多孔質膜は、スパッタ膜等の通常のMg2Si薄膜と同程度の電気伝導率を持ちながら、熱伝導率を11%低減することができます。多層膜化により300°Cから500°Cの排熱領域において熱リークの少ない熱電変換デバイスへの応用が可能です。

キーワード

研究者

多元物質科学研究所

山田 高広 教授 
博士(理学)(京都大学)/修士(理学)(京都大学)

Takahiro Yamada, Professor