現場で、目視で、金属材料への水素侵入をリアルタイム検出
更新:2024/01/31
- 概要
金属材料に水素が侵入すると、材料の機械的特性が低下し脆性破壊することがある。(水素脆化)水素脆化の発生を事前に予測するためには、材料への水素侵入を検出する必要がある。本技術では、対象となる金属材料に「水素と反応して色が変わる高分子センサー」を成膜することで、材料に侵入した水素を目視で発見できる。高分子センサーは安価かつ容易に成膜可能なため、大型で形状が複雑なインフラ設備にも適用できると期待される。
- 従来技術との比較
従来、金属中の水素検出には大型で高価な装置を必要としていたため、現場における水素検出は困難であった。本技術の水素センサーは水素を視認可能にするため、既存設備に成膜するだけで水素の侵入を発見できる。
- 特徴・独自性
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- ・金属材料に侵入した水素をリアルタイムで可視化できる。
- ・金属の腐食に伴い侵入した微量の水素でも検出できる。
- ・安価かつ容易に成膜可能なセンサーを使用するため、既存の大型設備にも適用できる。
- ・材料に侵入した水素を発見することで、水素脆化の防止と材料の長寿命化が期待される。
- 実用化イメージ
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本技術によって、大型のインフラ材料に侵入した水素を容易に検出できる。既存設備でも、材料表面に水素センサーを成膜すれば材料に侵入した水素を目視で発見できるため、メンテナンスコストの削減が期待できる。
- キーワード
研究者
金属材料研究所
材料設計研究部
耐環境材料学研究部門
柿沼 洋 助教
修士(工学)(東北大学)/博士(工学)(東北大学)
Hiroshi Kakinuma, Assistant Professor